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2003年9月の食べ歩き

9月28日( 夢うさぎ@葛西/ホープ軒@千駄ヶ谷
9月23日( 極麺王@巣鴨/ザボン@新宿
9月21日( 春木屋@郡山/正月屋@郡山/くさび@郡山/牛乳屋食堂@会津若松
9月15日( 元町家@宇都宮/ら行風神社中@宇都宮
9月14日( 三角屋@石和/なかよし食堂@韮崎/味一麺@甲府

2003/08 <<>> 2003/10

> ちなみにこの月に食べた地元の店は以下の通り ≫ 『食べ倒し日記 2003/09』

9月30日(火)よってこや@水戸・河和田
9月26日(金)寿@東海・村松
9月17日(水)平戸亭@水戸・日赤前
9月11日(木)鳳華@ひたちなか・大島
9月10日(水)とんこつ家@ひたちなか・高場
9月09日(火)昌隆菜館@水戸・桜川
9月08日(月)げんこつや@上水戸
9月07日(日)大進@ひたちなか・元町
9月05日(金)よってこや@水戸・河和田
9月03日(水)くまごろう@水戸・若宮

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 9月28日()夢うさぎ@葛西/ホープ軒@千駄ヶ谷
今日は家族サービスの日。娘達の本日の希望はTVで見た『ガチャポン会館@秋葉原』。あの100〜300円程度のカプセルにフィギュアが入ってる遊具だが,どこにでもあるものだけどそれが集まった店ならばさぞやたくさんの種類があるだろうと言うのが娘達の考える『夢』のようだ。まぁ秋葉原自体は僕自身はヒマさえあれば昔から行っていたところだが,考えてみれば娘達を連れてきた記憶がほとんどない。と言うわけでまずは秋葉原を目指す。で,その前に昼食のラーメンを。場所的,時間的,系統的,話題的に丁度いい店がこの店だ。
夢うさぎ@葛西江戸川区北葛西4-21-11 火休 11:30〜14:30/18〜21
昨年の石神本2003に初掲載されて以来,TVで見たこともあってずっと気になっていた店。日曜も営業しているので行きやすそうな店なのだが,ちょうど東京に到着する頃に中休みに入ってしまいふられたことが何度かある。開店してちょうど1年と言うかなり新しい店なのだが,店に着くと当然のように道にあふれる行列。かなり以前に来た時も行列だったから,開店後すぐに人気店になったと言うことになる。今日の行列客は20人くらいいたろうか。そしてその行列に当然の如く並ぶ我が親子(笑)。娘も妻も,この程度の行列には驚かないのである。並び始める時のまわりの人の反応ではリピーターが多い印象だ。当たり前のように最後尾につき,普通に待っている。結局30分以上待ってやっと店内へ。左側に6人掛けテーブルで,中央に10人掛けの円形テーブル,窓際にカウンター5席とコンパクト。店内に並ぶスペースはないので必然的に外に並ばざるを得ないわけだ。回転はあまりよくない印象。先の着席者の半分以上が食べ始まっていない。メニューは「中華そば」or「つけめん」に各々「特製」の選択肢,そう基本的に「青葉」のスタイル。注文したのは「中華そば」2つで,1つは特製(+250円)にして,「塩味らーめん」(700円)があったのでそれも追加,さらに「つけめん」(700円)を大盛(+100円)で注文する。一家4人,心おきなく食べる量である。スープは魚系+豚骨の,イマドキの都内のラーメン店では標準とでも言うべき「Wスープ系」。今のラーメンマニアには特に目新しさはないタイプだが,一般的(特にこの東京東部地域)では十分貴重な味だろう。この店,脱サラの人の店らしいが,こういう系統で今,これだけの集客力なら,しばらくは経営的には安泰だろう。さて,例の如くどんぶりを行ったり来たりさせながらラーメンと格闘していた我が家だが,最後はけっこう量の多かった「つけめん」で苦労する。「大盛り」だとどんぶりに麺がホントみっちり盛られてくるのだ。我が家で4杯なら「普通盛り」でよかったかもしれない。ちなみにラーメンの麺は修業先(「麺彩房@中野」」)の関係で大成食品の中細麺だが,つけめんの方は自家製麺とのこと。そのあたりは脱サラのご主人のこだわりのようだ。>大成食品系のサイトに開店までの詳しい経緯があるので参照されたい
