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「茨城ラーメン本」発刊までのいきさつ (2000/11)part.2

act6  真夏の取材奮闘記その2
act7  掲載できなかった店・掲載したかった店 > part.3
 act8 あとがき・これからの茨城のラーメンは・・・ > part.3

>>>> 『どんぶり会議』上の 『茨城ラーメン本』統合スレッド』

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 act6 真夏の取材奮闘記 その2−2(取材担当店の個別コメント)

ここでは実際に取材した各々の店について,取材時の裏話等もっと詳しく書いてみたい。

最後に各店のデータと実際に書いた紹介文も載せてみた。掲載された文面と比べてみるのも面白いかもしれない(ほとんど変わらないと思うが・・・)。

7月23日(日)朝日屋@石岡
7月24日(月)匠家@水戸駅南
7月27日(木)大宝@ひたちなか
7月28日(金)ラッキー飯店@水戸
7月30日(日)龍愛餐館@水戸・開江
7月30日(日)浜の宮食堂@日立
7月31日(月)げんこつや@那珂町

8月01日(火)玄海@水戸・堀町
8月02日(水)西海@美野里
8月03日(木)暖宝@ひたちなか・金上
8月03日(木)松五郎@上水戸
8月09日(水)オクチャン@常陸太田
8月10日(木)ガドガド@阿字ヶ浦
8月20日(日)伊勢屋@水戸・下市
8月21日(月)横浜ラーメン味味@茨城町

取材以前に食べた時の報告は各店の日記の表題の「店名」をクリックすべし。

>>> 7月取材分こちら

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8月01日(火)玄海@水戸・堀町

ちょっと話がややこしいのだが,僕が聞いている範囲でこの玄海のオヤジさんのことを紹介すると,昔(昭和50年代),勝田駅前にあった小さな「寅さんラーメン」で「スタミナラーメン」を作っていたのがこの人で,「スタミナ」と言うスタイルの「創始者=発案者」と言うことになるらしい。で,その後勝田の店をたたみ,昭和58年に見和に「松五郎」を開店(この店が「茨城グルメ本舗@」に紹介される)。その後,その見和店を弟子に任せ,上水戸にも「松五郎」を作る。さらに,その上水戸店もまた実質上の一番弟子に譲って,渡里(R123沿い)に移転したが,何らかの事情で水戸の堀町(渡里幼稚園近く)に移転。詳しく言うと水戸市内から国道123号線を常北町方面に向かい,茨大の先の「カワチ薬品・きね八」の信号を左折,二つ目の信号の左角にある倉庫の事務所のような外観の店である。もちろん「寅さんのスタミナ」と言えば,僕としては昭和50年代から聞いていた記憶があり,ただラーメンの本流からは少々外れる気がしていたのでHP開設当初は「気になる店」程度の意識だった。「寅さん@田彦」のスタミナが大元だと思っていたのだ。そこに1999年末頃入ってきたのが,エミーさんのところ(>『水戸食べ歩記』)からのメッセージ。その「スタミナラーメンの孝案者」との情報に興味を持つ。このあたりから意識して「スタミナラーメン」を食べるようになった。考えてみればその「熱い甘辛あんかけ+冷えた太麺」と言うスタイルは全国的に見ても珍しく,勝田〜水戸に微妙にスタイルを変えて「スタミナラーメン」を出す店が10店以上ある点も考えると,水戸の「ご当地ラーメン」と言っても良いわけで,そのオヤジさんの経歴も面白いと,ラーメン本掲載を決めたわけである。さて取材はこの日の閉店間際,よくしゃべる親父さんで,予想通りかなり濃いキャラクター。取材は1時間以上になる。その間も常連さんが入れ替わり立ち替わり。そりゃそうだ,この店自体「通りがかり」に寄る場所でも外観でもない。さて肝心の「寅さん」との関係だが、直接は確認できなかったものの,後日,直接田彦の店で聞いたら「経営者」は別にいる模様。つまり何らしかの権利を買って「寅さん」と「スタミナ」と言う「ブランド」を承継したのが今の「寅さんラーメン@田彦」なのではないか(全て僕の推測だが・・・)。あと正式な弟子は「松五郎@上水戸」だけとも言っていた。見和の店はもうつながりはない模様(「松五郎」の看板はもうかかげていない=破門?)。ふと見ると東京の店しか載っていない「石神本」が調理場の棚に置いてある。さらに常連さんがこの僕のサイト(「スタミナラーメンの孝案者」との情報の部分)をプリントアウトして持って行ったらしく,「こんなものも参考にしているんだよ」と撲に差し出した。「あっ、それ書いてるのボクなんです」と言ったら一瞬間をおいて「・・・あっそうなの,ありがとね」と戸惑った様子。どうやらその内容に元々文句があったらしかったのだ。自作で系統図なんて書き込んであったし・・・。自分の店だった「松五郎」も,レバー入りの「スタミナ」と言うスタイルも譲った以上,新たな形として挑戦したのがホルモン+もやしあんかけの「ホルモン冷やし」。むしろこちらの方が好きと言うマニアも多いのだ。

