● 東京23区の「宿題のラーメン」/な・は
「23区・提出済みラーメン/な・は」 (食べてみた店) 1999/04/01〜2003/12/31現在
※営業時間等のデータは食べた当時のものです・ネット検索等で確認されるようお願いします
■ 長浜食堂@新井薬師 : 中野区松が丘2-2-13 無休 11:30〜15/17〜翌1
■ 二天@池袋:豊島区南池袋3-14-12 月休 11:30〜14:30/17:30〜21:30(日11:30〜16)
■ にゃがにゃが亭@一之江 : 江戸川区一之江2-5-4 無休 17:30〜翌3(土日祝12〜)<とんこつ醤油>
■ 婆婆@高田馬場:新宿区西早稲田3-28-8 無休 11:30〜23(日〜21)<神戸>
■ 博多市場@渋谷:渋谷区道玄坂1-19-10 日休 11〜15/17〜翌3
■ バクエン@中野:中野区中野5-54-5 水休 11〜売切終了
■ 白山ラーメン@千石 : 文京区白山4-37-26 日祝休 21〜翌4 <背脂>
■ ばさらか@原宿:渋谷区神宮前4-29-7 無休 11:30〜23 <03-3470-4566>
■ めん屋 八蔵@幡ヶ谷:渋谷区幡ヶ谷3-11-9 月休 11:30〜14/17〜21:30
■ 華悟空@綾瀬:足立区綾瀬4-6-1 火休 11:30〜14(日祝〜15)/18〜22 <03-3629-875
■ はな火屋@新宿 :新宿区西新宿7-8-6 日休 11〜14/17〜23 <醤油>
■ はやし家@大久保:新宿区百人町1-22-4 日休 11〜15:30
■ 波里@三軒茶屋 : 世田谷区上馬2-25 日休 18〜翌4 <醤油>
■ 支那そば晴弘@門前仲町 : 江東区富岡1-21-9 月休 11:30〜14:30(土日祝〜15)/17〜23(日祝〜22)
■ はるばるてい@経堂 : 世田谷区経堂2-15-15 火水休 12〜15/17〜20:30 <醤油>
■ ばんかららーめん@池袋 : 豊島区南池袋1-17-3 無休 11〜翌1(日祝〜23) <背脂>
■ 元祖尾道ラーメン萬友@恵比寿 : 渋谷区広尾1-16-2 日休 11〜16/17〜翌1(祝〜23)<尾道系>■ らーめん 耀(ひかる)@石神井 : 練馬区石神井町4-1-9 日休 11:30〜14:30/18〜24 <背脂>
■ 秀@赤坂:港区赤坂2-17-58 日休 12〜23(売切終了) <03-5545-9488>
■ らあめん英@経堂:世田谷区経堂2-8-7 不定休 11:30〜15/17〜24(土日祝11:30〜24))
■ 支那そば英屋@多摩川園 : 大田区田園調布1-8-2 火休 11:30〜15/17〜21 <醤油>
■ 一○(ひとつまる)@大森:大田区山王2-2-7 無休 11〜翌1
■ 日の出食堂@杉並:杉並区本天沼1-18-13 月休 11:30〜15/18〜翌2
■ 日向屋@千歳船橋 : 世田谷区砧2-15-10 月休 19〜翌2 <宮崎>■ 梟(ふくろう)@銀座:中央区銀座2-11-12 無休 11〜23:30(土日祝〜23)<03-3541-6558>
■ 武骨@御徒町:台東区上野6-7-3 無休 11:30〜21<03-3834-6528>
■ ぶしょう屋@池袋 : 豊島区西池袋3-31-7 日休 11〜22 <醤油>
■ 不二子軒@千駄木 : 文京区千駄木3-33-12-101 不定休 19〜翌3
■ 船見坂@銀座:中央区銀座2-12-11 無休 11〜翌4(土日〜21)<03-5565-5541><函館>■ べらんめえ@蒲田 : 大田区蒲田5-43-9 日祝休 11:30〜15/17〜翌2 <背脂>
■ べんてん@高田馬場 : 豊島区高田3-10-21 日休 11〜17(麺切れ終了) <醤油・つけそば>■ ぽっぽっ屋@小伝馬町 : 中央区日本橋小伝馬町16-12 日祝休 11〜14:30/17〜21(土・昼のみ)
■ ぽっぽっ屋@晴海:中央区晴海1-8-15 晴海トリトン3F 無休 〜15/17〜 <03-5144-8259>
■ ぽっぽっ屋@中野新橋:中野区本町5-4-1当面無休 11:30〜14:30/17:30〜23(売切終了)◆ 23区INDEXに戻る
◆ 今まで食べてみた店は「どんぶりリスト」参照
☆「宿題の残りのラーメン」
■ 長浜食堂@新井薬師 :中野区松が丘2-2-13 無休 11:30〜15/17〜翌1
>「東京の博多ラーメン」へ
■ にゃがにゃが亭@一之江 : 江戸川区一之江2-5-4 無休 17:30〜翌3(土日祝12〜) <とんこつ醤油>
環七沿いの店。日曜の午後11時半をまわっているのに,店内ほぼ満席。この店は,深夜営業の店にありがちな「雑な雰囲気+お兄ちゃん店員」というのがなくて,脱サラしたような顔つきの店員さんがそろっている,こぎれいな店だ。つまり真面目な雰囲気。紳士的に和気あいあいと作っている。入口外に,申し訳程度に小さなテーブルが置かれているものの,基本的にカウンターの店。「らうめん・650円」の食券を左側の食券機で買い,右奥の席に座る。調理場の人を見上げるような感じになる。すぐ目の前で麺茹で(タイマーで時間を測っている)・盛り付け(チャシュー・茹でモヤシ・メンマ)をしているのだが,左奥からぐるっとまわって運ばれてきた。スープは基本的に鮮やかな「トンコツ醤油」の色。でも,軽く背脂が浮いている。さらっとしているものの「うま味」を強く感じる。はっきりした味だ。それに細めの縮れ麺。固めで,最初平凡な麺かなと思ったが,のびにくいようで,結局最後まで固めだった。印象がよくなる。この日4杯目だったが,らくに食べられた。特筆すべきは,自家製キムチが,どんぶりに山盛りになってカウンターの上に置かれていること。けっこうしっかり漬けたキムチで,なんと「食べ放題」。小皿もあるので2〜3回おかわりをしてしまった。スープにいれれば味の変化も楽しめる。もうひとつの看板メニュー「みそらうめん・800円」は平打ち太麺という。今度はそちらも試してみたい。そう感じさせる,意外に「真面目な」深夜のラーメン店である。(1999.10.24)