さてその『ガチャポン会館@秋葉原』(千代田区外神田 3-15-5 MNビル1階 無休 11〜20[金・土・祝前日〜22,日曜〜19]<03-5209-6020>),何度か通った秋葉原の裏通りにあるのだが,会館と言ってもガチャポン専門は1階部分のみ(2階以上はもっとマニアックなフィギュアの店)。それでも娘達は目を輝かせ,なけなしのお小遣いを100円玉に両替して走り回り,気になるガチャポンの前で熟考している。妻は妻で「ムーミン」のガチャポンを見つめ,いつの間にか「スナフキン」をゲット。僕はと言うとサッカー日本代表のガチャポンが気になり,まずは「小野」をゲット。そうなると『黄金の中盤』を揃えたくなるのは仕方ないところで(←店の思うつぼ・笑),「稲本」を揃えたまではよかったがその後「小野」「小野」と続いてしまい断念。もちろん娘達には「2個だけ買った」ということにしてある。家族4人ではけっこうな無駄遣いになったが,まぁ各々自分の選択には納得しているので,これはこれでいいだろう。イマドキのフィギュアの出来はかなり納得のできるものだからまぁ不満はないのである。
次の目的地は夏前から話題の「汐留ラーメン@日本テレビ」(港区東新橋1-6-1 日本テレビタワー地下2F 第1・3火休 11〜22※スープ切れ終了)。しかし一方通行ばかりの汐留地区で,ぐるぐる回って駐車場の確保に手間取り,やっと日テレタワーにたどり着いたら,店前に10人ほどの行列はあったものの最後尾に「売り切れ」の札が。どうやら18時で閉める模様。まぁこの店は「食べてみたい」と言うより「一応(話のタネになるよう)食べておきたい」程度の店なのでまぁいい。店の奥にあった日テレショップで「ジブリ」のグッヅを買えて娘達はむしろ喜んでいた。この時間ではさすがに日テレ内までは見学できなかったが,入口の窓越しに先月『ジブリ立体造形物展@東京都現代美術館』で見て感動した「ハウルの動く城」の巨大な造形物が玄関ホールにあるのが見えて,現代美術館での展示終了後はここに運ばれていたんだと家族一同大喜び。またここに来よう。そして「汐留ラーメン」を食べよう。
問題は夕食。冗談で「ホープ軒@千駄ヶ谷」と言ったら,上の娘が「あの黄色いお店?行きたい!!」と言うので苦笑い。今12才になるこの娘が1〜5才の頃は,ホント東京に来る(or通過する)たび寄っていた店だもの。「このコが大きくなったらこの味に懐かしさを覚えるんだろうなぁ」と言いながら当時は食べていた(>「ホープ軒」参照)ものだが,もうそれがホントの話になるくらい時間が流れてしまった。10年一昔,早いものである。親子で3杯分の食券を買い2階に上がる。温蔵庫からおしぼりを出すのがお約束。下の娘は実質上この店で意識して食べるのは初めてかもしれない。食べてみればたしかに佇まいは「ホープ軒」スタイル。でも「スープが薄い」と上の娘。同感。子供の記憶はごまかせないと言うこと。やはりかつての暴力的な背脂と太麺の「パワー」は感じなかった・・・。ところで,例の冷えた「ジャスミン茶」が美味しかった。思いっきり薄いものだが,これを飲むと懐かしい感じになる。8才にしてお茶好きの下の娘がこれをいたく気に入り,この日以来,我が家の冷蔵庫にはペットボトルに入った自家製ジャスミン茶が常備されている(笑)。
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 9月23日()極麺王@巣鴨/ザボン@新宿
今日は家族とは別行動。一昨日,福島まで行って来たばかりなのに午前中仕事をしてまた東京を目指す。ちょっと気になる店があるのだ。
極麺王@巣鴨:豊島区巣鴨2-15-1 火休 11:30〜14:30/17:30〜21(売切終了)
今や有名店が生麺を出そうがカップ麺を出そうが驚きもしないが,なんとこの店,第5回TVチャンピオンラーメン王・立石憲司氏のプロデュースで通信販売されていた生麺が,商品名そのままの店名で店になったもの(経営「ひげちょうるうろうはん」を六本木ヒルズ内などに展開している会社)。開店は2003年9月18日だから開店直後と言うことになる(開店までの面白い経緯は「All About Japan」参照)。さて,この通販生麺,元々マニアの間ではけっこう評判だったものだが,6食で3600円,つまり1食600円という値段のせいもあって僕自身は取り寄せるまでには至らなかった。でも店で食べられるとなれば,たとえ東京まででも交通費をかけて行ってみたくなるのがラーメン好きの不思議なところだ(笑)。巣鴨駅の北側の中山道沿い,道が広く商店街でもないので夜は派手な黄色い看板がキラキラとよく目立つ。派手な外装の割には店内はこざっぱりしていて,カウンター中心の普通のレイアウト。入口に券売機。ラーメンは650円。