> 「寅さんラーメン」の項 参照 >【スタミナラーメンの系譜】

【店名】ホルモンラーメン 玄海(げんかい)
【住所】水戸市堀町959
【電話】なし?
【営業時間】11:30〜14:00/17:00〜21:00
【座席数】10席(カウンターのみ)
【定休日】水休
【駐車場】有・7台
【掲載メニュー】ホルモン冷やし:600円
【主なメニュー】ラーメン:500円・みそラーメン:600円・皿うどん:800円・チャンポン:800円
【行き方】
水戸市内から国道123号線を常北町方面に向かい茨大の先・カワチ薬品・きね八の信号を左折,二つ目の信号の角
【キャッチコピー】
「スタミナラーメン」の創始者がつくる 新作「ホルモンラーメン」
【紹介文】
倉庫の事務所のような外観。ちょっと飛込みでは入りづらい雰囲気だが,いつも馴染み客で賑わっている。実はこの店の「おやじ」に価値がある。昭和40〜50年代,勝田駅近くにあった人気店「寅さん」の店主なのだ。当時の学生に安くてボリュームがあるものをと,レバーとカボチャ甘辛あんかけの「スタミナ」を考え出した。つまり,水戸周辺ではポピュラーな「スタミナラーメン」の創始者。狭いカウンターのみのその店はいつも賑わっていたが,昭和58年水戸に移転。しかしここからが普通のおやじと違う。「いつまでも同じことやっていちゃダメ。進歩しなきゃ」と,「寅さん」の名も,そのあと見和と上水戸につくった「松五郎」の名称も使わない。それどころか「スタミナラーメン」にもこだわっていない。「どこに行っても腕さえあれば客がついてくる」が持論。今はレバーのかわりにモツが入る「ホルモンラーメン」で勝負する。昔からのファンが今もこの店に集う。その評価は如何。

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8月02日(水)西海@美野里

東京の多摩市にある本店は1997年の成美堂ムック「首都圏ラーメンのうまい店」にも掲載され,最近では石神氏の「2000年ラーメン王」(双葉社)にも掲載されている有名店。もっとも茨城にあることを知ったのはHP開設直前の1999年3月,ジャンボさんの会議室の情報がきっかけである。香味野菜をたっぷり使ってトンコツスープのくさみを抑え,煮干しのかわりに焼きアゴを使ったと言う特徴的な味だが,画一的な感じがしたことも確か。しかし茨城(特に県央)では貴重なタイプのラーメンであり,どんぶり会議での盛り上がり(茨城県内の店・徹底攻略月間 【県央編】』論争参照)を受けて掲載を決意する。さて取材,電話も女性が出て,実際に出てきたのも女性。ラーメン店にはちょっと不似合いな品のいい女性だったので,てっきり近所のパートさんかなと思ったのだが実は「店長」だった。取材して初めてわかったが,この店,会社資本のチェーン店なのである。出された名刺にはカタカナの会社名が刷られてあった。トラックステーションという不思議な場所に,個人の店の支店が出せるのか不思議だったがこれで納得。となると,タレも麺も具も本社で計算されたレシピによるものと言うことになるが,実際に調理しているのはこの店の中のようで,早朝からの仕込みの話を聞いて感心してしまった。「はーっ」と言うことばかりで,どう反応していいものかあたふたした取材だったが,その結果が以下の紹介文。「会社資本」と言うことは触れないようにした。いわゆるチェーン店と言うくくりにするにはちょっともったいない,「個性」のある店だったからである。

