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『ユニバーサルスタジオ』という大きな目標をこなしてしまった以上もぬけの殻のような状態。予定としては京都に向かい,観光とラーメンを軽くこなし,名神〜東名の大渋滞を避けて北陸道に抜けて新潟〜福島経由で帰宅すると言うもの。まずはのんびりと名神高速で京都を目指す。実は京都でどこに行き何を見るのか何も決めていない。とりあえず京都南インターで高速を降りたら,いきなり「第一旭」の大きな看板の店。開店前だったので食べられなかったのだが,「どこかで見た名前だな」とあわてて旅のお供(遠征の必需品と言ってもいい)のOOSAKIさんのラーメン本「全国おいしいご当地ラーメン」(竹書房)を調べると,「京都ラーメン」のページにでかでかと本店が掲載されている。しかもその本店は朝5:30からの営業で京都駅のすぐそば。近くにある「新福菜館」も7:30からの営業だ。これはまず行くしかないだろう。「どちらを食べるか」と言う迷いが「どちらも食べればいいじゃん」に変わるのにさして時間はかからなかった。だってはるばる京都まで来ているんだもの・・・。
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本家
第一旭@京都 :京都市下京区高倉通塩小路下ル東塩小路町845
木休 5:30〜翌2 <075-351-6321>
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JR京都駅すぐ東側の小さな陸橋の起点にある。なんと新福菜館と並んでいるのだ。京都を代表するラーメン店がお隣同士とは・・・。小さな食堂と言った風情のなんでもない店内。でも休日の11時前だというのに満席である。ラーメンは600円。特製ラーメンはチャーシュー麺のようで750円。細かいキラキラした油の浮いた軽い醤油色の澄み切ったスープ自体は,油の甘みが特徴的な,丁寧に作った感じのする昔ながらのオーソドックスな懐かしいタイプ。麺は程良い固さのストレート麺。具はバラ肉チャーシュー。モヤシの上に青ネギが山盛なのが特徴的。トイレは階下(正確には2階が入口なので1階)にあり,とても狭い階段を下りていくと倉庫のスペースで麺箱とか粉とかいろいろ置いてある。店全体に風情があり,巻頭の店では味わえない独特の雰囲気がある。おみやげ用の生麺があり,全国発送OKのようである。
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さて第一旭のラーメンは量的にはそうでもなかったのだが,9時に高速SAで遅い朝食をとってからの11時のラーメンはさすがに応えるので,少しドライブでもして「もう一杯」と言うことになる。東本願寺から二条城,京都御所から平安神宮,八坂神社と一応京都らしいところをクルマでかすめるようにせわしくまわり,元の場所に舞い戻ってきたら(十分予想できたことなのだが)店外に延びる大行列になっていた。家族会議の結果,新福菜館は「新横浜ラーメン博物館」で一応食べたことある(>家族で楽しむ『新横浜ラーメン博物館』参照)ので別な店をと言う結論に達し,あっさりパス。ちょっとクルマが止めづらい場所で,おまけに陸橋の上が工事中で店の前を通り過ぎるとまた元の場所に戻るのに手間がかかりそうだったせいもある。一応店のデータだけはここに書いておこう。
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新福菜館@京都
:京都市下京区東塩小路向畑町569 水休
7:30〜23 <075-371-7648>
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しるそばたか@京都
:京都市東九条上殿田町45 無休
11〜売り切れまで(日祝〜24) <075-662-3939>
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と言うことで「ご当地ラーメン」で検討の結果,京都駅南口(「八条口」と言うのかもしれない)にほど近いこの店に決定。最近ネット上で「東京に進出」なんて情報が流れている店という点も興味をそそられた。さてその南口にクルマをおいて本の地図の場所を探したのだが今一歩よくわからない。やっと探し当てた店は工事事務所のようなプレハブ小屋が調理場でその前の地面をビニールシートで囲ってテーブルを並べただけと言う屋台(?)の店。掲載写真とまるで違うので上記住所はどちらを指すのか定かではない。でもいずれにせよここも「しるそばたか」のようなので入店(と言っても開ける扉があるわけでもないが・・・)。家族4人で「しるそば醤油」「しるそば塩」「しるさば味噌」「しるそばパイタン」(各650円)を注文。小さめのどんぶりに見るからに「トンコツ」と言う見た目のこってりスープ。でも見た目ほどドロドロと言うタイプでもなく意外に食べやすい。4種の差はタレの差で,麺は共通の細め・固めのストレート麺だから,好みの問題で選べばいいだろう。もっとも「パイタン」を担当した僕が娘達の「味噌」や「塩」を「ふんふん」とチェックしている間に,「醤油」を担当していた妻が「美味しい〜」とあっという間にスープまで飲み干してしまった。思わず「一応残しとけよな〜」。でももう後の祭り。だから醤油の味はわからなかったのだが,トンコツ好きの妻の反応を見る限り「醤油」が基本となりおすすめかもしれない。テーブルに常備のべったら漬けのお漬物の評判がよかった。屋台と言ってもその傍らにしっかり業務用の大型冷蔵庫が鎮座しているような店だから,普通の店と調理場的には遜色ないのかもしれない。だからこういうしっかりしたスープができるのだろう。
