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2003年6月の食べ歩き

6月29日( 分田上@八王子/『ペンタくん多摩センター店』/五行@西麻布
6月15日( 大勝軒@取手/岳家@横浜/虎心房@稲城
6月08日( 渡なべ@高田馬場/日の出食堂@杉並/二郎@堀切
6月01日( どる屋@宇都宮/一品香@宇都宮 水戸『天狗党』について考える

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> ちなみにこの月に食べた地元の店は以下の通り ≫ 『食べ倒し日記 2003/06』

6月27日(金)すずなり@ひたちなか・湊
6月26日(木)松喜吉@水戸・本町
6月24日(火)花月@水戸・駅南
6月22日(日)むつみ屋@ひたちなか・馬渡
6月19日(水)ながせ家@ひたちなか・馬渡
6月17日(火)平蔵@水戸・白梅
6月13日(金)和楽@ひたちなか・長砂
6月12日(木)寶龍@水戸・笠原
6月11日(水)黒船屋@上水戸
6月07日(土)えぞっ子@水戸・五軒町
6月05日(木)巨塩屋@ひたちなか・市毛
6月02日(月)とんこつ家@水戸・平須

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 6月29日()分田上@八王子/『ペンタくん多摩センター店』/五行@西麻布
家族サービスのこの日、メインとなる目的地は昨日TVで見た「 ペンタくん多摩センター店」。多摩地区は茨城からでは都心を抜けていくことになるのでけっこう遠い場所なのだが、「リフォーム」に最近興味があるので妻と意見が一致。ここに決定。常磐道〜首都高〜中央道とクルマを飛ばす。案の定、駐車場に入るクルマが行列だったが、周囲は駐車場が多いので、多少歩くことを覚悟すれば並ぶこともないだろう。さてこの「 ペンタくん多摩センター店」、ホームセンターのような名前だがさにあらず。要するに、ガラス張り8階建てのビルの中の1〜3階部分に2階建ての家が何軒も建てられ、しかも同じ間取りで5パターンほど、坪単価に応じて並び、実際にあがってリフォームパターンを確認できると言うもの。その他、坪単価100万を超える80坪(つまり8000万)の本格木造和風住宅や、洒落た数寄屋造りの住宅等、細かい部屋ごとのリフォームまで含めて、8階建てのビルのすべてがリフォーム関連の実物ばかりと言うもの。大人はけっこう楽しかったけど、娘達はちょっと飽きてたかな?6時近くまでウロウロしていた。
この地域はあまり来ない場所なので、距離感がどうもつかめない。カーナビの案内通り八王子方面に向かいこの店へ。
分田上@八王子:八王子市下柚木321-1 火・水休 11:30〜17(土日11:30〜14:30/17:30〜20)<0426-74-7460>
「わけたがみ」と読む。野猿街道沿いにあるが、車通りは多いものの日曜の夜では周囲は明かりも少ない。町はずれという印象だ。外観は山小屋風で、カウンターのみの店。日曜午後7時近くで満席。外で待つことしばし。ラーメンは600円だが、なんとチーズ(正方形のとろけるチーズ)がサービスでつく。そうこの店のルーツは「大石家@相模原」。つまり白濁スープの熊本系ラーメンと言うことになるのだが、この日のスープは思ったより薄い感じで、軽くてサラサラなもの。「しつこくない」と言えば確かにそうなのかもしれないが、こってり好きの僕にはちょっともの足りない。これでは溶けたチーズのインパクトがスープに勝ってしまう・・・。麺は細麺ストレート。それにバラロールチャーシュー2枚に白ゴマが浮き、細切りのキクラゲに海苔&味玉半分。「梅干し温玉おじや」(200円)。接客がとても丁寧なのは印象的だった。営業時間がちょっとわかりづらいが、要するに平日(火水休だから月木金)の夜の部がなくて17時までの営業と言うこと。
都内に向かう。もちろんもう一杯。次は最近話題の最先端のこの店。
五行@西麻布:港区西麻布1-4-36 不定休 11:30〜14:30/17〜翌1 <03-5775-5566>
