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理由はわからないのだが,栃木の下野新聞社から今月発刊されたラーメン本「THE
BEST OF RAMEN TOCHIGI」を茨城新聞社経由でいただいた。面識はないのだが,「水戸黄麺様」と記した編集スタッフの方の名刺が挟まっていたから,ネット関係のつながりだと思う。噂ではずいぶん昔から聞いていたし,「栃木のラーメン食べ歩き」のミカミさんが関わっている本なので,非常に手に入れたかった本であるにもかかわらず,水戸近辺ですぐ入手する方法がわからなかったので助かった。遠慮なく頂戴させていただくことにする。ありがとうございました。 |
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さて,それだけでも何なので僭越ながら感想を述べさせていただくことにする。まず表紙に関して。赤い湯気(?)のみのバックに金色のメタルっぽい浮き文字で「THE BEST OF RAUMEN TOCHIGI」・・・なんと表紙に漢字はひとつもない!僕自身,ラーメン本のトレンドは,ラーメン本らしからぬ重みのある装丁(デザイン,雰囲気とかも含めて・・・)にあると思っている。「たかがラーメン」だからと,漫画チックに,コミカルでカルい感じで行くよりは,「所詮ラーメン」だと十分認識した上で,その上で「重々しく」して楽しむとでも言おうか,少なくとも表紙に関してはそうすべきだと思っていた。その点「栃木本」も我が「茨城本」も,新聞社発刊の本らしい「威厳」を保ちながら,きれいにまとめられた本だと感じる。掲載店に関しては,栃木のラーメンのレベルの高さは普段から十分感じていたので,そこをさらに45店に絞り込んだところに,編集メンバーのみなさんの「ラーメンに対する情熱」をひしひしと感じた。経験的に上位の店は問題なく決まるのだが,中位〜下位の店はメンバーの感じ方や思い入れもそれぞれだし,なかなか線引きが難しいところだからだ。各店の紹介文は,かなり突っ込んだ内容で全体が統一され,時間をかけた編集会議と入念な取材の上での店側とのコミニュケーションがうまくいったのだなと感じた。うらやましいかぎり。写真については,見開きの右半分が真上からのラーメンの写真で,はみ出た海苔やチャーシューの部分まできれいに切り抜いてあり,かつその上部の記事が,海苔を回り込むようにレイアウトされているところに,我が妻が妙に感心していた。「ラーメンの本なんだからラーメンの写真が大事なのよね」って(笑)。「店の写真なんて小さくていいのよっ」とも。確かに「そそられる」ラーメンの写真が多いと思う。さらにその上部の「スープ」「麺」「具」各々についての細かい説明。「スープの濃さ」「スープの脂」「麺の太さ」「麺のちぢれ」も5段階のバーグラフ。その下に麺のグラム数まで付く。う〜ん,すべてにおいて手間がかかっているという感じだ。実は,我が「茨城ラーメン本」のメンバーが,こちらの本で提案しながら実現しなかった「営業時間棒グラフ」が,彼がイメージしていた通りに掲載されていたことを大変悔しがっていた(笑)。僕自身もこうして見てみると,けっこう便利なものだ。今の時間ならどこで食べられるかわかり安いから・・・ってそう言う考えは遠方から来て1日5〜6杯食べる人だけかもしれないが(笑)。巻末にあるメンバーの後ろ姿の写真は笑わせていただいた。このアイデアだけは茨城本作成の時に出なかったもので,「やられた」と思ったのだ(笑)。さてこの本は900円。大きさも手ごろ。いただいたから宣伝するわけではなく,ラーメン好きならキープしておくべき本だと思う。 |
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と言うわけで祝日のこの日,いつも通り午前中仕事をこなして,上の娘がミニバスの練習から帰って来るや否や即出発。目的地はもちろん「栃木」。どうせ行くなら1杯目も栃木でいただきたい。ではどこにするか。北に向かい「よしかわ家@大田原」も考えたのだが,その後の展開も考え「みうら@上河内」にする。理由は巻頭の特集で組まれていた店だから。茨城本で行けば「暖宝@ひたちなか」的ポジションかな。ラーメン本掲載後は前にもまして行列しているのは,こういう気持ちで行く人が多いからかもしれない。 |