「太麺だから麺ゆでに8分かかります」というので待つことしばし。極太麺+醤油背脂の組み合わせに山盛り野菜とバラチャーシューと言う見た目からまさに「二郎系」と思いきや,意外にもスープは節系の効いたもの。さらに香味油が効いて味に深みが増す。聞けばさすがにスープは販売用の濃縮スープではなく寸胴鍋でちゃんと作っているもの(そりゃそうだろう)。ただ麺は通信販売のものと同じ(大成食品から仕入れることになるのだろう)だそうで,つるっとした食感の,いかにも一般販売していそうなタイプのものだ。個人的にはもう少しスープを吸うタイプの麺の方がこのスープには合うと思うのだが,新たに専用の麺を用意するのはコストの面から言って難しいそうだ。そもそもそれでは「極麺王」と言えなくなるし(笑)。でも,麺の問題を差し引いてもこのスープとの組み合わせは斬新だ。一口ですぐに新潟の人気店「杭州飯店@燕」をイメージしたが,店としては決してそれを意識したものではないようだ。でも,ありとあらゆるラーメンが出そろったように思えた東京の昨今のラーメン事情の中で,こういう組み合わせがまだあったかと感じさせるラーメンである。いっそのこと,このコンセプトで麺を変えて,ついでにもう少し重みのある店名にすればと思うが,それでは本末転倒。『極麺王』と言うブランド(?)を利用して低コストで開店〜維持していこうと言うのが本来の目的なんだと思う。メニューはシンプル。チャーシュー(150円)煮玉子(100円)大盛(100円)と言う感じだった。
ザボン@新宿:新宿区歌舞伎町2-21-4 日休 18〜翌4 <03-3200-0784>
さてもう一杯。せっかくの祝日なんだから日休(=祝日営業)の話題の店を手持ちの新しいラーメン本で探したのだが,昼のみの営業とかが多く,19時過ぎの巣鴨からでは,うまい具合に手頃な新店が見つからない。「祝日,祝日・・・」と思いを巡らせてなぜかふと思いついたのが昔から日曜は営業していない鹿児島ラーメン『ザボン』。15年くらい前に高円寺とかで初めて食べた店だが,先日念願かなっての九州縦断旅行で初体験した「くろいわ本店@鹿児島」との比較という意味でHPのネタとしては面白いかなと「i-mode Ramen Bank」で検索。どうせなら本店に行こう(「本店」があるなんて今まで知らなかった・新宿だけで7店舗あるそうだ)とこの店に決定。明治通の方から入っていったのだが,客引きがやたら多い。普通の人の生活では歌舞伎町のこんな奥まったところまでは,そうそう夜に来ないよなぁと思うようなそんな場所にあった。で,この店のラーメンがなんと800円!。強気というか,場所柄というか・・・。先客はなく客は最後まで僕1人。深夜になればもっと客が来るのかしら。そうでなけりゃいくらこの値段でもやっていけないよなぁと考えているうちにカウンターの向こうからラーメンが差し出された。要するに昔ながらのとんこつ醤油(みそも選べる)。背脂の上に油の層ができ,スープ自体の旨味が強烈で,一口でひいてしまうタイプ。15年前はいい意味でのインパクトがある味だったように思うのだが・・・。もっとも当時は飲んだあとに食べることが多かったので,いつも完食できなかった記憶だけが残っている。やはり当時も油っぽかったのだろうが,この店が変わったのか,僕の好みが変わったのか・・・。麺はストレート細麺。具は細切りキャベツと細もやしの上にバラチャーシュー多量。揚げネギでさらに脂っぽくなるのには閉口。卓上のどんぶりにあった取り放題のお新香が口直しに有り難かった。「鹿児島とんこつラーメン」との貼り紙があったが,「くろいわ本店@鹿児島」は豚骨ながらむしろあっさりしていたので,基準はいろいろなのだろう。好みとしては両者の中間くらいがいいかな。で,チャーシューの量を減らして600円くらいにして・・・ってそれじゃぁこの場所でやっていけないのかなぁ(笑)。>「東京のご当地ラーメン
時間に余裕はあったのだが,最近遠出が続いているのでさすがに疲れた。3杯目は断念し,いつもより早く帰途につく。
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 9月21日()春木屋@郡山/正月屋@郡山/くさび@郡山/牛乳屋食堂@会津若松
2003秋 関東甲信越 小さなラーメンの旅 vol.3