「西麻布」と聞いてピンと来なかったのだが、ラーメン的に言えば青山墓地南側にある「かおたんラーメンえんとつ屋@南青山」の交差点を東側に向かってすぐにある。とは言っても、 オープンスタイルのこの店、てっきり若者向けの飲み屋だと思って、外に出たテーブルで騒いでいる若者達が視界に入りながら一度通り過ぎてしまった。それくらいラーメン屋らしくない。店名を確認してもなお、店頭のスタンドメニューをちらっと見ながら入店。「ラーメンあるよな・・・」。手前の大テーブルでは若者が大声で酒を飲んで楽しんでいる。正面奥の調理場の前にあるカウンター席に案内されても落ち着かず、思わず「ラーメンだけでもいいんですか?」と聞いてしまった。実はこの店、博多ラーメンの「一風堂」系の一展開で、博多にある本店(>HPあり)の初東京進出と言うことになる。分類的には「中華麺酒家」で、ラーメンの系統的に言っても「博多とんこつ系」でもないのだが、「一風堂」の創始者自体、最近は実業家のようだから、こういう展開もありなのだろう。食べたのは「焦がし味噌」。スパイスの効いた焦がし味噌の『濃い』ラーメン。それに平細麺。この組み合わせは珍しい。ちょっと今まで経験したことのない系統の味。強いて言えば「純連」か。他に焦がし醤油、塩、つけ麺があり、麺もそのスープに合わせた自家製麺が3種類。この場所、この雰囲気でこの味・・・いいところをついているなぁ。気のあった仲間と飲んで騒いでそしてラーメンを食べたい店だ。
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 6月15日()大勝軒@取手/岳家@横浜/虎心房@稲城
今日の目的は『横浜』だったのだが,昼時にかかってしまったので中間点でまず一杯。
大勝軒@取手取手市野々井1582-8 ?休 11〜スープ切れまで(20時頃?)
「どんぶり会議」で話題(03/02/09)になった店だが,「茨城大勝軒」の急速な支店展開の5店目になる店なので,さほど興味も湧かないままだった。国道6号線を南下し,県境の大利根橋手前の交差点から「ふれあい道路」に入り,江戸川学園取手を過ぎて,町並みが途切れた先,野々井中学校入り口のT字路角にある。看板に残った字からすると洋食屋(「ライオン亭」?)の居抜きだろうか。簾の引き戸で仕切られた入り口手前に券売機があり,行列が4〜5人。ちょっと迷ったが,「ゆず風味」と言う名前に惹かれ「味噌つけ麺」(650円)の食券を買う。日曜の昼過ぎではさすがに家族連れが多い感じだが,1人だったのでカウンター席に案内される。店内は囲まれ感のある落ち着いた雰囲気。奥に続く縦長の店で,右側の窓側にテーブル席が3つほど。中央がそのカウンター席で,タイルを貼った壁で高く仕切られた左側が調理場。中はほとんど見えない。・・・座ってからの待ち時間がずいぶん長かった。大勝軒らしく,切立のうどん用どんぶりに盛られた「つるぴか」の麺は,見た目かなりそそられたが,食べてみるとちょっと柔らかめ。この日は茹で過ぎの印象だ。小さいナルトと海苔がポイントになるつけ汁は薄い味噌の色。うまみはじゅうぶんで甘酸味のものだが,舌がしびれるような旨味もここでは控えめで,茨城大勝軒にしてはマイルドな味と言うべきか。あと具はメンマ&チャーシューだが,挽肉は控えめなようだ。醤油味の方はどうなんだろう。気になるところだ。
都内を抜けて横浜へ。走ってみると横浜は,距離的には都内からさほど遠くないことを実感した。ラーメン店の中休みの時間(15〜17時)に移動するにはちょうどいい距離だ(僕のようなラーメンだけが目的の人間にとってだが・笑)。
岳家(がくや)@横浜:横浜市港南区日野9-5-7 金休 11:30〜20(木〜14:30)
