GO HOME  BACK

『拉麺諸国漫遊完結!四国一周ラーメン巡礼』+『愛知万博弾丸ツアー』 
讃岐うどん・道後温泉・坂本龍馬,そして『愛・地球博』
 (坂出〜高松〜松山〜四万十川〜須崎〜高知〜徳島〜愛知)  
(2005/05/02〜05)

5月02日( 常磐〜東名〜名神〜山陽道をひた走り,いっきに四国へ
5月03日( がもう@坂出/はまんど@香川/瓢太@松山/松山分校@松山
5月04日( 橋本食堂@須崎/風珍@高知/川崎@高知/東大@徳島
5月05日( 愛知万博徹底攻略〜炎の弾丸ツアー
<TOP>
 序章:諸国漫遊完結の地,それは四国
考えてみれば僕のハンドルは『水戸黄麺』,もちろんそれは郷土一の有名人『水戸黄門さま』をもじったものなのだが,黄門さまと言えば『諸国漫遊』と言うのがお約束のエピソード(実際にはしていないそうだが・・・)。そして例年,5月の連休にとんでもない遠征をするのが恒例になっている我が家。助さん格さんならぬ家族を引き連れての家族旅行に,なんとか全国各地の有名ラーメンを絡めることに生き甲斐を感じている僕のやっていることはさしずめ『拉麺諸国漫遊』ではないかと思うわけだ。
ちなみにこれまでに出かけたのは, HP開設を記念しての1999年の初九州(→『西日本横断ラーメン強行軍』)に始まり,2000年の上州〜磐越横断(→『北関東〜磐越横断ラーメンツアー』),2001年の大阪〜北陸走破(→『USJ&関西のラーメン』)を経て,2002年にはついに北海道縦断&横断を達成し(→『北海道一周・縦横無尽のラーメン行脚」),その勢いで2003年の九州縦断(→『たった三連休で九州縦断&尾道ラーメン』),2004年の九州横断(『長崎から広島へ・平和を祈るラーメンの旅』)と重ねてきたわけで,日本列島の最北端から最南端,そして最西端を自走で制覇したことになる。3〜4連休と言う少ない日数で無茶な旅を続けてきたわけだ。でも改めて日本地図を眺めると,それでもぽっかり抜けているところがある。そうまだ四国だけが抜けていたのである。幕末好きの我が家(→水戸『天狗党』について考える)としては,一昨年,西郷さんの薩摩藩を旅の目的地とした以上,もう一方の幕末の英雄・坂本龍馬の高知・土佐藩にも是非行ってみたいところ。そして何よりも,今回,四国に行けば『諸国漫遊』をほぼ達成できることになるし・・・こういう名目ができた以上,行こうかではなく「行かねばなるまい」となるわけだ。
実を言うと今回の連休には,本当は「愛・地球博=愛知万博」へ行くことを元々の目的としていた。でもせっかくの3連休を名古屋だけで費やすのはもったいない・・・普通の人はそう言う発想はしないだろうが,そう考えてしまうのが今の我が家(僕&妻)の発想なのである。北海道も九州も自走で制覇して,完全に距離感が無くなっているのかもしれない。実際3〜4連休で最北端&最南端往復を自走で制覇してしまうと,3連休以上のまとまった休みさえあれば日本全国行けないところはないと思えてしまうのである。
今年も計画に利用したのは日本道路公団のHPの「ハイウェイナビゲータ」。日付と出発時間を入力すると,「走行距離」と「到着予想時間」を「渋滞予測データ」も含めて算出してくれる。そしてこれが意外とあてにるのはすでに去年一昨年で経験済み。日本道路公団の『ドライブカレンダー』にある「渋滞予測」(日付ごとに細かく出る)もチェックして大まかな予定を立てる。肝心なのは1日目。その日にどこまで行けるかでその後の展開が大きく変わってくる。出かけた次の日の朝にどこにいるか,限られた時間での旅の場合それがすべてなのである。もちろん旅の大きな目的は,少なくとも僕は『ラーメン』,関西〜四国の話題のラーメンをピックアップし,その営業時間や定休日を考慮した上でコースを考え,それに観光地(名所・観光施設・温泉)を効率よく絡めていく作業を,4月後半にせっせとインターネットを駆使して続けていた。もちろん時間はいつもギリギリ。走って食べて見てまた走るの繰り返し。休みの日は家でもしくは旅先でゆっくりしたいと考える人(それが普通だろうが)には到底思いつかないような過密な日程を作っていく。本当に可能なのか,出かける前はいつもドキドキしてしまうが,実はこの計画を立てている時が一番幸せだったりするのである(笑)。