しかし残念なことに2001年3月いっぱいで閉店した。地元のファンの惜しむ声は多い。この店の味を味わいたければ東京まで行くしかない。復活を望むがチェーン店としては難しいだろう。

【店名】ラーメンショップ 西海
【住所】美野里町西郷地1390-1
【電話】0299-48-3459
【営業時間】7:00〜21:00(ラーメン類は10時より・20:30ラストオーダー)
【座席数】40人(テーブル4×7,8×1)
【定休日】無休
【駐車場】有・15台
【掲載メニュー】西海ラーメン:480円
【主なメニュー】チャーシュラーメン:750円ねぎラーメン:580円角煮ラーメン:680円高菜ラーメン:500円
【行き方】
水戸市内から国道6号を石岡方面に向かい,美野里町に入ってすぐ右側の「茨城トラックステーション」内。向かいにセブンイレブン・モービル石油のあるT字路交差
点西側。
【キャッチコピー】
長崎直送の素材をふんだんに使った一味違うトンコツラーメン
【紹介文】
なんとトラックステーション内にある。国道6号沿いの一段高い敷地。ちょっと入るのをためらいがちだが,店内は高速のSAのような明るい雰囲気だからご安心を。実はこの店,本店は多摩にある有名店。その味が茨城で味わえる。基本的には九州らしい白濁トンコツスープなのだが,そのダシに特徴がある。長崎平戸のトビウオを炭火で丹念に焼いた焼アゴから取ったものなのだ。それに長崎の海で取れるアオサ(岩海苔)がトッピングされ,独特の風味をかもし出す。「トンコツである以上,スープの白い色にはこだわりたいですね。」そう言う女性店長が心を砕くのはスープの管理。10時のラーメン販売開始に合わせ,毎朝6時から仕込むスープの白さを保つべく,こまめなアク取りは欠かせない。麺は歯切れのいいストレート細麺。もちろん替玉もある。紅生姜が平切りなのも面白い。女性らしい発想で季節ごとに春・夏・秋・冬4種類のラーメンも用意されているので要チェックだ。

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8月03日(木)暖宝@ひたちなか・金上

だいたいにおいて,地元(旧勝田〜那珂湊地区)でラーメン屋の話になると昔からこの店の名が出てくる。幹線道路(とは言え普通の県道)沿いだが,商店街の中というわけでもなく,決して商売向きではない立地条件。にもかかわらず,特に年輩者〜働き盛りの世代の支持が多いと思う。この日も営業職っぽい男性や作業着のグループ,おばちゃんのグループ等々で満席。つまり誰にでも安心してすすめられる店と言うこと(その分ラーメンフリークやこってり好きの若い世代には無難すぎるかも)。気むずかしい老主人を想像していたのだが,ご主人は意外に若く(とは言え50代くらい?)取材にも気負ったところもなく慣れた感じだった。お手伝いのおばちゃん達も身内の人中心という感じでアットホームな雰囲気。どこか手打ちうどん・そばの店にありがちな雰囲気である。駐車場所の話になったら,奥の座敷で休憩に入っていた奥さんらしき人から「あそこに駐めちゃダメだわよ〜」とチェックが入っていた。のんびりしている。もっとも,「掲載するおすすめラーメンは?」と聞いたら,一番高めの「ちゃーしゅー白みそらーめん」を推薦してくるあたりはしっかり「商売人」である。このラーメンは牛乳入りのこの「白みそ」仕立て,それだけ聞くとちょっとひいてしまうが,これが意外によく合うので,醤油味のスタンダードにこだわる人でない限り試してみるのも面白いと思う。この店と東京の有名店「満月@赤羽」,市内(旧那珂湊)の「大宝@ひたちなか」とは兄弟関係と言うことになるそうだ。>> 「どんぶり会議」の投稿(手打らーめん 満月@赤羽」の御主人の修行先・1999/12/18)参照