■ 二天@池袋:豊島区南池袋3-14-12 月休 11:30〜14:30/17:30〜21:30(日11:30〜16)
● 2002年10月27日(日)
日曜は通し営業というこの店,前回はそれを知らずに夜の部開店時(17:30)に来て見事にふられているので,早めに来る,午後3時ではまだやっていた。豚天は「揚げたて&厚め」はうれしいのだが,熱い上になかなか噛みきれなくて苦労した。スープは魚系豚骨で,今の時代では取り立てて新鮮味はない。武蔵系という「売り」がなければ,すぐに話題になるような系統の店ではないとも思う。東京の新店としてはよくあるタイプだ。ストレート麺は固めのしっかりしたタイプだが,これも今の人気店にはよくあるタイプ。結局特徴は「豚天」と「武蔵系」と言うことになるが,一度食べればだいたいわかってしまうから,武蔵ほどには話題が続かないのではないか。具はあとはメンマと刻みネギだけだから750円と言う値段を考えると高い気もする。いっそ普通のチャーシューで値段を抑えてはとも思うが,そうなると何の特徴もなくなってしまうし・・・。
■ 婆婆@高田馬場:新宿区西早稲田3-28-8 無休 11:30〜23(日〜21)<神戸>
> 「東京のご当地ラーメン」へ
■ バクエン@中野:中野区中野5-54-5 水休 11〜売切終了<03-3388-9700>
●2003年1月18日(日)
「青葉@中野」のホント目と鼻の先にある。中野ブロードウェイの一本東側の狭い通りで,ほんの少し前まではなんてことのない商店街だった場所。「青葉」以降そこそこ話題になるようなラーメン店がいくつかできて,今やまさに「ラーメン激戦区」と言った趣がある。もちろんそこに敢えて出店したのは宣伝的な要素(=ラーメン好きの目にとまりやすい)が大なのだろうが・・・。青葉からの連食だったのでけっこう満腹だったのだが,一度通り過ぎてから意を決してこの店へ(笑)。木製の引き戸に『貘苑』と書かれた黄色い暖簾。奥深い店内は白木のカウンターのみの落ち着いた雰囲気。意外にも先客は一組だった。基本となるらーめん(650円)を注文。もはや東京のスタンダードとでも言うべきトンコツ+魚系のWスープ系のスープで,さらに焼きアゴを使用しているので一種独特の風味がある。表面に油と黒胡椒が浮き,丼の縁に節粉がつくようなタイプなので,無化調ながらインパクトが強い味付け。麺は固めのストレート細麺。「魚系のダシ」が入っているというが,スープの印象が強く,その差は僕にはちょっとわからなかった。具は煎りゴマ・青みに赤いクコの実。ほぐれる柔らかさの極太メンマとチャーシューが印象的。全体的に言うなら,今の流行のセオリー通りと言う麺とスープの基本線で,それに焼きアゴ等の個性を少々追加してみたと言うところか。ちなみにパンフレットや貼り紙には「豚のゲンコツ,脊髄,野菜などを煮込み1番寝かせたスープに焼きアゴ,煮干し,日高昆布などで,その朝取った和風スープをブレンドした醤油ラーメン。無化調。麺にも魚系のダシ」「豚のゲンコツ,上質な脊髄ベースに,焼きアゴ,にぼし,日高昆布・・・天然素材を活かしたこだわりの店。アッサリとして深みのある,和風スープのラーメン」等々と書いてあった。確かにその通りなのだが,今の東京で,ましてやこの中野ではなかなか個性が発揮できないのではと思ったのも確か。20年以上前からこの一帯の店の移り変わりを知っているだけに,もはや全国区となった「青葉」の近くで店を出す以上,青葉のアレンジ(発展型?)ではなく,青葉と全く違う方向を目指した方がよかったのではないだろうか。
■ 白山ラーメン@千石 : 文京区白山4-37-26 日祝休 21〜翌4 <背脂>
古い店だが,日祝休の店のため長年の「宿題」だった。片側4車線の広い白山通りにひときわ目立つ赤いネオンと人だかり。午前0時を過ぎているのに,若者が広い歩道の植え込みの低い敷石にずらっと腰を下ろして待っている。テーブルどころかカウンターもない,歩道に向かってむき出しの店。券売機もないから,どこでどう注文していいのか勝手がわからなかったのだが,助手のお兄さんに前金を払って食券(ナンバー入りの札)をもらう。あとは立って待つ。しばらくして一度にまとめて番号が機械的に呼ばれる。そういうシステム。病院の薬待ちみたいだ。プラスチック製の軽いどんぶりの上に割り箸を乗せて受け取るようになるので,必然的にどんぶりを片手に持って,割り箸を噛んで折ることになる。そして当然「立ち食い」。実に豪快。「屋台で食ってる」と言う感じになる。でも,不思議と恥ずかしくはない。ラーメンは700円。茹で玉子がまるごと1個浮いている。麺は屋台によくある平凡な細麺だが,スープは濃厚。背脂が浮いたこってりスープ。たしかに特徴はある。クセになるかもしれない。チャーシューもとろけるようにやわらかかった。でも,4〜5年前ならまだしも今の「ラーメン界」のレベルからいくと雑なこってり味に感じる。もう少し麺に個性があるとバランスがよかったかもしれない。立ち食いの列から離れて,少し離れた所にとめた車で待っていた妻のところへ行って「味見」をしてもらう。妻は「ふ〜ん」。妻も同意見のようだった。(1999.10.2)
■ ばさらか@原宿:渋谷区神宮前4-29-7 無休 11:30〜23 <03-3470-4566>
> 「東京の博多ラーメン」へ
■ 八蔵@幡ヶ谷:渋谷区幡ヶ谷3-11-9 月休 11:30〜14/17〜21:30
● 2003年2月16日(日)