<TOP>
 5月02日(月) 常磐〜東名〜名神〜山陽道をひた走り,いっきに四国へ
茨城〜東京〜名古屋〜大阪〜宝塚〜与島
連休の谷間の月曜日なので当然のことながら娘達の学校が普通にある。その帰宅を待って自宅を出発したのが午後3時50分。「また元気に帰ってくるぞ〜」とかけ声をかけながら,ちょうど4時にひたちなかインターから高速に乗り,長い旅が始まる。愛車エルグランドの2列目をフラットにし,3列目に座った娘達は足を伸ばしてくつろぎの姿勢。昨日コンビニで好きに買わせておいた4000円分のお菓子があるのでご機嫌だ。順調に常磐道を走って5時過ぎに都内に入ったものの首都高は例の如く渋滞。箱崎〜江戸橋辺りの渋滞を避け,葛西JCTから湾岸線経由で渋谷に向かう。もちろんレインボーブリッジあたりで渋滞にはなるのだが,景色的には映画のような東京湾岸の夕景を楽しめるからまだいいのだ。結局,都内で1時間ほどのロスとなったが,これは『想定の範囲内』。問題はその遙か先なのである。経験的に連休初日の早朝からの名古屋〜京都周辺の高速大渋滞わかっているので,その前に必ず神戸までは 通過しておかなければならないのだ。
到着時間を考えると途中のSAでで食事をしているヒマもない。夕食は慎ましく自宅から用意したおにぎりと鶏の唐揚げ。それを食べながら,ノンストップで東名をひた走り名神へ入る。静岡の渋滞が無かったのでホッとした。ここで活躍したのが自宅のPSXで作っておいたDVD。これを車載のPS2で見るのだが,音楽番組や「マスク」を見て家族で大いに盛り上がる。娘達が寝たあとは妻に『半落ち』を見せる。名神道は特に渋滞もなく,予定した宝塚ICを午前1時過ぎに無事通過した。ここまでは予定通り。初日に渋滞で予定が崩れることを一番心配していたからホッとした。妻と「半落ち」の映画評を戦わせながら(「介護」の部分についての突っ込みが甘いと言うのが一致した意見・痴呆をきれいに描きすぎて自分の妻を殺さなければならなかった必然性がどうにも伝わってこない等々),妻に運転を代わることもなく,中国道から山陽道へ。岡山を過ぎ,倉敷から瀬戸中央自動車道へ入ると一気に交通量が少なくなってくる。その中間点の与島SAに到着したのは予定通り午前3時。自宅から丁度900km!!。それを11時間で走りきったことになるわけだが,東京での1時間の渋滞を考えると上出来だろう。夜に強い僕でも,さすがに3時を過ぎると精神的に疲れてくるのだ。とにかくこれで明日の展開がラクになる・・・。
<TOP>
 5月03日()がもう@坂出/はまんど@香川/瓢太@松山/松山分校@松山
【坂出〜高松〜琴平〜松山〜宇和島】
与島SAでの朝。天気は上々。SA自体は陸橋になっている自動車道を高く見上げるような低い場所にあるのだが,展望台の屋上から見れば瀬戸内に浮かぶ無数の小島と橋,そして四国が目の前に見えて雄大。娘達も感心する。7時半過ぎに四国上陸。さてまずは朝食なのだが,予定通り『うどん』。四国でもラーメンは食べたい,でも四国に来て讃岐うどんを食べないわけにはいかない。自宅での計画の段階で,四国での移動時間と距離と観光地と色々考えた上での最良の選択が朝のうどんだったのだ(笑)。有名店でもけっこう朝早くから営業している店は多いのである。朝からラーメンはツラくても,うどんだと抵抗無いのは僕だけ?