【店名】手打ちらーめん 暖宝(ダンホウ)
【住所】ひたちなか市大平4-5-17
【電話】029-273-9740
【営業時間】11:00〜20:00
【座席数】計53席(カウンター5席・テーブル6×3=18席・小上がり4人テーブル30席)
【定休日】月休
【駐車場】有・10台
【掲載メニュー】ちゃーしゅう 白みそらーめん:1000円
【主なメニュー】しょうゆらーめん550円・みそらーめん650円・たんめん650円・もやしらーめん700円
【行き方】
茨城交通金上駅踏切交差点を水戸方面(勝田橋方面)に向い約100m先左側
【キャッチコピー】
原点は佐野ラーメン。手打ちにこだわる地域を代表する名店
【紹介文】
とにかくまず「麺」にこだわっている。「人と同じことはやりたくない」と手打ちの本場・佐野で修行し,昭和48年に開店。老若男女を問わず,地元の人に広く愛されるこの人気店を一代で築き上げた。麺はもちろん青竹打ち。正面に麺打ち場がある。「大切なのはラーメンに対する愛情」と言い切る店主。材料はもちろん,温度,練り加減,季節によって微妙に変える粉の配合等々手をかけるべきところに常にその手間を惜しまない。スープもそうだ。冬はコクを出し,夏はあっさりと仕上げる。メニューは多彩だが,なかでも一番人気は「ちゃーしゅー白みそ」。なんと白みそに牛乳を合わせている。でもこれが意外によく合うのだ。太さの違うもやしに挽肉をあわせて煮込むと独特のコクがでる。これに手もみした縮れの強い麺がよくからむ。辛味噌の赤い色がアクセント。違う味わいが楽しめる。チャーシューはロース2枚にバラ肉1枚。食感を考えその組み合わせにもこだわっているのだ。

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8月03日(木)松五郎@上水戸

スタミナラーメンの中心となる店(詳細は「玄海」の取材の項参照)で,水戸のラーメンを語る上でこの店を外すわけには行かない店。調理場には体格のいい男性が二人(1人は2001/07に独立し「三四郎@大甕」を開業),白Tシャツにタオルはちまきで家系の店のようである。ちょっと取材するには苦手なタイプだったのだが,閉店間際の取材を快く受けてくれた。話してみれば取材は実になごやかに進み,ずっと漠然としていた「スタミナと松五郎」の関係も理解できた(>「スタミナラーメンの系譜」)。心配なのは,元々地元の人間には有名な店で客が多いのに,ラーメン本でさらに有名になって店が混雑すること。スタミナ自体は「炒める」と言う手順が入るわけだから,当然手間がかかる。「つくりおきはしない」とは言っても,待ち客がずらっと壁際に並ぶ状況では,先を見越して作っていくのもしかたないだろう。問題はその質。丁寧に作って,せっかく盛り上がってきている「水戸のスタミナ」の人気を,確固としたものにして欲しい。馴染み客は出来上がりのブレを好意的に受け入れてくれても,一見の客はその時の味でしか判断しないのだから・・・。

「疾風怒濤の茨城縦断オフ 2001」(東京のラーメンフリークのみなさんに「スタミナ」を経験してもらう・2001/02/04)