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水戸から国道123号線で桂村に入り,那珂川にかかる御前山の「赤い橋」を渡る。すぐ妻の好きな「御前山饅頭」の店のある「野口交差点」に出る。いつもならそこを左折して「四季彩館@御前山」(日帰り入浴施設)とか「ツインリンクもてぎ@茂木」に向かったりするのだが,今日は直進。緒川村方面へ向かう。道沿いに見えた「生クリーム大福」の看板を娘達がめざとく見つけ「食べた〜い」と大騒ぎ。上小瀬宿に入り,大宮方面からの国道293号線に合流。まもなく見えてきた「お菓子処ふるさわ@緒川村」(那珂郡緒川村上小瀬2101-1<0295-56-2414>http://www.e-daifuku.com)。予想よりずっとあか抜けた店で,ガラスのショーケースにずらっと並べられた大福はまるでケーキのようだ。4個くらい買うつもりが,あまりにたくさんの大福の種類があるので,大福各種10個入りの「詰め合わせ」(1000円)を妻に指示。妻は豆餅も買う。さっそくみんなで食べる。中でも「苺ミルク大福」が秀逸。生地に苺が練り込んであって,あんも特製苺あん。僕はけっして甘党ではないのだが,もちろん生クリームが中央にど〜んと入っているから,やわらかくつきあげたもちの食感とあいまって,いいトシした僕でも,かなり幸せな気分になれる。他に登録商標をとったと言う「風車の弥七まんじゅう」なんてのもあった。このあたりに「水戸黄門ゆかりの地」とか「風車の弥七の墓」とかあったからその関係かな・・・。元々はそういうありがちな饅頭を扱っていた山間の店が,「クリーム大福」と言う若い発想で大変身を遂げたと言うことかもしれない。う〜ん,感心した。 |
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烏山町を抜け氏家町に入り「みうら@上河内」(河内郡上河内町下小倉946ー2
金休 11〜19<028-674-4551>)へ。新幹線高架下にポツンとある印象。店の右から奥に向かいL字型の小上がり。そこに座卓5台。中央にテーブルが4台。せっかく家族で来たのだから色々な種類を頼もう。「手打ち中華・550円」「味噌ラーメン・600円」「塩ラーメン・650円」それに「餃子」だ。「手打ち中華」は赤い縁取りのいかにもと言ったどんぶりに盛られる。具はナルト・海苔・ほうれん草に刻みネギが多量。薫製のような香りのする細長いもも肉チャーシューが3枚のるのが目を引く。麺は「いまの家@白河」直伝の手打ち麺。1人分ずつ手もみし,一晩寝かせたと言う縮れの強いビロビロ麺だ。この麺の印象が強く,それに比べるとスープは鶏ガラ+トンコツで無難にまとめられているという印象。こってり好きの妻は「上品な味わい」と評していたが,そのあとつぶやいた「もっとこってりした方が好きかな・・・」と言うのが本音だろう。でもこの系統のラーメンのニーズは,昔も今もかわりなくあるのである。辛味がきいた「味噌ラーメン」は中央にモヤシとニンニクが山盛。スープには唐辛子が浮く。やはりこってり感はない。ストレートな味噌スープという印象。「塩ラーメン」はひたすら透明なスープで,すっきりした味わいだが,手打ち中華同様味付けは濃い目だと思う。具はワカメがのり,煎りゴマ多量に浮いているのが目立つ。餃子は5ヶ。この店は麺がすべてなのだろう。スープはその引き立て役。スープのインパクトを求める人には少々もの足りないと思うが,一般的にはこの手のタイプの方が老若男女を問わず受け入れられやすいと思う。普通の人は,麺と絡むスープの印象だけで十分で,我が家のように麺を食べた後にスープをじっくりと飲み切ったりしないと思うからだ。 |
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店の前の道(R293)を西進すると丁度「徳次郎インター」に行くようだ。ならば「ろまんちっく村」にでもと,何となくそちらに向かう。しかし妻が「こってりしたラーメン」を食べたいという。候補は「紅醍醐@今市」。僕自身は「醍醐@南青山」で経験済みの店なので,「それチェーン店だよ〜」と言っても,「本には『材料調達から調理まですべて自前で行っている』と書いてあるし・・・」と引かない。そこまで言うなら今市まで行こうと言うことになったのだが,そこまで行くなら日光で何かしたい。温泉本から日光近辺の温泉を調べ入ることにする。おかげで「ろまんちっく村」でプールに入れると思った娘達は落胆。許せ娘よ。ろまんちっく村から元来たR293に戻り東進したらすぐに「ら麺屋@宇都宮」(新里町丙669-5