最近,『幕末』に凝っている我が家なのだが(>「水戸『天狗党』について考える」参照),ずっと興味を持っていたのが日本国民なら昔から誰でも知っている「会津白虎隊」。同じ幕末の悲劇でありながら,かたや悲劇の美談として語り継がれる『白虎隊』,かたや膨大な数の犠牲者を出しながら歴史的に全く評価されないどころか,地元の人間にさえほとんど理解されていない『水戸天狗党』。その差はいったいどこにあったのか。ちょうど上の娘(小6)も社会の教科書で歴史を学ぶようになり,5月の連休に行った九州縦断旅行での『維新ふるさと館@鹿児島』もけっこうインパクトを与えたようだし,この夏はTV『大奥』に一家そろってハマっていたと言う背景もある。日帰り旅行の目的地としてはまさに旬なのである。もちろんラーメンは欠かせない。常磐道がいわきから磐越道で東北道・北越道と結ばれ,ラーメンの本場「喜多方」なんかはとても身近なものになったのだが,今回のラーメンの目的地は郡山近辺。天気はあいにくの小雨模様だったが,久々の家族そろっての東京以外への遠出で,娘達は大喜びだ。磐越道を西へ。まずはこの店だろう。
春木屋@郡山:郡山市桑野2-16-13 月休 11〜15/17〜20:30<024-922-0141> P 5+6+4台
順調に開店時間の11時に到着する。待ち客がぞろぞろと店の中に入っていくところだった。東京の老舗「春木屋@荻窪」の暖簾分けのこの店(詳細は前回の日記参照),今回で2度目である。前回来たのはちょうど2年前の同じ時期で,東北旅行(=「2001年東北横断・賢治と芭蕉とラーメンの旅」)の1杯目だった。開店直後であっと言う間に満席になるのがこの店の今の人気を物語る。今回は店の右奥にある個室に通された。専用TV付きで6人掛けテーブルが1台。注文したのは中華そば(650円)2杯とつけ麺を「温」と「冷」で1杯ずつ(各850円)。感想は前回詳しく書いたのと同じ。平皿に刻みのりがかけられた「温」の麺はスープに「浸かって」いる。たしかにつけ汁が冷めにくく最初は暖かいのだが,当然浸したスープの方は先に冷めていくから,麺がのびぎみの印象になる。冷水で締めた普通のつけ麺のほうが,麺のコシを堪能できる。暖かいものが欲しいなら,普通の「中華そば」の方がきりっとしていて「春木屋」らしい。やはりこの店では「中華そば」がいいだろう。値段に対する満足度が高いと言うことだ。
正月屋@郡山:郡山市桑野3-14-27 水休 11〜20:45 <024-935-6363>
春木屋の,ホント目と鼻の先,互いにその店が見えるような同じ通り沿いにある。店内は前の店の名残か,和食の雰囲気がありけっこう広い。「支那そば」(600円)が基本のようだが,春木屋で食べたものと味を変えようと「塩そば」(600円)を注文する。メニューにも細かく能書きが書いてある通り,スープは今の流行の最先端,『Wスープ』。店の表現で言うなら,伊達地鶏&豚骨の「山のスープ」と,鮎の焼干し(郡山特産),ホタテ,日高昆布,鰹節,煮干し,干し海老,干し椎茸等を使用した「海のスープ」を,客に出す直前に丼の中で合わせる手法である(>店のHPに詳しい)。揚げネギや揚げた干し海老で油っけが多くなりボリューム感がある。ガツンとくる旨味だが自然な感じだ。細縮れ麺もいい食感。「支那そば」「塩ラーメン」専用の麺(「昔麺」と言う表現)だそうで,のど越しがいい。つけ麺(温玉柚香つけめん・800円)にも専用の麺(こちらは「新麺」と言う表現)もあるようで,これを「支那そば」「塩そば」に組み合わせることも可能である。具は海苔・メンマ・カイワレにトロトロのチャーシュー。メニューは他に牛舌塩そば(1000円),ねぎそば(700円),焼豚そば(800円),塩地鶏とろろそば(800円)と言ったところ。春木屋よりは客を選ぶタイプのクセのあるラーメンだと思うが,今の東京あたりの流行を強く意識しているのも確かなわけで,地方の店としてはなかなかなものではないかと思った。>店の公式サイトがある
郡山から猪苗代湖を横目に見ながら会津若松へ向かう。会津磐梯山が見える以外は景色的には単調なコースだ。まずは白虎隊が自刃したという飯盛山へ向かう。山と言っても町中にある小高い山で,麓に各売店の駐車場があり客引きばかり。公営駐車場を探したのだが見つからなかったので,一番広そうな駐車場にクルマをとめる(指定の売店で買い物をしてハンコをもらうと無料になる)。売店が並ぶ参道(?)を登る。急な坂だがなんとエスカレーターがあった(もちろん有料)。今回,事前にネットで調べて初めて知ったのだが,この飯盛山の中腹に『さざえ堂』という面白い建物がある。1796年建立・高さ16.5mの六角形のお堂なのだが,まさにサザエの貝の形をした木造のもの。独特な2重らせんのスロープが堂内を巡り,上りと下りが全く別の通路になっていて,上りに一回転半,下りにまた一回転半で地上に戻ってくることになる。世界にも珍しい建築様式(平成7年に国重要文化財に指定)のお堂。白虎隊とは直接関係はないが,その白虎隊がこの山に籠もった時にこのお堂があったのだと思うと感慨深い。