甲州街道に並行して走る水道道路の,幡ヶ谷の商店街の路地を入ったところにある。元々「KUDO@幡ヶ谷」があった場所である。 つけ麺(小)600円を注文。麺の量はその小が140g,中が280gで大もあるようだ(360g?)。「普通男性は中盛」とすすめられたが,「ぽっぽっ屋@中野新橋」からの連食なので,それでも「小」を注文したわけだ。図体に似合わないからか,ちょっと怪訝そうな顔をされた(笑)。ここのスープの基本は動物系+和風ダシのブレンド(小鍋で温める)だが,つけ汁は辛酸味のある魚系の強いスープ。麺が変わった色&味だと思ったらレンコン麺だそうな。L字型カウンター8席のみの狭い店。レイアウトは記憶にあるKUDOのままだ。看板も幟もみな手作りと言った感じ。白いタオルを頭に巻いた若い店主の店で(たぶん),仕事も接客も一生懸命な感じで好感が持てる。中程度の大きさの五徳コンロで麺をゆでていた。そういう火力でも大丈夫な麺なのだろうか。
■ 華悟空@綾瀬:足立区綾瀬4-6-1 火休 11:30〜14(日祝〜15)/18〜22 <03-3629-875
● 2004年4月17日(日)
常磐線高架下の飲食街の端の方にあったのでずいぶん迷ってしまった。竜宮城のような入口にまず違和感が。店内も中華系の店にしてはガランとしていて,O字型半分だけのカウンター10席のみとシンプル。元々中華料理店だったのを改装したのだろうか?装飾も音楽も中華料理店の雰囲気なのだが,メニューは麺類だけ。食べたのは醤油ラーメン(650円)。節系和風でコクのあるスープ。チラシによると三陸サンマ干し・南部有機野菜・北陸のマイワシ干し・ 東北の奥州こくみ鶏など厳選素材で取ったスープだそうだ。丁寧な感じのするスープ。麺は固めで喉越しのいい縮れ麺。具はチャーシュー・海苔・メンマにカイワレ・エリンギ・赤いクコの実。後者2点はラーメンには珍しい具だが,このラーメンにはよく合っている。週刊誌の記事がガラス戸や店内にたくさん貼ってあったのだが,客がいないせいかかえって場所と同じく寂しい雰囲気になってしまっている。味はいいと思うんだけど店に活気が無い分,満足度が薄れてしまうのだ。場所が地味なのかなぁ・・・。
■ はな火屋@新宿 :新宿区西新宿7-8-6 日休 11〜14/17〜23 <醤油>
今やラーメンの激戦地,「小滝橋通り」沿いにあえて出店してきた店(1999年夏)。「ラーメン二郎」のある交差点の向かい側,三和銀行の角を入った路地にある。ビルの1階部分の店舗スペースの1画に艶なしの木製引き戸。白い提灯に木製の「らーめん」の看板,店内はこげ茶色の腰木に白い塗り壁と,和風のイメージで統一している。店に入ると「焦がしネギ」の甘い香り。そそられる。枠が木枠でトップがステンレスの渋いカウンター。醤油らーめんは600円(入り口脇に券売機)。「熱いです」と言って差し出されたそれは,縁の黒いしっかりしたどんぶりで,巨大な陶器製のレンゲがやたら目立つ。にごった醤油色のスープには黒い「焦がしネギ」が浮いてる。その甘味がスープに独特のコクと風味を出す。麺は固めの平麺。のど越しがいい。チャーシューは繊維ごとにほぐれていく逸品。茹でたモヤシがひと休みになりいい感じ。気に入った。ところでスープに浮いた「焦がしネギ」は,まるでゴミが浮いてるみたいに見える。「ごみラーメン」と言えば「永楽@大井町」が有名だが,新宿でも食べられるってことはいいことだ。そもそもこの店は「ちゃぶ屋@東尾久」出身と聞いている。そう言えば「ぶしょう屋@池袋」も同じようなタイプである。(00.02.11)
■ はやし家@大久保::新宿区百人町1-22-4 日休 11〜15:30
●2002年1月13日(祝)
日休で,しかも昼のみ営業のこの店,今まで何度かふられて今日初めて無事食べられた(笑)。小滝橋通りの路地を入ってすぐのところ。前面引き戸のみの外観は実に地味で,元々は立ち食いそば屋だったのかなと思えるほどのカウンターだけの狭い店内。調理場には中年夫婦とおばぁさんと言う組み合わせの3人が狭い中でせわしなく動いている。予想に反してさらっとしたスープだが,これは油っけが少ないからでダシはかなり濃い。つるつるすべすべの固めの麺は,中身がつまった感じでボリューム感大。それが思わずしりごみするほどどんぶりに山盛り。少な目もできるので(玉子メンマが増える)それにすればよかったと後悔することしきり。必死で食べた。でも少し残してしまった・・・。大盛りは4玉だから覚悟が必要だ。
■ 波里@三軒茶屋 : 世田谷区上馬2-25 日休 18〜翌4 <醤油>
R246の三軒茶屋の西側,環七「上馬」交差点からは渋谷側に折れてまもなくにある。「中里バス停」が目の前にあった。ビルの一階部分に,うどん店と居酒屋にはさまれるようにある。各々「和風」だが照明に凝った「今風」のつくりだ。木戸を横に開けて店内に入ると,高い天井に裸電球でライトアップされた高めのカウンター。色は「朱色」で,一人前ずつ木製の四角い「お盆」が置かれる。木と黒いパイプでデザインされた高めのパイプ椅子に座る。むき出しの壁にはジャズシンガーの絵(ヘタウマとでも言うべきか・・・)が一面に大きく描かれる。BGMはもちろんジャズ。和紙に達筆で書かれたメニューから「柳麺・750円」を注文する。無地の白くて丸い(少し小ぶり)どんぶりに盛られてきた。センスがいい。スープは薄い醤油色,うっすらと透明な油が浮かぶ。少し甘めか。壁に大きく化学調味料を使っていないと書いてあるだけに,すっきりとしていて後味はよい(と感じる?)。麺にはカンスイを使っていないそうだ。だから,白っぽいストレート麺。太目のそうめんのような歯ごたえだった。平ざるで麺をあげるのだが,通常どおり振ったあと,菜箸で麺を押さえさらに強く振る。湯がバシャっと落ちた。最初の振りだけでも十分そうだったのだが,けっこう湯は残っているものだ。丁寧な作業にへんに感心した。
