● いわゆる「ラーメンショップ」
- なぜ『ラーメンショップ』はそこにあるのか
- ダイシン@千代田
- がんこやラーメン@千代田
- ラーメンショップ@茨城町
- ラーメンショップ@谷和原
- 巨大ラーメンショップ17(セブンィーン)@伊奈町 =カメさんのレポート
「ラーメンショップ」という店がある。東京近郊の幹線道路沿いに特に多い気がする。赤い看板に店名が書かれ,「うまい」とかの形容詞が付くことが多い。ラーメンは,薄い藤色の平べったいどんぶり(青い「ネギラーメン」という字が入る)に盛られ,トンコツ系の醤油味スープで,濃厚さは店によりまちまちである。麺はやや太めの黄色いストレート麺なのは割と共通のようである。メニューの基本はネギラーメンのようで,長ネギの白い部分を縦に長めに細く切った物を,細かいチャーシューを加えてごま油とタレで味付けしたものがのせられる。この味で全体のバランスがとられるようだ。逆に言えば単なるラーメンではもの足りない感じとなる場合が多い(と僕は感じている)。もっともこれは一般論だ。情報に寄れば「ラーメンショップ」なる店を出店するのに特に何年もの修行という物は必要はないらしい。本部(というものがあるのかも謎)からもらうのはどんぶりだけだという情報もある。つまり,各店の味は,本部から最初に教えられる(?)基本となる味があって,さらにその上に各店が独自に工夫して独自の味を作っているようなのだ。巷には「ラーメンショップ」があふれている。地元の水戸近辺だけでも5店知っている。いつも「ラーメンショップ」はそこにある。その味に当たり外れがあるのはどうやらこの辺に原因があるらしい。
いまをときめく神奈川のいわゆる「家系」ラーメンの創始者「吉村家」の店主も20年以上前に「ラーメンショップ」から独立してあのスープを作り出し,「濃厚スープにまけない麺を」と太麺を特注して今の形にしたという。たまに「ラーメンショップ」の店と「家系ラーメン」の店のスープに共通点がある場合があるのはその出発点が同じだからなのだろう。また埼玉の戸田に「ニューラーメンショップドモン」と言う有名店がある。8年前くらいに食べたことがあるがかなりこってりしたラーメンだった(好みの味ではあった)。ラーメンショップとの関係は未確認である。(1999.5.12)
■ ダイシン@千代田(上稲吉?)
国道6号中貫交差点より北側・三菱自販「上稲吉」交差点を神立方面に曲がる
看板に「ラーメンショップ」とも書いてある。「うまい」とも書いてある。この手の店はあまりうまくないのが多いが,ここはけっこううまい。浅い丼にとんこつ醤油のスープと縮れ麺,「ラーメンショップ」共通のパターン。「ネギラーメン」が基本だが並ラーメンがいい。昼は年輩の夫婦(頑固職人風)がやっていた。一度,夜に行ったことがあるがその時は「?」な味だった。昼とは違う若い人がつくっていたからか,中盛にしてバランスがくずれたからかわからないが,珍しく残してしまった。
■ がんこやラーメン@千代田町・6号沿い
6号沿い・日休・営業時間は不明・深夜2時に開いてるのを見たことがある・駐車場は広い
東京の「がんこ」系とは全く関係ない。1994年頃に開業したような印象がある。そのころ食べて気に入った店。東京に食べ歩きに行くとき良く前を通るのだが,日曜の昼によく店が閉まっているのでなかなか食べられないでいた。
●1999年11月3日(祝)
祝日の今日,久々に訪ねる(>1999/11/03)。下の娘(5才)が生まれたころに来た覚えがあるからずいぶん久しぶりだ。空き地のような駐車場に車をとめる。白い横長の暖簾がかかった,東・南両面サッシの引き戸のオープンな店。中央の調理場を囲むように広いUの字のカウンター。客席の空間の方が狭いくらい。看板に書いてあるとおり,本来ラーメンショップ系の店のようだ。基本のラーメンは450円と安い。前回,デフォルトのラーメンではもの足りなかった印象があるので,今日は「ネギラーメン・600円」を注文。藤色ではなく普通のどんぶりに盛られてきた。ラーメンショップからの脱却か。味にも独自の工夫があるようだ。軽く背脂が浮くとんこつしょううゆのスープ。具はネギだけ。そのネギに絡めた油の影響だろう。思ったよりも深い味。やや縮れた細めんも固めで腰砕けになってはいない。他の客を見ていると,リピーターが多いようで,今やもう安定した人気店という雰囲気である。バイト然としていない,いかにも修行しているといった感じの店員(主人?も含め計3人)の動きもいい。「みそ」を注文している人が意外に多かった。メニューは他に岩のり・キムチ・ワカメ・メンマ等々。カレーというのまである。いずれにせよ,なんらかしかの「具」を追加して食べるのがどうやら正しいように感じる。東京からの帰り道,深夜2時にもかかわらず,満席になっているのが見えた。
●2000年3月29日(水)