山の頂上は広場のようになっていて,ツアー客に中年女性のガイドさん(地元の人?)が活弁士のような口調で白虎隊の悲劇を語っている。厳密に言えば白虎隊は城下町の火災を城の火災(=落城)と勘違いして早まって自決したらしく,しかも一時撤退を提案した同士を「敵から逃げるのか・死ぬのが怖いのか」と非難したら,その隊員が「逃げるような卑怯者ではない。死など怖くない」と,なんとその場で真っ先に自決してしまい,その後を追うように,いわば集団心理で集団自決してしまったと言うのが真実らしい。武士としての名誉を傷つけられることは「死」に値すると考え,そんな理由で切腹までしてしまうのが会津武士の魂だと言うらしいし・・・。実際は幕府軍との攻防はその後1ヶ月以上続き,当然その後の犠牲者(自決者)の方が白虎隊よりはるかに多くなったのだが,白虎隊の話だけが延々語り継がれるのは「赤穂浪士の討ち入り」と同じく,歴史上の事実として物語として『絵』になったからではないだろうか。我が水戸の天狗党にはそう言う絵になる要素がなかったのだろう。美談として語られるにはネーミングが悪く(「白虎」と「天狗」じゃね),また構成人数が多かったことも不利に働いたのだろう。『四十七士』くらいならともかく,最終的に天狗党は800人くらいになっている。800人では映画にするにも難しいだろうし。
次は『若松城(鶴ヶ城)』(会津若松市追手町1−1無休 8:30〜17 大人400円・小人150円<0242-29-1151>)。町中から堀を渡って城内に入り,少々不安になるくらいぐんぐんクルマで進むと奥に駐車場(西出丸駐車場・1時間200円)がある。天守閣は目の前。鉄筋とコンクリートで補強された城内は,ガラスケースに入った展示物を見ながら,指示された方向にぐるぐる回って上がっていくものだが,ここでも白虎隊の扱いは別格。各隊士の,最近描かれたばかりのような新しい肖像画が壁にずらっと並んでいた。みな顔立ちのいい育ちのよさそうな少年ばかり。幕府軍との攻防はこの会津城でも熾烈を極めたはずなのに,ここでも白虎隊ばかりが前面に出てくることに少々違和感を覚えた。やはりわかりやすい観光の目玉と言うことなのかな。当然のことながら天守閣からの眺めはいい。こういう高いところに登って周囲を見渡せば,遠くに観光に来ていると言うことを実感できるし(笑)1階部分に戻り,洒落た売店を抜けると,平成13年に復元が完成したという「干飯櫓・南走長屋の復元部分」に出る。きれいな白木の重厚な木造建造物だが,金と手間がかかっているのはわかるが「通路」という感じで今一歩その意図が不明。外に出ると荒城の月の碑や茶室(『茶室鱗閣』・500円の野点あり)があった。ちなみに,鶴ヶ城天守閣は2004年4月にリニューアルオープンするそうな。短い時間ながら一通り見終わり,満足して次の目的地を目指す。最終的に温泉にも入ろうと思っているので,けっこう分刻みのスケジュールなのである。
牛乳屋食堂@芦ノ牧温泉:会津若松市大戸町上三寄香塩343 水休 11〜15/17〜20 <0242-92-2512>
会津若松市の南側,R118で芦ノ牧温泉方面へ向かい10km強,20分ほどで着いた。店自体は国道から芦ノ牧温泉駅に向かう道に入ってすぐ左側にあるのだが,周囲は温泉街というイメージはなく,普通の町という印象。周辺に華やかさは全くない。灯りも少ないので「牛乳屋食堂」の字が浮き彫りにされた看板がライトで浮かび上がっている。昭和初期に牛乳屋として創業し,その後食堂になったからこういう店名になったらしいが,期待していたひなびた風情もない。「女手三代で守る」と言うだけあって,どこか女性的で,若い女の子でも入りやすそうな明るい外観。間口が狭く奥に続く店内は,きっちりテーブルが並べられまさに「食堂」の雰囲気。雨の日曜の夕方でほぼ満席。一番奥の小上がりの座卓席に座る。人気のBセット(950円)はラーメンとミニカツ丼(ソースカツor煮込みカツ)のセットで,麺を手打ち麺にすると+50円。一方を手打ちにして2セット注文し,ピリ辛つけめん(600円)もつける。基本のラーメンは500円と普通の値段だが,普通サイズのカツ丼は850円なので,半分サイズで+350円の「セット」はお得感がある。