ふと見るとカウンターにはプラスチックのケースに入れて,「無化調・無カンスイ」の薀蓄が書いたものが置かれてある。タレに完全無化調の醤油を使っているそうだ。一般の醤油の場合,化調が全体の2パーセント以下なら表示義務はないので,表示されていないから無化調とは限らないという。麺は,カンスイ(使えば黄色く発色する)のかわりに卵を使って「コシ」をつくり出したもの(コストが高くなるらしい)。なんか,急に「もの知り」になったみたい。まぁ単純に言えばすっきりした和風ラーメンである。だが奥は深い。ラーメンに対する思いと研究熱心さ十分に感じられる店である。会計のとき千円札を出したら,店長が両手を差し出して受け取った。そんなに客が偉いものとは思わないが,悪い気はしないものだ。そんな些細なことでも店の印象はけっこう変わってくるものなのである。(1999.9.15)
■ 支那そば晴弘@門前仲町 : 江東区富岡1-21-9 月休 11:30〜14:30(土〜15)/17〜23(日祝〜22)
三ツ目通り・木場5丁目から片側3車線の広い永代通りに入り,橋を渡ってすぐの広めの路地を北に入った所にある。茶色いビルの1階,赤い横長のテント看板に白い暖簾。店内は木調ですっきりとしている。左側にカウンターと調理場,右にテーブル(8人掛け2台,4人掛け1台)がT字型に並べられる。中央に何故か木製のベンチまである。ゆったりとした造りだ。その調理場に大杉蓮(北野映画に良く出てくる)似のやせた年配の店主が,口をへの字にして麺を茹でている。眼差しは真剣だ。湯切りも丁寧。その脇によく似た感じの長身の若い店員(息子ではないか),洗い場にはきりっとした感じのおばあちゃんがいる。フロアにはおかみさんと女の子(娘さん?お嫁さん?),誰もがおしゃべりもなく黙々と動いている。みな「江戸っ子」って言う風で「粋」な感じだ。家庭的な雰囲気のある店である。お客も年配の夫婦,家族連れが多い。注文した「支那そば・550円」は一言で言うなら「油っぽい支那そば」。悪い意味ではない。シコシコの縮れ細麺(固め)との相性が良くこってりしているけどすっきりしている。三つ葉と刻みネギでさっぱり感を増す。あと海苔に小ぶりのメンマもいい感じ。ただチャーシューは小さめ,チャーシューメンを頼めと言うことだろう。メニューも多種だが,基本となる支那そばがこのレベルなら何を頼んでも安心かも知れない。この手の店としては,「来集軒@浅草」に次いでお気に入りの店となりそうだ。(1999.9.5)
■ はるばるてい@経堂 : 世田谷区経堂2-15-15 火水休 12〜15/17〜20:30 <醤油>
「ラーメンマニア」vs「はるばるてい@経堂」
「最近若いお客さんが増えちゃってねぇ・・・」 ワンタンを持ち帰りで買いにきた近所のおばさんに店主が言う。矢沢永吉の影響を受け,そのまま年をとったような,どこかはすに構えた感じのする店主である。5時の夜の部開店に合わせて並んで運良く8番目,カウンター8席のみの狭い店なのである。ところが,最初の組で入店できたものの,15分過ぎても僕の麺はまだ茹で始めてもいない。1組目の若い4人のグループは,完全に「飲む」態勢。つまみ・ビール・カクテルと注文,店主がそれに追われる。右側の家庭用冷蔵庫は,カクテル用の紙パックのジュースでいっぱいである。しかし,急ぐ様子もない。海外旅行の話などしながら「楽しく」つくっている。2組目のカップルのオーダーは「コースで」,3組目若者は「裏メニュー」・・・どういうラーメン屋なんだろう。当然,外には行列ができている。もっとも,次の客は縁台に座り,キムチのキュウリ片手にビールを飲んでいるから,余裕である。しかし,そのあとの客はひたすら立ったままで中を見ている。
やっと,僕の支那そば・650円の麺が茹で始まる。1分くらいで麺をあげる。「早いなぁ・・・」。湯きりは軽く2回。スープをはったどんぶりに麺を入れてから客とおしゃべり。「のびないのかなぁ・・・」。やっと出てきたそれは麺が固め,というか茹でが足りない感じ。スープはきれいな醤油色。和風の味だがコクはある。ローストしたチャーシューは,やわらかいが噛み切るのに一苦労。それに,海苔と煮しめたようなメンマがのる。なんか,ほめてるのかどうかわからぬような書き方だが,本来,この店主は僕のようなラーメン「だけ」が目当ての客は嫌いなんだと思う。茹で時間・湯きり・スープのコク・・・わかったような顔してもっともらしいこと言われるのは,きっと嫌なんだろう。「楽しく飲んで,最後に支那そばも食べていって・・」そんな感じである。そうじゃなければ,延々と待ち続ける外の客のことをもう少し気にすると思うのだ。開店30分後,最初に店を出たのは「支那そば」だけを注文した8番目の僕だった。やっと1人の空き。立って待ってた人の順番ははるか先だと思う。批判しているわけではない。これはこれで正しいのだ。この店はこういう店なのである。ではラーメン好きはどうしたらいいか。答えはひとつ,気の合う仲間と「ラーメンを」ではなく「ラーメンも」食べるという気持ちで開店30分前に並び,好きなだけゆっくりと腰を落ち着ければいい。チラッチラッと中をのぞく待ち客の視線に絶える図太い神経が必要だが,店主が認めているんだからしょうがない。たぶん,支那そば一杯だけではこの店の本当のよさはわからないと思うのだ。そうまでして食べたくないという「ラーメンマニア」のあなたには「香麺」という汁無しそば「お持ち帰り」という手もあることを教えよう。中に声をかけてくれればいいそうだ。もっともそれだってすぐに作ってくれるかどうかはわからないが・・・(1999.9.26)
■ ばんかららーめん@池袋 : 豊島区南池袋1-17-3 無休 11〜翌1(日祝〜23) <背脂>