木休・2,4金休 11:30〜14/17〜20
<028-665-5408>)を見つけた。TV「笑っていいとも」に出演し絶賛された「塩ラーメン」と本には紹介されている店だ。あいにく中休み中だったのであっさり諦めたが,次に「ろまんちっく村」に来た時はチェックしてみたい。R119に戻り今市を目指す。 |
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さて「紅醍醐@今市」(今市市今市718 無休 11:30〜22:30・日祝11〜22)。R119で今市の市街地に入り,左に「かましん」が見えたらその向かいの交番がある敷地の奥だ。店の周囲は無料の駐車場。と言うか,駐車場の中に店があるという感じか・・・。「17時まで中休み」の貼り紙があるのに17時過ぎても開く気配がない。外は土砂降りの雨だったのでクルマの中でしばし待機。15分遅れくらいでやっと灯りがついた。店内には「ベストオブラーメン栃木選出記念で9月末日までラーメン全品50〜100円引き」と書いてある。入口脇の食券機はすでにその値段でセットされていた。つまり基本となる「醍醐麺」が550円と言うことになる。妻がそれを担当し,僕は「紅醍醐麺・630円」にする。もう一つ「裏醍醐」と言う酢であえたさっぱりした具がのるラーメンもあったのだが今日はパス。僕の「紅醍醐」はザーサイ・ネギ・カイワレ・チャーシューをピリ辛で和えたものがのる。元々ここのスープは店内のキャッチコピーで言えば『化学調味料はいっさい使わず,18時間煮込み,練り上げ,牛骨から骨髄が出て,スープに溶け込み,豚背骨が砕けて砂のようになり,鶏がらと鶏油を入れてまろみを出し,なんともいえないうまい濃くのあるスープが出来上がる』と言うもの。「醍醐@南青山」で食べた時の印象で,たしかにトンコツとは違う牛骨独特の風味があるものの,タレ的にはマイルドで少々味の濃さ的にもの足りなかった記憶があるので,具の味を加えてみたかったわけである。案の定,基本型の醍醐麺を食べる妻は「しょっぱさが足りない」と紅ショウガ入れたりニンニク入れたり・・・。二度目の味見をさせてもらった時には,まるで別な味になっていた(笑)。そんなわけで妻的には不満点もあったようだが,この系統の味を栃木でも経験できることが茨城県民の僕からすればうらやましい。オリジナリティに溢れたラーメンだからだ。残ったスープにライスをぶち込む(笑)「雪濃湯飯」も妻に経験してもらいたかったのだが,次3杯目を考えてそれは断念した(笑)。 |
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日光街道をそのまま北上し「やしろの湯@日光」へ(日光市清滝和の代町1726-4
木休 <0288-53-6611>10〜21大人500円小学生300円)。日光市営の日帰り入浴施設だ。国道120号で市街地を抜け,東照宮を過ぎ,その先のY字路をバイパスではなく旧道に向かいすぐ左折。日光宇都宮道路の下をくぐるように抜けて橋を渡る。その先にボンヤリと浮かび上がる。周りに人家も見えず寂しいところだが,施設の周りは人で賑やか。施設自体もも高級感があり,両翼に和風と洋風の休憩所。浴場も間接照明で暗めの石造り。サウナと半露天風呂もあり,塀できっちり囲まれた石庭もあるから雰囲気が出ている。中庭は休憩スペースで吹き抜けだ。風呂上がりは畳敷きの休憩スペースで寝転がってゆっくりできるから快適だ。 |
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サウナの中での話。華奢な感じの外人が後から入ってきた。「アメリカ人かな?とするとニューヨークのテロ事件の話なんかするのがタイムリーだよな・・・」などと考えている僕。頭の中には,すでに流ちょうな英語を操っている自分がいるわけだが,突然,彼が「Do
you speak a english?」などと聞いてきたものだから慌てた。こんな時でも「文法的にいいのか?」などと考えてしまうのが日本の英語教育の悲しい習性。とりあえず意味なく微笑みながら「・・little」。でも「あれ”a