実際注文したソースカツ丼(ご飯の上の千切りキャベツの上にソースを絡めたカツがのる)は肉質が良く旨かったのでラーメン目的でこの店に来ても,セットをいただいてみたい。ラーメン自体は昔ながらのあっさりした和風のものだが,それなりにコクがある。具はナルト・海苔・メンマ・チャーシューと,とりたてて特徴はないオーソドックスなスタイルだが,麺を不揃いの手打ち麺にすれば個性が出てありがたみが増すかな(笑)。「牛乳屋食堂」のシールが貼られた瓶の牛乳もメニューにあったので,子供たちのジュース代わりに牛乳も注文してみた。結論として,ラーメン目的に遠路はるばるというタイプのラーメンではないとは思うが,会津若松に来たら食事の店として寄ってみてはどうだろう。この店名だけでも話のタネになりそうだから。
郡山ユラックス熱海@磐梯熱海温泉」(郡山市熱海町熱海2-148-2 第1火休 9〜21 <024-984-2800>)
会津若松と郡山の中間点にあるのでここを選んだ。公営のかなり巨大な施設で,温水プールがあるのがポイント(2時間完全入替制で大人520円・小中学生300円)。最後の回は18:30〜20:30で到着したのが19時過ぎ。あとで温泉も入ろうと思っているので時間はあまりないが,娘達がプールへ入るのを楽しみにしていたので大急ぎで入る。時間帯のせいか客はまばら。ゆったりと泳げた。1時間ほどで同じ階の「健康温泉」(大人400円・小人200円)へ。20:30が入場リミットなので大忙し。それでもなんとかゆっくりして(温水プールでもやはり最後は風呂がいい!!)最後の客として館を出る。施設が巨大なだけにガランとしていて寂しかった。周囲も静かな場所。>公式サイト
麺家 くさび@郡山:郡山市駅前2-1-12 無休 11〜翌4 <024-990-2662>
東京の人気店,「屯ちん@池袋」系の店らしい。駅前大通りの路地を入ってすぐにある。人通りの多そうなかなりいい立地条件だが,ちょっと奥の路地に入ると強面の客引きがうようよ立っているような場所。夜はちょっと近づきたくない一帯だ。その客引き達をよけながらなんとか裏手の有料駐車場に駐車して店に向かう。店は新しく,今風にきれい。奥に続く,調理場が丸見えの高めのオープンカウンターと,その手前にテーブル席と言うレイアウトはたしかに「屯ちん@池袋」。スープは「炊き出し豚骨」「熟成しょうゆ」「蔵出し味噌」の3種が基本。具として「極上あぶりチャーシュー」(+230円)「辛味香棘醤」(+50円)「味付け葱」(+100円)と少々仰々しいネーミング。「炊き出し豚骨醤油麺」(650円)を注文。ラーメンの系統的には背脂の溶けたふた昔前のスタイルで旨味十分(過剰?)なタイプ。麺は自家製麺に魚介ダシを練り込んだもので,時間の経過とともに和風ダシが出てくるというメニューの説明だが,それはよくわからなかった。具のあぶりチャーシューは新潟産「もち豚」を使用したと言う。それに海苔・メンマ・半熟味玉。地方ではまだまだ貴重な系統で価値があると思うが,首都圏から向かう場合は地域性もなく新鮮味はないかなぁ・・・。
高速に乗る前に給油をしようと市内をぐるぐる回ってしまった。郡山東インターに向かう。これがまた郡山のはずれの寂しい場所にあるのだ。夜はガソリンスタンドもなかったのでこのインターから高速に乗る場合は要注意。磐越道でいわきに向かう。いつもこの高速道を通る時は体力的にヘロヘロの状態なので(北海道とか東北とか関西からの帰り道に使うんだもの),今日は全然余裕である。順調に常磐道を南下し,無事自宅に到着した。
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9月15日()元町家@宇都宮/ら行風神社中@宇都宮
2003秋 関東甲信越 小さなラーメンの旅 vol.2 
昨日山梨に行って甲府盆地を走り回り,大渋滞の中深夜1時過ぎに自宅にたどり着いたばかりなのに,今日は午前中仕事をして午後は家族サービスの「お出かけ」である。我ながら良くやると思う。今日の行き先は栃木方面。当初は夏前からの課題の店「つるや@壬生」(下都賀郡壬生町本丸2-1657 月休 11:30〜14/18〜21<0282-83-0609>)に行くつもりでいたのだが,途中で今日は祝日だったことに気がつく。しかも月曜。電話で確認すると案の定「つるや」は休店日。ならば宇都宮だ。妻のお気に入りの「どる屋@宇都宮」を目指したのだが,なぜか休店日。ならばと「元町家@宇都宮」に向かい家族4人でラーメン&つけめんをいただく。もちろん僕はこれだけでは栃木まで来た甲斐がないのでもう1軒である。