がもう@坂出:香川県坂出市加茂町420-3 日・第3月休 8:30〜13:30頃(土祝〜13時頃・売切終了)
坂出市郊外の,近くには水田が広がる,なんてことのない昔からの街並の中にこの店はある。高松に向かう国道11号線から側道に入り,四国特有の深い側溝に気を遣いながら,すれ違うのも困難な狭い町道を入って行くと,ぽっかりと駐車場らしき空間が見えてくる(公式サイトの地図参照)。朝だし,開店の30分も前だからまず場所を確認しようかと来てみたのだが,すでに駐車場は8割方埋まっている。しかもあとからあとからクルマが入って来るので,まず駐車スペースを確保してと思ったら店の前に最初の人が並び始めた。慌ててその後に続くと,クルマの中から続々と家族連れが出てきて,あれよあれよと言う間に50人ほどのの大行列が!この時まだ朝8時。10番目位に並んでいたのだが,店の人が人出を考えて8時10分位で店を開けてくれた。ラッキー(笑)。店自体はなんというか物置のような外観とスペース。低い入口をくぐって店の中に入っていくと,すぐ左側に茹で釜があり,店主らしき年輩のオジサンに「あったかいの?冷たいの?」と聞かれる。「温」なら手慣れた感じで茹で湯で丼をさっと温めて,軽く湯通しした麺を丼に乗せる。「冷」ならそのまま。それを持って次のテーブル上の具(ちくわ天とかかき揚げとか)をトッピングし,お兄さん(息子さん?)に料金を払い,最後につゆ(温or冷)を自分で選んでかけるシステム。店内は席は5〜6席なので必然的に外に出ることになり,入口脇の縁台で丼を手に持って食べ始める。これがいい。出汁は効いているが醤油色の薄いいわゆる関西風のつゆだし,感動的な麺のコシと言うわけでもなかったけど(出来のいい冷凍うどんのような食感・・・冷やしにすればよかったかもしれないが・・・),まぁこんなものだろう。とにかくこの場所のこの店と言うシチュエーションは最高!それだけで良しとしよう。駐車場では「がもううどん」の名前入りの麺も売っていたから,元々は店の規模通り,素朴な手打ち麺だったのが大量生産・大量販売の店になったと言うところかな。素朴な公式HPがある。
思いの外早く食べられたので時間ができた。クルマで20分ほどの高松市内まで足を伸ばし定番の「栗林公園」へ。高校の修学旅行以来だ。典型的な日本庭園を散策。けっこう広い。見上げれば雲ひとつ無い青空。じりじり照りつける日射しのせいか,なんともうが鳴いてる。旅の始まりの朝としては最高の滑り出しだ。

写真左より・・・がもうの「うどん2玉」・栗林公園の庭園・山越うどんの大行列!・はまんどの外観
さて次の目的地もうどん(笑)。そのために1杯目は量を抑えていたのだ。ネットで評判で,今回用意したガイドブック(→『まっぷる四国2005』))にも載っていた山越@綾上町(綾歌郡綾上町羽床上602-2 日休 9〜13:30)を目指す。カーナビの指示通りなんてことのない郊外の町の道を進むと・・・道にクルマが異常に溢れている。でも店は見えない。なんとかスペースを確保し,店のある場所に近づくと・・・奥に見える工場のような素っ気ない製麺所を先頭に行列が延々と蛇行して続いている。交通整理していたオジサンに聞いてみると「200人くらいで2時間待ちくらいかな」とのこと!!さすがにここで2時間をつぶしては後々の予定に響いてくる。行列を確認し次を目指す。ちなみに後で聞いた別口の情報では池上@高松(高松市鶴市町1009 無休 10:50〜11:40/16:40〜17)がお薦めとのこと。別名「瑠美子おばあちゃんの店」。ネットで調べると「がもう」と似たような佇まいでとてもそそられる。こちらを予定に入れればよかったかもしれない。とにかく四国讃岐に来ればうどん食べ歩きはお約束だろう。朝早くからやっているし値段も安い。量の調節も任意だから(1玉とか2玉とか)連食もなんとでもなる。オススメ。さて,うどん的には一応の目的を達成し,すぐ近くの「金刀比羅宮」に寄ってから,ラーメン的には四国一番の最重要宿題店であるこの店を目指す。