ネット仲間の情報で,家系と言ってもここのスープの濃厚さは別格と言う感想を複数の仲間から聞き,横浜中心部から見て更に奥の場所にあるこの店まで,茨城から遠路はるばる来る気になったわけだ。鎌倉街道沿いにあるこの店,隣はコンビニ(ローソン)と言う角地にある。1999年の開店の比較的新しい店だが,店舗自体はかなり年季が入った高いカウンターのみの狭い店。狭い調理場の中の,丁寧な感じの若い店主が印象的だ。ラーメン(並盛り・600円)を注文。前金制なので注文と同時に代金を払う。・・・確かに濃い。そして重い。「ねっとり」という表現がぴったり。久しぶりに初めて家系を食べた時(>「こうや@矢口渡」)の感動を思い出した。つまり「吉村家」を頂点とする本来の家系からすると,スープの質はむしろマイルド系なのだが,濃厚で麺がスープにどっぷりと絡む感じだ。家系に飽きた人でも,この店は一応経験しておく価値があると思う。でも,今日の出来だと麺はもう少し固めがいいかな・・・。スープは飲みきると胃がどうにかなりそうで飲みきれなかった(笑)。具はほうれん草でなくメンマが入る。「横浜ラーメン」と看板に表記されても,独学系の店のようなので,それも特徴だろう。この店「つけ麺」もあり,並がなんと450g!(800円)。中は600g(900円)で大はなんと750g(950円)になるから笑ってしまう。この元スープだと,スープ割りしても余計濃くなりそうな感じである(笑)。
せっかく横浜まで来たのだから,もう少し横浜近辺で食べるべきなのだが,取手大勝軒のあまりガツンと来ないマイルドな感じの「味噌つけ麺」のつけ汁に,自分としては珍しく食後少々胃がむかついてしまい,よせばいいのにそのあとにこの「岳家@横浜」だったので,けっこう好みだったんだけれど,さらに胃がむかむかしてしまった(笑)。環状2号線から保土ヶ谷バイパスに入り(何度来ても横浜は道がわかりづらい!!),町田を抜けて稲城に入る。実は今日の一番の目的はこの店なのである。
虎心房@稲城:稲城市矢野口310-1 月休 11:30〜14:30/17:30〜翌1(日・通し〜22)<042-378-0968>
茨城から来るには,東京都とは言え地理的に半端な場所にあるこの店,わざわざここまで来たのはネット仲間の情報で評判の季節限定メニューの「スパイシーキーマ伽哩つけ麺」(900円)を食べたかったから。JR南武線・矢野口駅の踏切そばの(隣の空き地にPあり),カウンターのみ10席の小さな店だが,なんとスタッフは全員女性。でも動きはテキパキしていて男勝り。飾り気のない女性主人(?)の腰の入った湯切りは見てて気持いい(「今日は相方がいなくて調子でない・・・」とか言っていたけどいつもは若い人2人?)。正式なメニュー名は「大人のつけ麺」。言葉にして注文するとなんか恥ずかしい。黒い皿に盛られたその麺は,見た目そそられる太縮れ麺。その上にレタスと赤&黄ピーマンとさらに温泉玉子がのり,カレーパウダーのかかった鶏チャーシューが添えられる。さらにワンタンの皮を揚げたような独特の具がついて,見た目的にとても面白い。こういう具の配列のつけ麺も今まで経験のないものだ。見ていて楽しくなる。つけ汁は挽き肉に豆,香菜が浮いたもので,「カレー味」と言うより「カレーのスープ」そのものをのばしたようなもの。ほとんどカレーそのものだ(いちいち奥の部屋に入るけどどこで作るのだろう?)。服に汁が飛び跳ねないように慎重に食べた。最後に暖かいご飯(「プチめし」)を放り込んでくれるので,残ったカレーを無駄なく楽しめる。別かごでピクルス・玉葱のオイル漬けがついてくるのも楽しい。900円と,ラーメンとしては高めの値段設定だが,それなりの価値はあると思う。オススメ。もっとも,「馴染みの客が多い店」と言う印象で,僕の周りは常連ばかりのようだったが,このつけ麺は僕しか注文していなかった(笑)。基本は鶏・豚・牛の三骨スープのようで,太麺or細麺が選べるが,その基本メニューよりオリジナル麺がネット的にはどうも評判のようだ。白湯の虎心麺( 750円)とかいろいろ。麺は「豆乳麺」と言うのもも選べるようだ。ネットで調べたらこの店は「愛の貧乏脱出大作戦」の店だった。でもいい感じの店だと思う。
と言うわけで,1・2軒目の影響から,3杯目の虎心房はちょっとつらかった。もっと体調のいいときにこのカレーつけ麺を食べてみたかったなと思いつつ,帰途につく。でも,時間はまだ21時前。甲州街道を都心に向かい,いつも通り東京でもう一杯・・・などと言うことにはさすがに今日はならず,そのまま都心を抜け茨城に帰る。ちょっと(かなり?)苦しかったが,今日の遠征の2杯は僕的にはかなり満足である。