風神社中@宇都宮:宇都宮市下戸祭1-5-108 無休 11〜翌2 <028-621-8611> 公式HP
一風堂」の河原氏プロデュースで,宇都宮に本社のある宮グループ(茨城でも「ステーキ宮」で有名)資本で開店した店だそうだ。木塀で囲まれたしゃれた外観。店内は土壁で,中央に大きな 10人テーブルがどんと2台。奥に4人掛けボックス席4つ。あと調理場側にカウンターが11席とかなり大きな店内だ。何の情報なく入店しても個人経営でないことはわかる店作りである。基本メニューは「とんこつ淡味(たんみ)ラーメン」(600円)と「とんこつ濃味(こくみ)ラーメン」(700円)。「濃味」を注文。味のはっきりした茶濁とんこつスープに辛味がトッピングされ,具としてキクラゲともやしがのる。それにほぐれ系の小振りながら厚みのあるバラチャーシュー2枚。+200円で「肉入り」(いわゆるチャーシューめん)にもできるが,僕的にはこの量で不満はない。麺はきれいな極細ストレート麺。スープが画一的な感じだが,店の成り立ち上仕方がないか。他の麺類は「風神坦々麺」(800円)があるが,20時までのセットメニューがお得だ。+150円で350円の「明太とろろ飯」もしくは餃子5個とライス,+250円で500円のチャーハンがラーメンにセットできる。営業時間も長く,店内もきれいで,セットメニューにすると値段も手頃な感じになるので,家族連れできても安心かなと思える店である。
さて,栃木と言えば我が家の場合「日帰り温泉」は必須のコースである。最近重宝している栃木放送発行のパンフレット『とちぎ湯めぐりスタンプラリー』(コンパクトにまとめられていて便利)で選んだ,宇都宮に午後7時半にいて,その時間から営業時間内に到着し,温泉に入れる施設は・・・。
元気あっぷ村@高根沢:高根沢町上柏崎588-1 10〜21<028-676-1126>
宇都宮市から高根沢町までの距離感がつかめなかったのだが,意外に早く,宇都宮中心部から30分ほどで到着した。小高い丘の上にあるけっこう大きな施設なのだが,午後8時過ぎの時間帯では周り一帯が異様に静か(何にもないので当たり前だが)なのでちょっと不思議な雰囲気である。入浴料は大人600円・子供400円で平均的な値段だが, 午後5時以後は200円引き(大人400・子供200円)になるのでお得だ。温泉〜施設自体は公営施設(だと思う)によくある感じの可もなく不可もなくと言うタイプで,あまり印象に残らない感じの施設だった。昼間来ればまた印象も違うのかもしれないが・・・。
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 9月14日()三角屋@石和/なかよし食堂@韮崎/味一麺@甲府
2003秋 関東甲信越 小さなラーメンの旅 vol.1
『山梨ラーメン紀行』・なかむらさんの『男どアホウらーめん』の山梨編がとても参考になる
例の如く,母の実家の法事のため山梨へ。秋の連休,JHの「渋滞情報」で首都高〜中央高速の大渋滞が当然予想される。それを避け甲府南インターの南側にある実家に10時までに着くために指定された出発時間はなんと5時!出発が1時間遅れれば目的地到着は12時を過ぎてしまうのだ。それを守り,順調に9時半過ぎに甲府南インター到着。この渋滞予測はホントあてになるのだ(笑)。甲府市内での法事が終わったのは午後2時過ぎ。例の如くここからが僕の自由時間なのである。
その法事の席で話題になったのが「みどりや食堂@韮崎」(韮崎市円野町上円井 水休 11〜売り切れまで  <0551-27-2016>)。かなりの人気店で昼過ぎに売り切れてしまうと言う。ネット上で店の名前は何度も目にしていたが,それほどの人気店だとは思わなかった。やはり地元の人の生の情報は貴重である。さて,そこまで聞けば食べたくなるのがラーメンマニア。甲府市内から国道20号線を西へひた走る。前回の「アルプス食堂@韮崎」は韮崎市内を抜けたところにあったが,こちらは甲州街道沿い。過去何度もその前を通ったはずである。ふくらむ期待。が,午後4時近くではやはり売り切れ。最終的に甲府に戻らなくてはならないので,手持ちのデータにあった甲府を挟んで反対方向の「塩山館食堂@塩山」にTELしてみたが,こちらは休業中。やはり韮崎で探すしかないと選んだのがこの店。やはりネット上ではよく見かける店だ(店の名前が印象的だから記憶に残っているだけかもしれないが・・・)。