はまんど@香川:香川県三豊郡三野町大見竹田3873-1 水・木休(祝日なら営業) 11〜15
ネット的には四国一番の最重要宿題店。のどかな田舎町の畑地の中にある。店も素朴。と言うか要するにプレハブだから建物としてはこれ以上のシンプルさはないだろう。まずは「開いててよかった〜」。四国まで来てこの店で食べられなかったらラーメン好きとしては大きな悔いが残るもの(笑)。4人掛けテーブルが3列に並ぶ店内もシンプルそのもの。僕と娘2人が「こってり」を注文。メニュー的にはけっこうバリエーションがあるので,本当は「はまんど」とか「あっさり」「塩」「味噌」とか注文して欲しかったのだが,ここまで来て「こってり」がいいと言う娘達に望み以外のものを食べてもらうのも忍びないし・・・。要するに背脂の浮いた『はまんど』が基準で「あっさり」が背脂抜きのようだ。一方「こってり」はかなりの粘度。濃厚豚骨に鶏油がど〜んと効いているようなスープ。ひとくちめはそのスープの濃厚さに「お〜」と来るが,その分,最後の方になるとちょっとくどく感じるかな。うどんの経験を生かしたという麺は自家製のコシのある麺。あっさりで試してみたかったなぁ・・・。妻は「釜あげつけめん」を注文。こちらは釜揚げ風で木桶の中に麺が泳いでいる。それに醤油色のスープに背脂の浮いた濃厚なつけ汁。マニアにんまりのタイプである。食べた食器を自分で下げてこの店を後にする。とにかく食べられて幸せ(笑)。臨時休業とか売り切れを心配していたから,予定を順調にこなし,これでまたひとつ大きな肩の荷が下りた。

写真左より・・・はまんどの「こってり」・「釜あげつけめん」つけ汁と麺
次の予定は「道後温泉@松山」。松山までは,以前仕事の関係で1年ほど松山にいて土地勘のある妻に運転を任せ,初めて仮眠をとる。寝ている間に距離が稼げるのは精神的にも体力的にも助かる。以前は考えられないような大遠征ができるのも,こうして妻が要所要所で運転を代わってくれるという安心感から成り立っている部分は大きい。逞しくなった妻に感謝である(笑)。松山道を利用して1時間半ほどで松山着。まずは市の中心部にある緑の小高い山の頂上に見える松山城へ。僕自身は松山は2度目。最初の「西日本横断ラーメン強行軍」の時に開通したばかりのしまなみ海道を利用して尾道〜今治経由で寄ったことはあるのだが,松山城は初めてだ。見るからに高い山。ロープウェイでも登れる天守閣が補修中だったので麓の「二の丸史跡庭園」を散策する。のどかな昼下がり,ここでけっこうのんびりできた。空は抜けるような青空。あちこち歩きながら親子4人でいろんな話もできて,笑って・・・家族旅行らしいひとときを過ごす。
お気に入りの『道後温泉本館』へ。松山の中心部から見ると北東側にあるのだが,地図上の北進する道は歩行者のみの売店街。必然的にクルマの場合東側から入っていくしかないので,直前の道がかなり渋滞してしまう。なんとかたどり着くき,前回と同じ東側のコインパーキングへ。本館東側には大きな市営駐車場があるのだが,満車だと入口前で待っていることができない(西に進めと言われる=もう一周することになる)ので少々怖いのだ。本館入口に行列はあったが,これは入場券を買うためのもの。順調に流れて無事入館。温泉風情ある木造の本館。