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 6月08日()渡なべ@高田馬場/日の出食堂@杉並/二郎@堀切
朝一番で仕事をこなし(先日購入したエンジン刈り払い機で裏山の草を刈ったのだが・・・これが疲れた),国立病院に入院している知人を見舞った後(これが精神的に応えた・・・),晴れて自由時間となる。今日は単独行動。なんとなく東京に向かい,途中,たまたま茨城に遠征していた東葛の御大に久しぶりに連絡を取り,取手のファミレスで歓談する。元々がネットでの交流とは言え,実際に会って顔を見て話せばわかることも多い。DMやケイタイでで簡単に連絡が取れてしまうこの時代,やはり直接のコミュニケーションは大切なことだ。どうしても最後は『健康』の話になるのは世代的にしょうがないところか(笑)。ここで別れる予定だったのだが,僕がネットで情報を得て,元々今日の予定に入れていた「渡なべ@高田馬場」の試食会(正確には「お遊びラーメン」とのことでいろいろなパターンの試作ラーメンをいただく会だが)に無理を言って付き合ってもらうことに。感謝。
渡なべ@高田馬場:新宿区高田馬場2-1-4 日休 11〜売り切れまで(14時頃)
元々はラーメンフリークの学生さんでありながら,その膨大な食べ歩きの経験と,食べたラーメンの味を分析〜再現出来てしまうそのセンスで,まず2001年に「楽@伊勢原」をプロデュース。その成功をきっかけに,この2年ほどで,二桁に届く店をプロデュースしてしまった渡辺樹庵氏の店である。正確に言うと,この店は3軒目の店と言うことになるのだが,どうやら氏の名前を冠したこの店でさえ,「通過点」でしかなく,あくまでたくさんある引き出しの中の一つのラーメンを作る店でしかないようだ。つまり,「今,この時代ならこういう味&素材のラーメンをこういう雰囲気で出せば売れる」と言う答えがこの店にある。そもそも僕のようなネットに関わるラーメンフリークがネットでやっていることは,商売の人から見ればとてもやっかいなもので,真面目に作っている人から見れば「ならば自分で作ってみろ」と言うことになる。一方こちらからすれば,古い店ならともかく,新しく店を作るなら「もっといろいろ食べ歩いていろいろなパターンを知るべきだ」と言いたくなるわけで(特に地方では・笑),とすると,いろいろ食べ歩いたフリークが,実際に店をつくってしまうことほど明快な答えはないわけだが,知名度だけでは成り立たないのは古くは『探検レストラン』の佐久信とか,その後の愛川欣也の店の通り(ほんと古いなぁ〜)。だから味で客を呼べて行列が出来る(=商売として成り立つ)ような店を実際に作れれば,もうどちらから見ても文句のつけようがないわけだ。いろいろな味のパターンを知っている人が,その味を再現し,進化させて上で店を維持することほどすごいことはないと言うこと。しかしこの店,日休で,しかも祝日も2時には売り切れてしまうので,僕の場合いまだ「通常営業時の味」を経験できていない。にもかかわらず,試食会に先に来てしまった(汗)。夕方5時からの試食会,5時半過ぎに店の前の路地に到着すると,案の定当然の如く行列。20人ほどだったと思うが,そこからが長かった。1時間半ほど並んだろうか。こんなに並んだのは「東池袋大勝軒」以来である。今日のメニューは「塩ラーメン」「魚系トンコツ醤油」「魚ブレンドトンコツ醤油」の3種。なんと半玉ずつのその3杯を全員が食べているのだから時間がかかるわけである。で,この3種は渡なべの新メニューにしようとかそう言うものではなくて,どうやら実験的なものらしい。僕の好みからするとダシは十分に感じるもののあっさり目で,MZさんに聞いたら普段のスープはもっとねっとりとした感じで麺も固めだと言うこと。そうなるとその普段の感じの方が僕の好みかな。トンコツが強く,そして重くねっとりしていないと,どうにも満足できない体質になってしまったのだろう。やはり基本となる味を経験しておかないと,こういう試食会ではどうにも中途半端な立場だと言うことを実感した。次の祝日は・・・僕の場合まだ遠い。これほど話題の店なのに,次に食べられるのはいつになることやら・・・。