【【店名】松五郎(マツゴロウ)
【住所】水戸市上水戸3-3-25
【電話】029-221-9598
【営業時間】11:00〜14:30 / 17:00〜21:00 (麺切れ終了)
【座席数】18席(カウンターのみ)
【定休日】月休・第3火休
【駐車場】有・4台
【掲載メニュー】スタミナラーメン600円
【主なメニュー】スタミナ冷やし600円/ラーメン400円/ミソラーメン500円/チャーシューメン600円
【行き方】
水戸市内から国道123号線を茨大方面に向かい,セガゲームセンターのある信号(「国立水戸病院」の標識あり)を左折・100m先左側
【キャッチコピー】
水戸の「ご当地ラーメン」 「スタミナラーメン」の本流
【紹介文】
先代から「松五郎」と言う名前とともにこの店を受け継いで4年目。実質的な「一番弟子」としてこの人気店を維持してきた若き店主の「スタミナ」にかける情熱は限りない。まず麺へのこだわり。太麺は冷水で締めた時にどこまで弾力性が保たれるかが大事だと言う。コシがない麺だと冷やすと切れるそうだ。そのもちもちした麺にかける具の「スタミナ」も,つくり置きは絶対にしない。「注文を受けて作らなければお金をもらう価値はない」とまで言い切るから頼もしい。「大切なのは場数を踏んだカンと腕。タレと火加減。それに火力の調節。キャベツが季節によって柔らかさが違うことにも気をつけています。」と店主の言葉にも俄然力が入る。そうして出てきた「スタミナラーメン」はなるほど「本流」を感じさせる一品だ。完成されている。熱いスープの「ホット」もおすすめ。最後まで熱々のスタミナを味わえる。麺は半玉・50円刻みで注文に応じるので好みの量を選びたい。

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8月09日(水)オクチャン@常陸太田

「茨城のうまいラーメン」と言う以上,県北の常陸太田の店も入れたいところだ。しかしラーメンの情報はあるようでない。ラーメン専門店というとなおさらである。茨城新聞社の旧・ラーメン本掲載店のこの「オクチャン」(7月10日)と「昇龍」(7月17日),さらに情報のあった「桃山」(8月01日)をせわしく回り,その中からこの店を選んだ。取材当日は事前に電話して向かったものの,その応対(奥さんだと思う)は不満そう。忙しい時間に来られるのはイヤそうな口調。しかしこちらも仕事のある身。原稿の締め切りを考えると,この日を逃せば太田まで行くのは難しくなる。1日時間が使えて,取材先の都合に合わせられる本職ではないのである。とにかく店へ。普通の客のように注文し,「みそラーメン」をまずいただく。その料金を払ったあとに,今なら大丈夫だろうと取材である旨を告げる。ちょっと失礼な方法だが,なんとなくラーメン代はきちんと払って取材したかったことは確か。金儲けのために取材している人間ではないと言うことを,わかってもらいたかった。7月10日の時に感じたように,ご主人は見た目と違って物腰は柔らか。良くも悪くも力が抜けていて,記事のネタになるような決めの言葉がなかなか引き出せなくて苦労した。ところでこの店のご主人は「元祖札幌や@東海」の出身のようで,そう聞けばその味の系統は理解できるだろう。コピーと言ってもいいくらいの同じ味である。そう聞かせられると,オリジナリティの面でちょっとありがたみが薄れるが,常陸太田近辺で貴重な味であることには変わりはないだろう。

【店名】らーめん オクチャン
【住所】常陸太田市金井町3610
【電話】0294‐73‐0537
【営業時間】12:00〜15:00/18:00〜21:00
【座席数】24席(テーブル4*4,6*1,2*1)
【定休日】木休
【駐車場】有・10台
【掲載メニュー】みそラーメン500円
【主なメニュー】しおラーメン500円/しょうゆラーメン500円/ねぎみそラーメン670円/カレーうまにラーメン700円
【行き方】
常陸太田駅前交差点より税務署方面に北上500m「金井保育園前」交差点を左折してすぐ右側
【キャッチコピー】
地元の人に愛され続ける 白みそ仕立てのこってり味
【紹介文】
「オクチャン」は店主の愛称だそうな。でもそれに似合わぬいかつい体格にヒゲ面。ちょっと寡黙でこわもてだが意外に物腰は柔らかだ。仕事も丁寧な感じ。一杯一杯確かめるように作る。一番人気は「みそ」。開店当初の15年程前は「みそラーメン」と言えば赤みそにもやし入りばかり。だから,あえて白みそで勝負した。もやしはのせない。だからスープの味がダイレクトに楽しめる。表面にはキラキラした厚い油の膜。濃い目のこってりタイプだ。麺は白い中太麺。肩ロースのチャーシューは大きめ。好みで卓上の生姜ベースの辛味噌を入れると,また違ったあじわいだ。「安くて美味しいものを食べてもらいたい」と店主。優しい目だ。「近所の子供が姉弟で食べに来て千円札一枚で二杯食べられるように」と基本となるラーメンの値段にはこだわっている。白い喫茶店のイメージで作ったこの店,それなりに年季が入ったが店主の人柄を慕い,地元の馴染み客でいつも賑わっている。