先日「無敵家@池袋」に行ったときに気になった店。西武書籍館入口前を通り,西武線改札に向かった奥にある。場所柄か若い客を意識した,屋台風の造り。むき出しの配管に「土壁」。店内は絶えずロックが流れ,クリアーな裸電球が多数つけられて異様に明るい。ビルの両端を貫く奥に細長い造りで,一直線のカウンターと奥にテーブル席が少々。日曜22:00でも満席だった。勝手に「とんこつ」専門店かと思っていたのだが,メニューは「しょうゆ(背脂)」と「とんこつ」の二本立て。入口の食券機で食券(ばんかららーめん・580円)を購入。柄手拭を頭に巻きそろいの作務衣に黒の前掛けをした若い店員が元気に運んできた。スープは背脂の溶けた厚い膜が張り,醤油味が濃い目で背脂の甘さもあってかなり甘目。ちょっとうんざりするくらい。細麺はやややわらかめ。それにバラ肉ロールチャーシュー(並みの大きさ)・メンマ・海苔。小ぶりの切立丼なので,量的には普通だろうが,とにかく「背脂」である。客層どおり,若者に的を絞った「こってり」ぶりなのだ。「とろみばんから(こちらは醤油色)・680円」「とんこつ・600円」と言うのもあった。角煮・万能ネギ・キクラゲが加わった「さんこいち・980円」なんてのも・・・。体調がいいときでないと僕にはなかなかこなせない「濃さ」である。連食の場合は避けるべきだ。(1999.12.5)
■ 秀@赤坂:港区赤坂2-17-58 日休 12〜23(売切終了) <03-5545-9488>
>「東京の博多ラーメン」へ
■ らあめん英@経堂:世田谷区経堂2-8-7 不定休 11:30〜23頃(スープ切れ終了)
>「東京の博多ラーメン」へ
■ 支那そば英屋@多摩川園 : 大田区田園調布1-8-2 火休 11:30〜15/17〜21 <醤油>
環八から中原街道に入り,多摩川を渡る丸子橋の手前右側にある。路上駐車は難しそうな所だ。若い夫婦の,壁も厨房のステンレスも本当にピカピカの,きれいな「ラーメン店」。店中をぐるぐる見渡しても汚れている所など見あたらなかった。閉店間際(20:45頃)だったので,若いきりっとした感じの店主が,一度落とした火をまた釜に入れた。妻と支那そば・600円を2杯注文。ほどなく運ばれたそれは,おしゃれなどんぶりのすっきりした見た目のもの。期待してスープをひとくち,??,イメージと違う。椎茸の香りだろうか「えぐい」感じがするのだ。奥が深いのかも知れないが,どうもすっきりしない。麺はかなり固めで,日本蕎麦のような歯ごたえ。チャ-シューは脂身のないところなのだが,かみ切るのに少し苦労した。ローストした本格的なものだと思うが,もう少し薄めにした方が,この場合ありがたい。全体として,妻はだいぶ不満だったようだ。水ばかり何度も飲んでいた。ひとつひとつの材料にこだわって作っているのだろうという事は,店主の風貌,完璧に清潔な店内から充分に想像できる。でも何かバランスが悪いのだ。スープや麺,チャーシューに,それぞれこだわりと理論があると思うのだが・・・。今日の出来だけの問題なのかも知れない。僕の味覚が追いついてないのかも知れない。いずれにせよ,結論は保留だ。再度チャレンジしてみたい。(1999.9.12)
■ 一○(ひとつまる)@大森:大田区山王2-2-7 無休 11〜翌1
大森駅西口の商店街の坂の途中にあるこの店,縦に「一○」とロゴ風にデザインされた看板や赤い壁に洒落た引き戸,看板に描かれた『おいしさまとめてひとつまる・素材丸々無添加麺舗』と言うキャッチフレーズ等々,充分に今風の店なのだが,店前にラーメンとセット物のろう細工の見本がずらっと並んでいるのがなんかアンバランス。ラーメンにこだわって開店したけど,現実に負けてご飯物も増やしていったという感じだ。道から一段高い店内もそう。定食類が豊富で「しょうが焼き」「カルビ焼き」「スタミナ」「レバニラ」・・・こう書くとまるで中華食堂系の店をイメージするかもしれないが,店内はかなり洒落ているのだ。奥深いと思った奥の壁は全面鏡張り。ナチュラル色のカウンターやテーブルにデザインされたカフェバーのような椅子が並んでいる。そのへんもアンバランス。ホットコーヒー飲み放題のようで,コーヒー好きの妻はちょっと喜ぶ。さっそく一杯。さて肝心のラーメンだが,基本となる「一○(ひとつまる)ラーメン」は600円で「豚骨」or「鶏骨」を選べるのが面白い。豚骨は白濁スープと思いきや,どちらもトンコツ醤油という色合いで見た目はほとんど変わらない。運ばれてきてから確かめてしまったくらいだ。「鶏骨」の方は鶏油の味でまぁ分かるが「こってり」と「あっさり」と単純に分けられるような差はない。どちらも濃厚な感じ。麺は固めの縮れ麺。具はキクラゲ・揚げネギ・万能ネギ。あとチャーシュー(味の印象がないと思ったら娘達に全部あげていたのだ)。これに「蔵マヨ丼」と「キムチチャーハン」を組み合わせてセットで850円。プラス250円でこのメニューはありがたい。ただし量的には充分なものの,キムチチャーハンはキムチの辛さがご飯の甘味と中和されて中途半端な感じになってしまったのが残念。でも家族でいろいろ食べられて満足。結局,ラーメン一品ばかりにこだわるわけではない大多数の一般の人(ラーメンマニア以外の人)からすれば,この手の店のメニュー構成はいつ来てもいいから便利だと思う。家族連れにもおすすめである。
■ らーめん耀(ひかる)@石神井 : 練馬区石神井町4-1-9 日休 11:30〜14:30/18〜24 <背脂>