日の出食堂@杉並:杉並区本天沼1-18-13 月休 11:30〜15/18〜翌2 <03-5382-5371>
早稲田通り沿いにあるこの店,駅から離れているせいもあってか,日曜の夜では周囲は暗くかなり静か。カウンターのみの落ち着いた黒基調の広い店内は,薄暗い照明がちょっと大人の雰囲気。日の出式ラーメン(600円)がメイン。基本がとんこつスープと魚介だしのWスープ系で,好みで「こってり」か「あっさり」を選ぶことになる。「とんこつスープのコクを楽しむ」なら魚介系の風味+背脂の「コッテリ」で,「魚介ダシの風味を楽しみたい」なら背脂を抜いた「あっさり」と言うことになる。「コッテリ」注文。背脂が浮いた茶濁スープは濁り加減が家系のそれ。それに細かい背脂が浮いている訳だから見た目は完全に「背脂ラーメン」。元々コクのあるスープなのだが,なんとそれに山芋の薄いスライスが浮かんでいるので,スープに独特の粘りが出て実に画期的。スープがマイルドな感じになるのだ。食べてもサクッと美味しいからもっと欲しいくらいだ。麺は結構固めだが、このスープには合っていると思う。具はバラロールチャーシュー1枚。『首都圏ほんとにうまいラーメン店300軒(2003年版)』(成美堂)の巻頭特集に掲載されていてなんとなく選んだ店なのだが,山芋一枚でけっこう気に入ってしまった(笑)。
朝一番の仕事や見舞い,予想外の行列の気疲れもあってすでにちょっと不調だったのだが,いつもの習慣で「二郎」が食べたくなり帰り道に「二郎@堀切」へ。ちょっと並んでラーメンを食べたのだが,さぁたべようと頭を前に傾けたら目眩がしてきて・・・。それでもなんとか麺だけは平らげて帰途につく。それが翌日になっても尾を引き,結局,週の初めを不調のまま過ごすことになってしまった。健康には気をつけなければ。入院とかはしたくないもの・・・。
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 6月01日()どる屋@宇都宮/一品香@宇都宮
水戸『天狗党』について考える
5月の「九州縦断」以後,夫婦そろって『幕末』に凝っている。県立図書館でその系統の資料を山ほど借りてきてはちょこちょこと読む毎日。鹿児島の「維新ふるさと館@鹿児島」で,幕末から明治維新にかけての薩摩藩出身者(大久保利通・西郷隆盛等々)の華々しい活躍を改めて見たことがきっかけなのだが,同じ幕末に時代に先駆けた理論水戸学」で尊皇攘夷の思想をリードしながら,明治維新後の新政府に「全く」人材を輩出できなかった我が水戸藩。その原因となった「天狗党の乱」の問題についてことあるごとに妻と議論したりしている(笑)。水戸は水戸黄門だけではない。水戸の人間なら『天狗党』の歴史を知るべきなのである。と言うわけで,仕事の関係で午後から自由となったこの日,地元水戸の天狗党の史跡をまわることにする。実は行くのは初めて。と言うか,水戸中心部から茨大に向かう国道(R123〜R118)沿い近くにありながら,今までその存在すら知らなかった場所だ。
回天館@水戸:水戸市松本町13ー33 回天神社境内 <029-226-9028>
「尊皇攘夷」の旗の下,1864年3月につくばに挙兵した「天狗党」は,水戸藩の内部抗争と幕府軍の追討から逃れ,その想いを水戸藩ゆかりの京都禁裏守衛総督・一橋慶喜(後の徳川慶喜)に伝えようと800名を超す大軍勢で大子から下野(栃木)〜上野(群馬)〜信濃(長野)〜美濃(岐阜)と西進するが,越前(福井県)で頼みとする慶喜の追討令を聞き,力尽きて降伏する。その時に罪人として押し込められたのがニシン倉で,それが昭和になって水戸に移築されたものがこの「回天館」なのである。天狗党の志士は窓・入り口を閉ざされたこの間口三間半,奥行き十二間のガランとした土間に無理矢理押し込められ,中央に置いた樽を用便の場として,1人1日2個の握り飯という悲惨な状況。結局,武田耕雲斎・藤田小四郎等の首脳格をはじめとして合計353名が処刑されるに至る。一事件でこれほどの多人数を死刑に処し,有為な人材を葬り去った例は江戸時代には無いそうな。残りの志士もほとんどがこのニシン倉で錮死したと言う。