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8月10日(木)ガドガド@阿字ヶ浦

取材も終盤戦,実はこの店,県央〜県北で取材拒否の店が何軒か出て,茨城新聞社の担当者から「水戸〜ひたちなかの掲載店は『スタミナ』『とんこつ』と言った系統の店が多いので,オーソドックスな醤油味の店でいいところはないか」と言うリクエストを受けて,締め切り間際に急遽ラーメン本に入れた店。最初に行ったとき(>2000/03/24)の印象が,怪しげな外観の割にしっかりしたラーメンを出すなと,僕としてはけっこう印象が良かったのだ。で,2度目に食べたのがこの取材の時で,閉店間際の午後10時過ぎマスターの話を聞く。かなり個性的で強気なマスターで,いろいろ素材とかにこだわりがあって,こりゃ本のネタ的にはいいなと思い,期待してラーメンを食べてみる。・・・???。この時はなんか最初の時ほどのインパクトがなかった。「この味でいいんですか?」と聞いたくらい。「もっとこう,がつんとくるような特徴をマスターなら出せると思うんですけど・・・」。つまりそのくらいこの日の味は薄かった(正確には塩っ気が足りなかったと言うべきか)。でもマスターに「あとからじんわりと味を感じるラーメンをめざす」と言われれば,自分の味覚が鈍感なのかなと思うしかなかった。そのあと掲載記事を書くのにかなり迷ったほど(その結果が下の紹介文)。いずれにせよ,正式に取材協力要請して,食べたら掲載中止というわけにもいかなくて・・・。ずっと心にひっかかっている店。もちろん悪いわけではないのだが,海辺のこの街のここのラーメンを目的に,遠路はるばる来る方なんかは,たとえばこの日のようなラーメンが出た場合,ちょっと外観ほどの特徴がなくて拍子抜けするのではないか心配している。ただこの店のチャーシューは評判いいみたい。ラーメン本の打ち上げの時,茨城新聞社のエラい方がこの店で食べて「ディナーになるチャーシュー」と言っていたのは印象的。

【店名】中華レストラン ガドガド
【住所】ひたちなか市阿字ヶ浦町3262-2
【電話】029-265-5108
【営業時間】11:30〜14:30/17:30〜23:00(22:30 ラストオーダー)
【座席数】35席
【定休日】火休(7,8月は無休)
【駐車場】有・10台
【掲載メニュー】チャーシューメン:1100円
【主なメニュー】ラーメン650円/タンメン700円/五目そば900円/肉野菜ラーメン800円
【行き方】
阿字ヶ浦海岸沿いの道路中程「阿字ヶ浦中央」交差点南側のサーフショップの2階
【キャッチコピー】
太平洋を眺めながらいただく こだわりのラーメンと特選チャーシュー
【紹介文】
ガドガドとはインドネシア語で「ごちゃまぜ」のこと。妖しげな狭い階段を上り2階の店内に入るとその内装に驚く。元サーファーの店主が作ったバリ島のイメージの装飾。実に賑やか。肝心のラーメンは「うまい」を超える「また食べたくなる味」を目指す。ダシの基本となる鳥ガラ・鳥の皮は銘柄にこだわったもの。タレは有機丸大豆醤油が基本。カメで3日ねかせて作り立ては出さない。仕上げに魚介類の隠し味も。そうして出来上がったスープは淡い味付け。最初のインパクトは薄いが店主はそれでいいと言う。食べ終わった時に幸せを感じることができればいいと。「僕の人生がラーメンにかかっている」中華一筋ながら紆余曲折を経た店主のラーメンに対する思いが込められている。チャーシューが秀逸。脂身と赤身がほんのりと混じる県指定の高品質豚肉ローズポークを使用。ほぐれる柔らかさ。淡い味付けでこの肉本来のうまさが味わえる。茨城県民なら是非味わって欲しい一品だ。