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時間は2時をまわっている。先を急ごう。京都南インターに戻り名神高速に乗る。八日市〜米原間の渋滞が10kmからじりじりと延びている。名古屋に向かう関ヶ原方面はそれ以上。これも連休の後半の午後だから十分予想できたことだが,元々米原から北陸道に乗るつもりだったので,その手前で渋滞につかまるのは辛い。渋滞が15kmになったことを確認したところで八日市インターから一般道に下りる。だいたいいつもこのパターンでかえって時間がかかったりするのだが,R307を彦根に向かって北上しつつ,信号に引っかかるたび「彦根インターまで高速で行ってもよかったかな・・・」と後悔することしきり。やはり全く知らない土地でカーナビが不調なのは辛い。結局,多賀町あたりからR8に戻り,米原を何とか抜けたら琵琶湖畔を走る道路に切り替え長浜まで。長浜インターから北陸道に戻ったときは5時近くになっていた。ここから福井まで90km,金沢まで160km・・・。「越前岬とか東尋坊とか観光しながら金沢まで行って,その途中のどこかで温泉入ってラーメン食べて帰ろう。」などと言う距離感のない漠然とした計画がいかに無謀なものか思い知らされる。そう考えたら昨日の徹夜に歩き通しのUSJの疲れがどっと出てきた。この状態で新潟経由の自宅まで800kmはあまりに辛い。時速100kmで休みなしで運転しても8時間かかるし・・・。
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考えてみれば今日は「子供の日」。しかも上の娘の10回目の誕生日。明日も休みなんだから何がなんでも今日中に帰る必要はない。そんなところで妻と意見が一致。せっかくの「北陸」をもう1日満喫して帰ることにする。昨年9月の能登半島1周旅行の時に買った「まっぷる・北陸」を引っ張り出し,温泉と食事を妻が調べる。せっかくの誕生日だからラーメン以外のもの(笑),和食は飽きているから(だって自宅は海のそば)洋食だろう。いっそ豪華に思い出に残る場所をと妻が選び出したのが福井と加賀の間の金津インターそばの「創作の森」の中にある「オブジェクトレストラン・アンビション」(金津町宮谷57-2-19
創作の森アートコア内 月休 11:30〜21・LO
<0776-73-4141>)。薄暗くなってからたどり着いたのだが,周りには人家さえ見えない森の中で,こんな場所にあって客が来るのかしらと言う静かな場所。でも建物も中の雰囲気もとてもあか抜けていて気に入ってしまう。「フルコース食べるぞ〜」と勢いつけて店に入ったら・・・なんと休日は予約客だけで今日ももうすぐ閉店するなどと言う。盛り上がった気持ちが急にしぼむ。いい雰囲気だっただけに残念!!。
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そうなると急に夕食に困ることに。周りは何もないのだ。一番近い芦原温泉に行ってみたがひっそりとしていて食事をできそうな店がない。大きい町に行けば何とかなるのではないかと,温泉のことも考え加賀市(山代温泉〜片山津温泉)をめざすが途中の道が実に寂しい。福井に戻った方がよかったかなと思ったが後の祭り。やっとたどり着いた加賀の市内も思ったよりも寂しい町で,ファミレスさえまるでない。なんとかみつけた店の灯りが市役所のそばの「加賀あぶり焼き・遊楽」(加賀市大聖寺町4-20
水休 17〜23
<0761-72-6288>)。靴を脱いで玄関を上がる板敷きの店。間接照明で落ち着きがあり,和風で洒落ている。基本的に居酒屋に近いがこの際しょうがない。さすがに酒を飲むわけにはいかなかったが,思いつくままにオーダー。ちなみに主役の娘が注文したのは「生うにどんぶり」。オヤジ趣味なのである。
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ゆっくりし過ぎたせいで9時を大きくまわってしまった。温泉と言ってもこの時間では難しい。一応山代温泉と片山津温泉をまわってみたのだが簡単には見つからない。町中に行けば何とかなるだろうと小松市へ。最初の交差点で「さくら湯」と言う新築ビルの銭湯を見つけやっと一息。再度北陸道に乗り,明日のことを考え福井方面に向かう。加賀インターの手前の尼御前SAで車中泊。
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