天狗党の話が悲惨なのは水戸に残った天狗党の縁故者まで処刑されたことで,武田耕雲斎に至っては妻はもちろん,幼い子や孫まで処刑されたという悲惨さ。我が水戸藩の明治維新につながる有能な人材は,ここでまさに根絶やしにされたのである。歴史的にはここまではよく聞く話だが,実はその後がある。天狗党に参加しながら若年のため刑を免れた武田耕雲斎の孫・金次郎は,幕府の力が衰退した4年後の1968年に逆に朝命を受け水戸に帰藩するや,天狗党に対立していた諸生派(市川派)に縁故あるものを次々と殺害し,まさに祖父〜一族の恨みを晴らしたのであるが,結局は残った最後のわずかな人材も水戸藩は失うことになる。結局この徳川時代終わりの年にわが水戸藩は,果てしなき内部抗争の末に,目前の明治維新に全く人材を輩出できない状態になってしまったのである。時流を読み,藩一丸となって行動していれば,明治政府に薩摩・長州とはまた違った立場で影響を与えられたのではないかと思うと残念でならない。回天館入り口にある一部100円(寄付だが)のパンフレットは必読。その悲惨な結末に人として涙するだろう。回天館前の境内には,天狗党志士を合わせ,安政の大獄から戊辰戦争に至るまでの殉難志士の墓がずらっと並ぶ。神社に祭られているのは1832名と言う。回天神社は,末広町商店街の駐車場のある信号からの路地が参道の二十三夜尊〜保和苑(真っ赤な仁王門の先に有料駐車場<400円>あり)の西側にあるが,回天神社だけが目的なら,もう一つ西側の信号(ラーメン的に言うなら「じゃんがら@上水戸」の一つ手前の信号)を北に折れ,坂に降りる手前のY字路を直進したところが回天神社の西側になる。小さな駐車場がある。突き当たりは水戸学の学者であり指導者でもあった藤田幽谷・東湖父子(小四郎の父・祖父)や,水戸黄門の格さんの墓がある常磐共有墓地。
予定ではこの後,「県立歴史館」もしくは「徳川博物館」にまわる予定だったのだが,突然の豪雨にそれを断念する。本来のラーメン家族に戻り目指すは宇都宮。こういう半端な時間の休日は,宇都宮まで向かうのが我が家の恒例なのである。
まずは我が家の宇都宮の定番,「どる屋@宇都宮」へ。今度の日曜に「鮎だしのラーメン」と書いてあったのでちょっと後悔。客との会話で「つけ麺は6月半ば頃から」と聞いてさらに悔しい思い(笑)。そもそもつけ麺の存在を知らなかったもの。食べたのは香りネギラーメン。けっこう厚めに反り返っているものが山盛りなのだが,ネギ特有のくささがない。ネギそのものががうまいと感じるのはここのネギだけだ。ラーメンと一緒にひょうたん型の木製容器に入った七味唐辛子が運ばれてきたので「???」と思ったら,壁には「七味をラーメンに?」の記事が。この店の特製七味の話題の記事のようだが,青のりが入っている感じだ。たしかにひと味違う。ここの鯛ダシのスープにはけっこう合うと思う。さて,さらに北西に向かい,家族を近くの書店で待たせて徒歩でもう1軒(笑)。
一品香@宇都宮:宇都宮市宝木1-28-20 火休 11:30〜14:30/17〜20:30 <028-643-4886>
本店は小山にある栃木のブランド的有名店。宇都宮中心部から大谷街道で北西に向かい,宇都宮環状線に出る手前,バーミャンの向かいの足銀の角を曲がってすぐにある。日曜の午後7時半過ぎで満席。店内に満ちた独特の甘い香りにそそられる。入り口にはしっかり待ちスペースがあったから安定した人気店のようだ。少しそこで待ってカウンター席に座る。手打ちラーメン(500円)を注文。値段の割にはボリューム感がある。噛みごたえのある5mm幅の太平縮れ麺はインパクト大。卵の香りのする多加水つるつる麺。スープは甘い八角の効いたもので旨味十分。麺に比べれば平凡ではあるが,それでもなかなかのインパクト。さすが栃木と言うべきか。具は縁がしっかり朱色の大ぶりなももチャーシューが1枚に大きなメンマとシンプルだが全然もの足りない感じがしない。頭に白タオルに髭の若い店主の他はバイトのような若いスタッフばかり。

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