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8月20日(日)伊勢屋@水戸・下市

基本的に団子の店なのである。取材のこの日も調理場奥の団子作りの場所で話を聞いたのだが,「団子の素材へのこだわり」は言葉の端々に感じるものの,ラーメンの話になると今一歩歯切れが悪い。スープにも麺にも,特にこだわりというものがないみたい。「決めの言葉」がなかなか引き出せないのだ。つまり,昔からのラーメンを形を変えずにそのまま残してきたという感じ。良くも悪くも保守的なのである。要するに店のメインは「団子」。ラーメンは昔ながらの雰囲気を味わうという意味で食べてみて欲しい。おみやげにいただいた団子の評判が家族にすこぶるよかった。

【店名】伊勢屋(いせや)
【住所】水戸市本町1丁目5-5
【電話】029-221-5266
【営業時間】9:00〜19:00
【座席数】28席(4人テーブル*7)
【定休日】第1・3火,第2・4日休
【駐車場】有・3台
【掲載メニュー】ラーメン400円
【主なメニュー】味噌ラーメン520円/だんご120円/おにぎり120円/いなり70円
【行き方】
水戸市・下市,国道51号「柳町1丁目」交差点(「天狗納豆」)を南に折れ,最初の常銀の信号を左折し(一方通行の「ハミングロード513」)4軒目の右角
【キャッチコピー】
老舗のだんご店でいただくラーメンは あの頃の「懐かしい味」がする
【紹介文】
午後3時だと言うのにひっきりなしに客が入ってくる。水戸の下市,旧国道沿いの昔からの商店街にひっそりとあるこの店,実は昭和29年創業の老舗だんご店。だから表にはラーメンのラの字もない。「伊勢屋」と染め抜かれた紫の色あせた暖簾だけ。にもかかわらず老若男女,すべての客が当然のようにラーメンを注文する。店内は木造の懐かしい造り。昭和40年代にタイムスリップしたようだ。ラーメンもそう。濃い目の醤油色のスープははっきりした味付け。麺は少し縮れた黄色い玉子メン。メンマは歯ごたえにこだわったもの。味のしみ込んだ豚正肉のチャーシュー。そしてナルト,海苔・・。年配者がイメージするラーメンは,こういう店のこういうラーメンなのだろうと思う。要するに「懐かしい」のだ。店前の窓にはおにぎり,だんご等が並んでいる。皆ラーメンと一緒に注文している。おにぎりはおこわ,だんごは米を石臼で挽いた自家製の粉で作る。「きんぴらだんご」が自慢だそうだ。

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8月21日(月)横浜ラーメン味味@茨城町  7月28日(金)