西武池袋線・石神井公園駅北側を走る「富士街道」沿いにある。街道といっても店の前あたりは狭い。普通の道である。一方店はけっこう広い。ちょっとした洋品店でもできそうな広さ。カウンターだけだがゆったりとしている。店主はカラーパーマの「お兄ちゃん風」。でも「仕事中」はきびきびしている。ラーメン・600円は細かい背脂が浮いたもの。醤油色は薄い。ほとんど塩味。それに背脂の甘味がよく合う。麺は僕の好みからすると少しやわらかめか。具は,ほぐれるようにやわらかいチャーシュー,あとメンマ(やたら量が多かった),海苔2枚(小さめ)。若い(と思う)店主は,僕のラーメンを作ったあとは,馴染みの若い客と「兄貴」のように世間話をしていた。客の方が敬語を使っている。その雰囲気は,居酒屋の店員みたいでこころもとない。が,意外にきっちりした正統派「背脂」ラーメンをつくる店である。石神井まで来た甲斐はあったかもしれない。(1999.9.15)
■ 日の出食堂@杉並:杉並区本天沼1-18-13 月休 11:30〜15/18〜翌2 <03-5382-5371>
●2003年6月8日(日)
早稲田通り沿いにあるこの店,駅から離れているせいもあってか,日曜の夜では周囲は暗くかなり静か。カウンターのみの落ち着いた黒基調の広い店内は,薄暗い照明がちょっと大人の雰囲気。日の出式ラーメン(600円)がメイン。基本がとんこつスープと魚介だしのWスープ系で,好みで「こってり」か「あっさり」を選ぶことになる。「とんこつスープのコクを楽しむ」なら魚介系の風味+背脂の「コッテリ」で,「魚介ダシの風味を楽しみたい」なら背脂を抜いた「あっさり」と言うことになる。「コッテリ」注文。背脂が浮いた茶濁スープは濁り加減が家系のそれ。それに細かい背脂が浮いている訳だから見た目は完全に「背脂ラーメン」。元々コクのあるスープなのだが,なんとそれに山芋の薄いスライスが浮かんでいるので,スープに独特の粘りが出て実に画期的。スープがマイルドな感じになるのだ。食べてもサクッと美味しいからもっと欲しいくらいだ。麺は結構固めだが、このスープには合っていると思う。具はバラロールチャーシュー1枚。『首都圏ほんとにうまいラーメン店300軒(2003年版)』(成美堂)の巻頭特集に掲載されていてなんとなく選んだ店なのだが,山芋一枚でけっこう気に入ってしまった(笑)。
■ 日向屋@千歳船橋 > 「東京のご当地ラーメン」へ (1999.9.26)
■ 梟(ふくろう)@銀座:中央区銀座2-11-12 無休 11〜23:30(土日祝〜23)<03-3541-6558>
●2002年7月14日(日)
2002年4月開店。「船見坂」とは交差点を挟んで昭和通りの反対側と言う位置関係。セメント生地の外壁のしゃれた外観。「梟」一字の黒い看板をスポットライトで浮かび上がらせ,傍らには「自家製麺使用」の木の看板も。・・・「銀座」という感じだ(店単体を正面から見ればだが)。つけめん(680円)を注文(券売機)。味噌のような見た目の動物系&魚介だしのつけ汁。固めの麺は平麺で,乾き気味だからほぐれが若干悪い印象。具はメンマに半熟味玉。細く切った長ネギに細かいチャーシュー。手がかかっている印象だ。薬味として白ゴマのかかったトウバンジャンのモミジおろし。ショウガもつく。逆J字の木製カウンターを見おろすような調理場が右に。動きがきびきびしていて感じがいい。落ち着いた雰囲気のしゃれた店。メニューも豊富な感じだし,穴場的な店であまり混んでいなかったから,家族でまた来てもいいなと思った。
■ 武骨@御徒町:台東区上野6-7-3 無休 11:30〜21<03-3834-6528>
●2004年1月25日(日)
あの「武蔵@新宿」の新たなる支店展開。先に開店した「二天@池袋」と同じく,単なる味の継承ではなく,新たなスタイルを提供するのが武蔵系の特徴のようで,雑誌等によるとこの店のスープはなんと『黒』。ちょっとそそられたものの,開店当初は当然混むだろうなとすぐに行く気もおきなかった。が,今月初めに「いなせや」に向かった時に,偶然,この店の場所を確認。その時も店を囲むように行列だったので,今日は空いていそうな時間を狙って(普通の店なら行列はないはずの)午後4半過ぎに行ったのだが・・・外に10人,中に5人の待ち客(汗)。まぁそう言う場合も織り込み済みだったので素直に並ぶ。御徒町の山手線の東側の狭い商店街なので人通りが多く,「何の行列?」と言う好奇の目に晒されながら30分ほどで入店。食券は共通で渡すときに黒(こってり)赤(辛い)白(あっさり)を告げる。もちろん『黒』をオーダー。「黒いスープ」の意味はもちろんイカスミ油。スープを足してももわっと浮いて見事に真っ黒。それに鮮やかなタレの色のとろとろの太肉が乗る。基本的にはトンコツ+魚系のようだが,イカスミ油に背脂も含まれるのでこってりと重みがあって好印象(好みの問題かも知れないが・・・)。細く切ったキクラゲとメンマ。麺はつけ麺に使うような太麺で湯切りの仕方が独特。ちょっと固めでもう少しゆでて欲しいところだが,とにかく見ても食べても楽しい。700円と言うそれなりの値段だが,それに十分見合った満足感がある。納得。最近の新店は素材の質や組み合わせの差だけではなかなか新鮮なインパクトが得られないが,ここの『黒』はいい狙いだと思う。また食べてみたいし,ラーメン好きにも紹介したくなる個性を持っている。外に出ると行列は20人ほどになっていた。結果的には並ぶのにいい時間だったかもしれない。家族で来てみたいが,カウンターのみでしかも途中が柱で分断されている(つまり入口が2カ所ある)構造なので,2人以上は並んで座るのは難しいだろう。
■ ぶしょう屋@池袋 : 豊島区西池袋3-31-7 日休 11〜22 <醤油>