なかよし食堂@韮崎韮崎市円野町上円井1628 木休 11〜14:30/16:30〜19:30(日曜通し営業) <0551-27-2300>
甲州街道沿い,「みどりや食堂」のすぐ先(西側)にある。外観はごくごく普通の,国道沿いの昔ながらの「食堂」の風情。小高い丘の途中にあり,眺めがよく(周りに何にもないからだが),駐車場も広い。年季もけっこう入っているのだが,「有名な食堂」としてのオーラを感じるタイプではないし,ましてやラーメンがうまいなんて感じさせるような佇まいではないなぁ(笑)。雑然とテーブルが並ぶ店内。午後4時過ぎで客は僕1人。はるばる韮崎まで来て食べるのがこの店かと思うと,思わずそんな自分に苦笑いしていまいそうだ。メニューには特注ラーメン(野菜肉あんかけ・700円),すりばちラーメン(澄んだスープコクのあるみそ,たっぷりゴマ・700円)とか並んでいるが,ここは基本をとラーメン(450円)を注文してみる。具はナルト・海苔・ワカメ・メンマ・チャーシューと予想通り&値段通り。タレの味にたよらない,どっしりした旨味のスープ。油がきいていて,オーソドックスな味ながら個性は感じさせるスープだ。それだけに,肝心の麺があまりにも平凡なのが残念だった。茹で加減の問題かなぁ・・・。どっぷりした味の漬け物が懐かしい味だったのがむしろ印象的。
三角屋@石和東八代郡石和町市部1154 11:30〜21(売り切れまで)<055-262-2942>
韮崎から渋滞を避けながら甲府を抜けて,石和に向かう。甲府の西側にある温泉街「石和温泉」,歴史的には比較的新しい温泉なのだが,僕にとっては子供の頃よく来た懐かしい温泉街である。その石和温泉駅と甲州街道の中間あたりにある店。狭い道路(旧道?)が続く市街地の角地にあり,外観は「天然のレトロ」。僕のような世代の人間にはワクワクするような造りだ。ガラス戸を開けると,狭い店内に馴染み客や家族連れがひしめいている。壁やカウンターのレトロさ加減もまさに天然記念物。雑然としていて,それでいて活気があってこれがまたいい。遠慮なく声高に話す威勢のいいおじちゃん達が白・赤各3〜400円のコップ酒ならぬ「コップワイン」を飲んでいるのがまたいい。小皿の上に乗った普通のアサヒビールのロゴの入ったコップにワインが並々と注がれるのである。さすが葡萄の里・山梨。もううれしくなってしまうシチュエーションだ。肝心のラーメンは500円。そのラーメンとしょう(=小)肉めしのセットが750円。ラーメンのスープは濃い醤油色のかなり甘目のスープ。麺は歯切れのいいプルッとした固めの縮れ麺。具はナルト・海苔各2枚に脂身のないしっかりとしたチャーシュー。そして無造作に放り込まれたメンマ。オーソドックスな構成ながら具沢山な印象だ。小皿に乗った漬け物もついてくるのもうれしい限り。セットの肉めしの肉はなんとさくら肉(馬肉)。かなり煮詰まった感じの甘じょっぱいものだが,これもまた珍しい一品。この店に来たら是非(満腹でも)食べてみたいメニューだ。人情味あふれる名店。味はもちろん,来て見て食べて楽しめる店である。こんな店に巡り会えるから食べ歩きはやめられない。是非また来てみたい店だ。
味一麺@甲府:甲府市中央1-1-11 <0552-25-2626>
甲府中心部のアーケード街の路地奥にある,カウンターが奥に続く狭い店。食べたのは「 下町ラーメン」(650円)。甲府で「下町」と言うと,どのあたりを指すのかはわからないが,濃い目の醤油色のスープは僕の経験では分類不能の独特の風味の魚系(?)。個性はあると思うが,僕としてはちょっと苦手なタイプである。これを「下町」と名付ける意味も理解しがたい。麺は固めの縮れ麺で,具はナルト・海苔・メンマに厚めのほぐれ系チャーシューが2枚。「つけめん」もあるようだ。隣の客が食べているのを見たのだが,量も多くちょっとそそられた。
いつものように中道町の叔母の家で待たせていた母を迎えに行き,渋滞覚悟で甲府南インターから中央高速に乗る。案の定,この時間(午後9時過ぎ)でも大月インター手前から30kmの大渋滞。それが断続的に八王子まで続く。もうこれは仕方がない。早く圏央道が出来上がって欲しいものだ。石原都知事は地方のクルマ(特にディーゼル車)が都心部に流入するのを嫌うが,別に好きこのんで東京を通りたいわけではないのである。すべての高速道路が東京に集中するような路線構造になっているのが悪いのだ。ディーゼル車ばかり3台,10年以上乗り続けている人間の独り言だが・・・。

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