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 こうや@矢口渡 : 大田区多摩川 1-2-5 1 月休 11〜20:30 TEL03-3757-0911

環八通り沿い・第二京浜から蒲田方面に曲がって2つ目の信号の先
駐車場無し・みんな前の道路に止めている
参考資料>「家系ラーメン」とは

「こうや」を初めて知ったのは1994年頃,昼のTV番組の環八通り沿いのラーメン店を紹介する中でである。「キャベツが結構このラーメンには合いますね」と木之元亮(だったと思う)が感想を言ったのが印象的だった。程なく食べに行く。しかし,その日も連食で4食目くらいのラーメンだったので義務のように食べ始める。ところが「おっ」。うまいのである。今でこそ東京にも多い家系ラーメン(※)だが(水戸にもある),おそらくそれまで15年以上の食べ歩きの中でこの種のラーメンを食べたのは初めてだったんだと思う。とんこつしょうゆの濃厚スープなのだが,表面に鶏油がまくを張って独特の甘みがある。麺は太麺,スープを吸い込んで味が出る。このスープのくどさが,軽く茹でたキャベツに緩和されて丁度いい味になるのである。腹は一杯なのに食べたいと思った貴重なラーメンである。残すことができなくて食べきったのである。この味が舌に残り,後日再食して旨さを再確認し,わが家の一番のお気に入りラーメンとなったのである。この店はあまりマスコミに出てない。私の知る限りでは,最近石神氏の「ラーメン王」に載ったのが唯一の情報である。

コの字型のカウンター(15席くらい)だけの店に,職人が3人,パートの女性が2人。各々の動きに無駄が無く気持ちいいくらいに店が回転している。注文はあらかじめ早めに聞かれ,たとえ満席でも,そしてわが家のように4人家族でも,へんに待たされることはない。効率よく数をまとめ,程良くラーメンをつくっていく。どんぶりを並べても一つ一つへの鶏油の配分には神経を使っているようで,細かく振り分けている。また麺も大盛・中盛の場合などは最初の一玉は先にあげ,後の残りを少しあとからあげてのせるという細かさである。これで実際にどれほど違うのかわからないが,少なくとも10位のラーメンを一度に作るのにこの細かい麺あげを常に繰り返している,その繊細さを評価したい。事実,大盛・中盛を頼んでも,最後には麺がふやけ気味になったという経験はないのである。そしてやはりキャベツラーメン(700円)がおすすめ。ここのスープの濃さ(マイルドさ)には,キャベツのさっぱりさが必要不可欠なのである。

2002年1月6日

ここは中央の調理場をぐるりと囲むカウンターのみの店なのだが,13:30入店でそのカウンターをさらに囲むように20人ほどの待ち客が。ずいぶん長いこと通っているがこんなのは初めてである。キャベツラーメン・中盛(800円)を3杯に半ライス(100円・お新香付き)をつける。慣れもあるのだろうが,ここのスープにも麺にも不満はない。家系本流のワイルドさはないが,マイルドながら濃厚なスープにキャベツの甘味がベストマッチング。家族4人黙々とラーメンを平らげる。満足。ところで,この店もかなり長いこと通っているが,店主以外の男性はずいぶんと変わった(独立した?)ものの,おばちゃん達は不動。にぎやかなおばちゃんと,貫禄あるおばちゃん,そしておとなしい感じの細身の女性。その「貫禄ある」おばちゃんに下の娘が会計の後で「大きくなったね」と頭をなでられた。考えてみれば,その7才になる下の娘が生まれる前から通っているのである。しかも「茨城」から。もちろん店の人はそこまでは知らないだろうが・・・。3年前にこのHPを開設以来,当初に比べると「吉村家@横浜」を初めとして「家系ラーメン」の経験値もずいぶん上がったが,たぶん「家系」としては亜流であるこの店が我が家の場合一番安心して食べられることは今も変わりないようだ。さすがに以前のように毎週のように来ることはなくなったが,妻から節目節目にここの「キャベツラーメン」のリクエストが出ることは変わらないだろう。店を出る時もカウンターをぐるりと囲む20人ほどの行列は変わらなかった。

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「家系ラーメン」・・・ラーメンショップ店から独立した横浜・吉村家を起源とするとんこつしょうゆラーメン。その弟子・孫弟子が順次開店し,店が増え続けている。特に神奈川県内に多い。店名に「家」の字がつくことが多く,最近になって「家系」という呼び方で総称されるようになる。ラーメン博物館の「六角家」が有名だが,「介一家」「近藤家」等も有名。家系であることに特に決まりがあるわけでもないようで,家がつくから「家系」ラーメンを出すということでもないようである。「まずい店はどうせすぐつぶれるから」というのが吉村氏の考えらしい。そもそもこの「こうや」が正統な「家系」ラーメンなのかもよくわからない。


「お気に入りのこうや(矢口渡)なのだが・・・」

さてそのキャベツラーメンを今年初めて食べた。いつも通り「最初のひと口目のの喜び」を期待していた。しかし,私の印象としては今日のスープは濃さ(マイルドさ)が足りないなと感じたのである。ところが,妻は「濃かった,臭いが鼻についた」という(おろしショウガ入れたらよくなったとも言っていた)。どちらもこの5年間ここのキャベツラーメンを繰り返し食べてきている。なのにこの評価の違いはなんだろう。うまいラーメンであり続けることのむずかしさ,そしてラーメンの味を言葉にすることのむずかしさを感じたのである。(1999.4.18)

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