立教に向かう道の手前の角地にある。入口上に『柳麺』と大きく書かれた看板。入口には黄色いのれん。狭い店だ。打ちっ放しの壁(壁紙だが)にステンレスの止まり木のついた,黒い高めのカウンター(8席)のみ。店内にはイーグルスの曲が流れ,壁のメニューのボードには「ホテルカリフォルニア」のジャケットが挟まれている。店主は洋食のコック風。あとバイトの女のコ。メニューはすべて漢字。「柳麺」「葱焼豚麺」と言った感じ。醤油と味噌がある(枠外に塩もあった)。ちょっと見ていたら女の子が読み上げてくれた。読めないとでも思ったのかな。柳麺を注文。黒いしっかりしたどんぶり。薄い醤油色のスープに,黒い焦がしネギが多量に浮いている。香草などを炒めてつくったそうだ。麺は平麺で固め。食べやすい。縁にしっかり焦げ色のついた肩ロースチャーシューも美味。茹でモヤシがかなり多い。これは余計かな。あと,木のレンゲちょっと興ざめだが,全体的にはきれいにまとまったしゃれたラーメンである。いい感じだ。立教あたりの女子大生でも抵抗なく入れる雰囲気の今風の店である。「ちゃぶ屋@東尾久」や「はな火屋@西新宿」でも同系統のラーメンを食べられる。(1999.12.23)
■ 不二子軒@千駄木 : 文京区千駄木3-33-12-101 不定休 19〜翌3
\日曜の深夜に営業している店ってのはありそうでなかなかない。そんな中のひとつ。建物のはじっこの間口の狭いスペースを無理矢理ラーメン店にしたような店である。店内は屋台風。ごちゃごちゃした安い実用的装飾品(裸電球・よしず・すだれ・・・)でいっぱいだ。奥に続くカウンターはいかにも手作り。その中からむくっとおばあさんが出てきた。「いらっしゃぃ」。調理場の隅に座っていたようだ。無理もない。もう12時をまわっている。若い店主の新しい店と聞いているから,店主の母上だろうか。ラーメン・600円を注文。はっきりした醤油味に分離した背脂,固めの麺にモヤシとメンマ・海苔,ほぐれるチャーシューとけっこう丁寧に作られたラーメンである。タレをどんぶりに入れるとき,慎重にその量を量っていたのが印象的だった。店そのものはかなり古いが装飾品は新しい。いくつもぶらさがった裸電球が,不思議な雰囲気をつくりだしている。店内に流れるラジオの音以外に何も音がしない。この日6杯目のラーメンを淡々と食べきることが出来た。(1999.9.5)
■ 船見坂@銀座 > 「東京のご当地ラーメン」へ
■ べらんめえ@蒲田 : 大田区蒲田5-43-9 日祝休 11:30〜15/17〜翌2 <背脂>
土曜の深夜,蒲田の駅近く,タクシーは多いががらんとしている。2車線分くらいの広い歩道の向こうに,ライトに照らし出された「らーめん」の赤い看板。その下に黒地に黄色で「べらんめぇ」。字は素人っぽい。柱も窓枠も赤いからすごく目立つ店だ。店内はコンクリート打ちっぱなしの壁・梁に赤く高いカウンターが右から奥へと続く。ラーメン屋にしては無機的な感じのする店である。醤油らーめん・600円を注文する。無地の白いかなり大きなどんぶりで出てきた。でも量はその半分くらい。背脂が溶けた醤油色。味は濃い。タレというよりスープそのものが濃いという感じだ。深い味(肉の味)。固めのストレート麺(細麺)は歯切れがよく気持ちいい。チャーシューは脂身のすくないほぐれるようなやわらかさ。全体としてバランスのいいラーメンだ。閉店間際(午前1時半過ぎ)だったが,けっこうにぎわっていた。壁には「満州ラーメン」というメニュー。ぶつ切りチャーシュー麺というのも。このチャーシューならいいかもしれない。帰ってしみじみ思い出すと,なぜかあとを引く「気になるラーメン店」である。(1999.10.2)
■ べんてん@高田馬場 : 豊島区高田3-10-21 日休 11〜17(麺切れ終了) <醤油・つけそば>
神田川沿いにある。祝日の午後2時,12,3人の行列が店からあふれていた。角地の店(入口が角に面している)で,店自体はかなり古い。「神田川」という昔の唄に出てきそうな店だ。少しドブのにおいが漂ってくる。白い長めののれんは切れてボロボロ,入口のサッシだけが新しかった。店内も雑然としている。正面の厨房をカウンターがぐるりと囲むのだが,壁は油で汚れ,雑誌も散乱している。一昔前の学生街の定食屋風である。「それがどうした」とでも言うかのように,眼鏡をかけた体格のいい店主が不機嫌そうに動いている。40才前後か。こういう店主の場合,注文のタイミングはむずかしい。待つことしばし,店主が手を僕にちょんと向ける。これがこの店の注文のタイミングか。つけめん700円を注文する。木箱から出した太めのストレート麺を店主が無雑作に茹で釜に放り込む。かなり量が多い。茹で上がれば反対側の流しで水にさらす。雑なようだがしっかりぬるみはとれていた。どんぶり一杯に盛られた麺は,全然くっつくことなく最後までつるつるだったのである。つけ汁はひとまわり小さなどんぶりだが,細切りのチャーシュー,メンマ,刻みネギと具だくさんという印象。濁ったしょう油色,味は濃いがこれがツルツルの麺に良く合う。空腹のせいもあったかもしれないが,あっという間に食べきってしまった。とにかくのどごしのいい麺なのだ。頼めば残ったつけ汁にスープを足してくれるようだが,ひとくちひとくち味わっているうちに飲みきってしまった。大盛りは暴力的な量で出てくるらしいが,今日の僕なら食べられたかもしれない。普通の店の大盛り分くらいの量を,休みなしで食べ切れたからである。ここのつけめんは,僕の20年以上の食べ歩きの中で,一番感動したつけめんである。是非,ラーメンも食べてみたいのだが,次も「つけめん」になる可能性が高い。(1999.9.15)
>「どんぶり会議」の「べんてん評」:[聖さん・99/9/25〜]
■ ぽっぽっ屋@小伝馬町 : 中央区日本橋小伝馬町16-12 日祝休 11〜14:30/17〜21(土・昼のみ)