免許試験場前のこの店,開店したばかりの頃(1998年頃?)一度来たことがある。看板に大きく「横浜ラーメン」と名乗る以上「家系」を期待してしまうが,僕の場合「匠家@水戸」を知った直後くらいだったので,スープの濃厚さでかなりのもの足りなさを「味味」に感じ,「まぁこんな場所では『家系』と言っても正式なものではないだろうな」と,店への興味的にはもうそれでおしまいになっていた。ちょうど特徴ある新店探しに「どんぶり会議」にスレッド(> 茨城県内の店・徹底攻略月間 【県央編】)を立てたら,そこに「味味」を推薦する情報がある。で,以前と違うのかなと再訪してみたわけだ(2000/07/28)。外観は以前と同じだったが,店内に入ってびっくり。以前の店の左半分を強引に拡張してかなり広い店になって,店主もタオルを頭に巻いて気合が入っている。ランチタイムは中盛にサービスしてくれるようだ(もっとも普通でも600円だからそんなにありがたくはないかも)。これは味が変わった。以前の印象とまるで違う。たしかに味の濃厚さでは匠家を超えているかも。(匠家を油少なめで頼むと「薄い」と言う意見は東京のラーメンマニア の方から複数言われたことがある)いわゆる家系ラーメンに強引に魚系の出汁をブレンドしたような独特の味だ。実に「濃い」スープ。チャーシューも匠家に比べれば上等。 でも,海苔はちょっともの足りない。麺は「大橋」「酒井」と言ったブランド物(?)ではないみたいでちょっともの足りないが,工夫して「家系」のそれに近づこうとしているのを強く感じる。もっとも「家」のついた「家系」ではなく「横浜ラーメン」なんだから別にそれはそれでいいのかもしれない。いずれにせよ,こんな場所のラーメン店を紹介することに,まさにラーメン本を作る意味があると,夏の盛りも過ぎて仕事も落ち着いたこの日の午後8時過ぎ,事前承諾なしでいきなり訪問。すでに閉店していたが,無理を言って開けてもらい熱意を持って交渉する。ご主人の経緯は紹介文に書いたとおりなのだが,会話の端々に「青葉@中野」「吉村家」等々有名店の名前が出てくるのが頼もしい。つまり他の店と違い,東京の有名ラーメンを意識してラーメンを作っている店なのだ。ラーメンマニアとしては実に頼もしい。やはり東京の人気ラーメンを知らずして,茨城で「ラーメンはこうだ」と言っても説得力がないと思うのである。ただこの店,特徴を出すべく使用しているのは「カニ」。かなり面白い味になるのだが,時間による変質が早いそうで,タイミングが悪いとかなり強烈な臭み(アンモニア臭と言うべきか)が出てしまう。もともとが客を選ぶ「とんこつ醤油」なのに,さらにこの「カニ」の関門があるわけだから,各々が苦手な人は,覚悟して食べてもダメなときはダメだろう。そのあたりがこの店の評価が分かれている理由なのである

【店名】横浜ラーメン 味味(みんみん)
【住所】東茨城郡茨城町上石崎4618-5
【電話】029-293-6771
【営業時間】11:00〜16:30/18:00〜21:00(スープ切れ終了)
【座席数】30席
【定休日】日休
【駐車場】有・4台
【掲載メニュー】らーめん:600円
【主なメニュー】ねぎらーめん700円/チャーシューめん850円/ねぎチャーシューめん950円/らーめんとチャーハンset850円
【行き方】
国道6号を茨城町方面に向かい,「警察学校入口」交差点を鉾田方面へ左折。茨城町に入り,高速下をくぐった先の「運転免許試験場」前の信号の左手
【キャッチコピー】
「えっこんなところにこんな味が」 店主自作の垂幕の文句に偽りなし
【紹介文】
運転免許試験場の前であること以外,立地的にはさしたるメリットもないそんな場所にある。平成9年,フランチャイズ店として開店したが,その画一的な味に納得できず,独自のラーメンを目指すべく平成10年に現在の店の名で独立。目指したのは「家系」の総本山「吉村家」のインパクトあるラーメン。さりとて修行経験があるわけではない。だから全て独学。試行錯誤の連続だ。基本的に看板通りとんこつ系スープの「横浜ラーメン」だが,「海のものを使うのが日本人の好みの味だろう」とこれに節主体の魚介類・海産物系のスープをブレンド。改良を重ね現在の味にたどり着いた。背脂も「家系」の特長たる鶏油も使わない。全てダシから出た自然のもの。油に頼らない濃厚なスープだ。やや太目の麺は加水率を低くし小麦粉の自然な味を最大限に引き出す。スープをほどよく吸って味が出る。海苔三枚にホウレン草と「家系」の形をとるが,もはやこのスープは全くのオリジナルなのだ。

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