little”だとどうなるんだっけ」と考えたりするからどうしようもない。聞けば(相手がしゃべってたわけだが)この青年,ロシア出身だそうで,「ここのサウナは90度くらいで低めだけど,ロシアにはロシアンストーブってのがあって100度くらいあるんだ。その中に置いてある木で体をビシッと叩くわけ。そう『木』と言っても『小枝』,葉っぱの付いた小さいヤツね,これくらいのヤツ・・・ahaha」てな感じ。言っていることはそこそこわかっても,対応する言葉が出ない。「日本だって普通のサウナはもう少し熱めだよ」なんて言おうとしても,「普通ってこの場合・・・”ordinary”・・・いや単純に”always”でもいいかな・・・で温度の『度』って・・・サウナが熱いってのは”hot”でいいんだっけ」などと頭の中で迷っていて,なかなか会話にならない。相手に苦笑いされたりすると頭の中は真っ白になってしまう。場所がサウナだけに長居もできず,中途半端な会話の終わり方で出てきてしまった。おかげでサウナなのに,「冷や汗」もの。でも後で娘達には「サウナで外人さんとお友達になってしまったよ〜」と言うわけだ。「英語で話したの?」「もちろんさ〜バッチリね」「すご〜い」・・・いいオヤジである(笑)。昨日行った水戸の書店で,「やり直し英語に最適」と言うポップにつられて「データベース4500完成英単語・熟語」(桐原書店・なんとCD2枚付)を,何故か急にその気になって買ってしまったのだが,さっそくこういうことがあるとは・・・。どうやら20年振りくらいで「覚える英語の勉強」をしなければならないようだ。娘も来年小5だし・・・。 |
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ゆっくりしていたら,午後8時近くになってしまった。宇都宮に戻ろう。で締めの1杯。「花の季」「どる屋」はこの時間では間に合わない。妻は「元町家」に行きたがったが,今日は未食の店をこなしたい。1直線の日光街道の杉並木をひたすら走る。宇都宮に着く頃には午後9時をまわってしまった。環状線を東へ走る。こう見ると宇都宮って大きな町だなと感じる。 |
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選んだのは「小菜房@宇都宮」(宇都宮市下平出町上河原1439-2 無休
11〜翌1<028-664-0088>)。国道4号線バイパスから柳田街道に入り少し走ると,遠目にも鮮やかな電飾が見えてくる。本の写真である程度わかっていてもちょっと引いてしまう外観だ。かなり派手。キャッチコピーも百花凌乱。「激うま!!一度食べたらやみつきラーメン」「味自慢!!あっつあっつのパリパリ餃子」。きちんと舗装され広々とした駐車場も,「いらっしゃいませ〜」の若い声が響く明るい店内もチェーン店のそれ。茨城で言えば「古譚系」の雰囲気だ。こういう店を選んだのは,子供用にご飯ものを入れるバリエーションが欲しかったから。で,まずは「石焼きキムチチャーハン・480円」。熱々の石の器の中央に,刻み海苔がかけられたオムレツとメンタイコがど〜んと盛られ,キムチと挽き肉が混じる。ご飯自体は炒めた感じはないが,おこげで底はパリパリ。これも確かに『炒飯』かもしれない。けっこう食べ甲斐があった。次は,本では写真入りで紹介されていた看板メニュー(?)の「パーコー坦々麺・880円」。その鮮やかな橙色のスープは実にクリーミー。ゴマだれが利いたマイルドな辛さとでも言おうか。麺はストレート麺。もちもち・固め・つるつるとチェーン店の麺とは思えない個性を感じる。チンゲン菜の緑と白髪ネギの白とともに,赤い糸状の唐辛子が混じるのがおしゃれ。パリパリのパーコーもリッチな気分になれる。基本となる「小菜房ラーメン・550円」はカツオ節の効いたスープ。坦々麺のスープとは基本的な成り立ちが違うようだが,これはこれで個性があり,はっきりした味付けで食べやすい。サイドメニューには「とろとろ杏仁豆腐・320円」。一口食べて「濃いなぁ」と感じた。あと,我が家の場合,普段滅多に餃子を頼むことはないのだが,ここは餃子の街宇都宮の近く。一応食べてみようと「スタミナ・ニンニク・ニラ餃子・260円」。餃子は既製品っぽい感じで特に感動はなかった。 |
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いつも通りの帰り道。笠間に抜けてR50を東へ。快調に飛ばして思ったより早く自宅に着いた。とは言え12時近かったが・・・。 |