奥に続くカウンターのみの店。周囲には何の店もないビルの谷間の店だが,席は満席。ラーメンとつけ麺の食券を買って待つ。この店は僕のお気に入り「二郎@堀切」の出身と聞いているが,まさにその麺は「根性入りのボリボリ麺」。これはわかっていなければ理解しがたい「固さ」だ。隣のサラリーマン風の年配の男性の箸が宙を泳いでいた。妻もそう。「えーっ」と言う感じ。ただそれでも一応食べててしまうのがわが妻の感心するところだ。僕的には「堀切」くらいの固さが限度かな・・・。「二郎」好きの人はこれも許容範囲なのかしら?いずれにせよ「気合い」が必要なラーメンである。何度か通えばクセになるのかもしれない。(00/09/22)
■ ぽっぽっ屋@晴海:中央区晴海1-8-15 晴海トリトン3F 無休 11〜15/17〜23 <03-5144-8259>
● 2002年3月31日(日)
晴海の国際見本市会場でモーターショーとか開催されている頃は年に何回か催し物がある度にかちどき橋をわたってこの一帯に来たものだが,幕張メッセやお台場ができてからは滅多に来なくなった。その晴海通り,晴海3丁目交差点北側の一帯に新しくできたビジネス&ショッピング&住居の複合施設『晴海トリトン』。その商業部分の一角,3Fの書店の奥にこの店ができた。「ぽっぽっ屋@小伝馬町」支店である。「二郎@堀切」系と言うことになろうか。無着色のトタン板の外壁に赤いのれん。赤い扉には「ほっぺがぽっ湯気がぽっもちもち麺でおなかがぽっ」の文字。いわゆるパシオ系の外装だ。三角形の店内は極端に狭く,カウンター4+5席で,あとは4人テーブル一つのみ。メニューはらーめん700円・つけらーめん750円・ちゃーしゅーめん850円で大盛り100円増しと言う構成。「トロリ杏仁豆腐・250円」と「黒ごま豆乳プリン・250円」と言う,女性ならそそられるメニューもあるがこれは夜のみの模様。二郎系らしく,麺の固め柔らかめ,タマネギの多め少なめに応じてくれる。つけめんを注文。窓際のカウンター席で川を見下ろし,高層マンションを見上げながら食べるいつもの「極太麺」。至福の時だ。つけ汁はメンマ入りで,酸味がきき一味の浮いた甘めの背脂系。別皿でキャベツ・モヤシ・チャーシュー・キクラゲ入りの麺。量的には「二郎@堀切」あたりと比べるとやや少なめな感じ。でも「根性入りの極太麺」だからもちろん食べ甲斐がある。4月1日から「海の塩らーめん」(800円・夜限定)が始まるようだ。1階部分に大きな駐車場があるが(1時間400円),店で言えば1時間無料券をもらえる模様(食事金額の下限は不明)。日曜に家族で楽しめる「二郎」ができたことはとても喜ばしい。豊富なテナントや煉瓦造りの中庭で楽しむこともできるので家族連れには一石二鳥である。ちなみにこの日は連食になるので,妻子は同じフロアのコーヒーショップでケーキを食べていた。そう言う時間の使い方もできるのはありがたい。
●2002年7月07日(日)
久々に家族で上京。特に(ラーメン以外)目的があるわけではないのはいつも通り。「お店に行きたい」と言う娘達の単純な希望から,3月に行って気に入った『晴海トリトン』へ。アクセスが簡単(=周囲が混雑していない)で,クルマがとめられて,そしてお気に入りの「ラーメン」が食べられるところと言うことなのだ(笑)。全14席の狭いこの店,外が見下ろせる窓際のカウンター席に陣取り,ラーメン&つけ麺を組み合わせワイワイと食べる。妻子はこの店は初体験,極太麺&背脂たっぷり&ガツン系のここのラーメン,普通の家族なら面食らうところだが,「二郎@三田」も既に経験済みの娘達なので何の抵抗もない(笑)。「おいしい〜」と言いながら,ごく普通に食べていた。頼もしい限り。2500円以上の飲食で1時間の駐車無料券をもらえるので便利。
「晴海トリトン」の3階にあるこの店。狭い店なのだが窓際のカウンター席から見る夜景がとてもきれい。でもって出てくるラーメンはしっかり『二郎系』。根性ありの極太麺と格闘しながらちょっと優雅な気分になれる。そのアンバランスさに笑ってしまう。注文したのはらーめん(700円)とつけらーめん(750円)が2杯。僕はこの機会に初めて夜のみの「海の塩らーめん」(800円)を試す。たしかに塩ダレのスープは桜エビが浮くタイプ。麺はゴワゴワの極太麺だし(これはこれで正しいのだ),ほかの具(小振りなバラチャーシュー・モヤシ)も同じなだけに,エビ系の味が足された背脂スープはちょっと違和感がある。先週「いごっそう」の塩を食べただけに余計そう感じるのかも。僕の好みとしてはふつうに醤油でいいかなと感じた。娘が食べていたつけのスープも今日は薄く感じた。でも,仕上げに夜の部のみの杏仁豆腐をつければ妻と娘も満足。ラーメンに付加価値のつく,東京のちょっとしたオススメの店だ。>『拉麺徒然草2003』
■ ぽっぽっ屋@中野新橋:中野区本町5-4-1当面無休 11:30〜14:30/17:30〜23(売切終了)
● 2003年2月16日(日)
2003/2/5に開店したばかりの店。「ぽっぽっ屋@小伝馬町」の3店目の支店展開ということになる。歩道に並行したカウンター 8席のみの店内は,席の背後のスペースがほとんどなくやたら狭い。ラーメンは650円と二郎系としてはちょっと高め(つけめんは750円もする)。出来上がりの時にトッピングを指定する一般的な二郎スタイルと異なり,「注文の際」に指定する方式だ。その野菜は柔らか目。スープの味は濃いめ。お約束の極太麺は見事なくらい固め。ここも開化楼の麺のようだ(麺箱があった)。全体の量は二郎にしては少な目だが,連食にはちょうどいいかな(普通の人は連食でここに来ないだろうが・・・)。駐車スペースは全くない通りなので,クルマで近づく場合は注意が必要。中野近辺に二郎系はないだけに,この店の出店はありがたい。と言うか,ラーメン関係でこの中野新橋界隈に来たのは初めてだから,初めての有名店出現になるのかな。前回は来た時は8時半で売り切れだったので,夜の部は注意が必要(電話は<03-3381-5328>)だ。