「がんこやのみぞれ,絶品です」と県南の方からメールをいただいたので,さっそく行ってみる。日休の店なのでなかなか行けないのだ(祝日は通り過ぎる頃開いていない)。つまりこんな平日の夜にわざわざこの店に行くため「だけ」に往復100km近く走る酔狂な人間なのである。何となく予感はしてたのだが今月17日に食べた「じゃんがら@上水戸」の「みぞれラーメン」と同じ「梅干+大根おろし」のラーメン。但しこちらのには「しその葉」ではなく細かく刻んだ「大根の葉(だと思う)」がのる。背脂の少ないトンコツスープに固めの麺。おろしと梅のすっぱさが続きいい感じだ。「じゃんがら」と違い基本となる具(海苔・メンマ・あと角のチャーシューがどーんとのってきた)があるのでお得な感じがする。ほかのメニューもこの店はこのあたりの人気店らしくしっかりしているので,具のトッピングのバリエーションのひとつとしておすすめである。ところで,この店の若い店員には活気がある。しかも深夜営業の店なのにダレてないのがいい。従業員教育と言うのを経営者が意識しているのだろう。そのあたりも「じゃんがら」とは違う。それにしてもこの「みぞれラーメン」はどちらのオリジナルなのだろう。おろしはともかく「梅」という発想があってなおかつ「みぞれ」と言うネーミングまで一緒と言うのは偶然ではないと思うのだが・・・。それとも他の店に原点があるのかも。
■ ラーメンショップ@茨城町: 平日・祝日9〜22・日曜は12〜20と変則的。
●1999年4月25日(金)
茨城町・6号国道沿いにこの店はある。駐車場は十分に広い。この日東京への食べ歩きの前に「地元の店も食べとこう」と入ってみた。以前入ったこともあるので再食ということになる。その時の印象は特別ないのだが,ここの前を通る度にけっこう日曜なんかはにぎわっていることが気になっていたのだ。店の中は中央にU字型の大きなカウンター,奥に座敷もある。全体としてはかなり古い造りである。基本となるラーメンを食べる。スープを一口飲んでこの店を食べ歩きの1杯目に選んだことを後悔する。スープは濃い味だが期待していたよりサラッとしたものなのだ。要するにラーメンショップのオーソドックスな味なのである。平日の夜にでも確認に来ればよかったかなあと思った。麺は中太のストレート麺,かなり柔らかめだったことも後悔の一要因になった。ほとんどの人が「ネギラーメン」の系統を頼んでいる。ネギとそのタレの味で全体のバランスはよくなるのかもしれない。無難な「ラーメンショップ」というところだろうか・・・(1999/04/25)
●2000年8月11日(金)
注文したのは「ネギミソラーメン・700円」。最初はサラッと感じたスープも,ネギの調味油が混ざるといい感じになる。麺は「固め」と言えば応じてくれるようだ。具はナルト・のり・メンマ・ワカメ。ネギに混ざっているからかチャーシューはつかない。やはりこの店は「ネギラーメン」が標準と考えるべきだろう。逆に言えばネギがなければ平凡なラーメンショップの味と言うこと。ライス(100円)にもキュウリの漬物がつくのは親切。
●2004年2月02日(月)
ちょっと茨城町に行く用があったので久しぶりにこの店へ。店は前と同じで年季ものまま。この手の店の割には年輩の客が多い。一方接客はやや元気が無く,「だるい」印象。その中で主人が黙々と作っている。食べたのは「当店おすすめ」と言うネギ味噌ラーメン(700円)。平たいドンブリで出てきた。スープは旨味の強い味噌。水が欲しくなる。ゴマ油でチャーシューと和えたネギはインパクトがあるが,逆にこのネギがなければ味的にはつらい感じ。でもこれからネギをとった具(=みそラーメン)で600円と言うのもちょっと割高に感じる。黄色い麺は見た目も食感も平凡。他の具は海苔・メンマ。国道6号線沿いで交通量は十分な場所。直線道路で遠くから看板も目立ち,駐車場も入りやすい。立地条件がいいことがすべてかな。ライス100円。水はセルフサービス。
谷和原インター出口・R294沿い
土砂降りの雨の中,探し出す。常磐高速・谷和原(やわら)ICからR294を守谷方面へ向かってすぐの左側。コンビニ(ミニストップ)の隣にある。低いカウンターの開放的な店だ。ラーメンは450円と良心的。それとネギとの組み合わせがメニューのメインのようだ。しかし,空腹だったため,初めての店でのセオリーを無視して,別メニューで書いてあった「コテコテラーメン・600円」を注文してしまう。お決まりの藤色の平べったいどんぶりに盛られてでてきたそれは,背脂がかなり厚めにふられたもの。「上質な背脂」とメニューに唄うだけのことはあり,くどさはない。もっとも僕にとってだ。普通の人ならうんざりするかもしれない量だ。スープの味は濃いめか。ニンニクの味も強く感じる。ニンニク抜きを申し出るように書いてはあるが,ニンニクを抜くとあっさりしてしまう気もする。麺はやや太めの黄色い縮れ麺。固めにしたので食べやすかった。厚めのチャーシューもいい。なるほど,よく県南地区の話題になるだけのことはある。ラーメンショップでいいなと思ったのは久しぶりだ。
この店は,カウンターに置いた小銭のケースから客がお釣りを自分でとっていくシステムである。店の人はお金に触らないので合理的かも知れない。ただ,注文時も会計時もにこりともせず答えるパーマの小柄なお兄ちゃん(店主?)には抵抗があった。「あぁん?」という感じで応対するのだ。僕はこれでもけっこう腰が低い方なのである。横柄に注文したりはしない。そこそこ売れてるなら愛想なんていらないとでも思っているのだろうか?( 1999.7.11=「食べ歩き日記」 )
■ 巨大ラーメンショップ17(セブンィーン)@伊奈町 =カメさんのレポート[どんぶり会議・99/09/14]