その二階席お茶菓子付きの休憩ができて620円。浴衣付きでくつろげるのがいい。窓のない濡れ縁の年季の入った木製の手すりにもたれて道行く人を眺める。湯上がりに五月の風が心地いい。やはりここは夜よりも昼の方が風情がある。小雨だったりするとなおいいかな。パンフレットがいい感じだ。ゆっくりして出た時にも入口にはさらに行列が延びていて,「入場を制限させていただいています〜」との声が響いていた。少し予定よりも早めに来たのが正解だったようだ。ここまで旅は実に順調(笑)。妻お気に入りの『一六タルト』をおみやげに買って道後温泉を後にする。さて,松山でも夕食は一応ラーメン。もちろん娘達のためにご飯ものが食べられる店がいい。ところで,松山のラーメンと言えば『瓢』の字がつく店が有名で「瓢系」とも言われているのだが,その基本となる店の一つのがこの店なのだ。

写真左より・・・道後温泉本館・瓢太「中華そば」・松山分校「ラーメン」
瓢太@松山:松山市三番町6-1-10 日休 11:30〜22
松山の中心部にあるが,飲食街というわけではなく,周囲はすっきりしている。間口は狭く,奥に続くカウンター席の向こうに座卓2台の小上がりと言う造り。壁の札にはおでんのネタ名がずらっと並ぶ,典型的な小さな居酒屋という印象だ。店の年季の割には若い男性3人が切り盛りしていた。「中華そば」は500円。見た目は豚骨醤油っぽい薄茶色。ネットでの評判通りたしかに甘いスープ。と言うか塩っ気が足りない。この味が好きかと言われれば微妙なラーメンだが,地方色豊かなのは確か。このスープで「松山」を感じることができる(笑)。ご飯ものは「串カツ定食」と「おでん定食」しかなかったので,娘達は「串かつ定食」を2つ注文。これは肉が固かったとかであまり評判はよくなかった。あとネットで評判のよかった「鳥足唐揚げ」も注文してみる。皮がカリッとしていていい感じだったが,全体的に言えばラーメンも食べられる普通の居酒屋と言うところかなぁ・・・。おでんで一杯やって,仕上げにこのラーメンと言うのが正しいのかもしれない。
松山分校@松山:松山市中央2-38-6 無休 11〜22
妻が知り合いと会っている間に僕はもう一杯(笑)。松山市街の北西部にある店で,古い小学校を再現したような今風レトロの佇まい。久留米の『大砲ラーメン』の出身と言うことで,僕が2003年に食べた合川店と外観も似ている。ネット上の評判も良好で,けっこう期待して行ったのだが,この日のスープは「アレッ??」と思うくらいライト。久留米で一昨年実際に食べた時の,ねっとりと重かった大砲のイメージとはだいぶ違った。もっとも僕が久留米で食べたのはこってり系の「昔ラーメン」だったから,本来の濃度はこちらなのかもしれない。ただ麺も記憶と違ってツルッとしたもので,いわゆる博多の味はしなかったし・・・傾向が変わったのかなぁ・・・。
ここまでの予定は全てこなせた。松山を後にし,松山道を南下して宇和島方面に向かう。
<TOP>
 5月04日()橋本食堂@須崎/風珍@高知/川崎@高知/東大@徳島
【四万十川〜須崎〜高知〜徳島】
朝食は道の駅「虹の森公園まつの」の朝市で買った,地元のオバサンが作った押し寿司・おこわ・稲荷・ぼたもち等々のパック。これを道の駅の下の川原のベンチに座り,『四万十川』の静かな流れを眺めながら家族でいただく。これはよかった。予定していなかったものだが最高の朝食。途中,十和村の春の風物詩「こいのぼりの川渡し」を見て,四万十川沿いに高知県に入る。今日も天気は上々の五月晴れ。目指すは須崎。
橋本食堂@須崎高知県須崎市横町4-19 日祝休 11時〜15 P5台 <0889-42-2201>
まずは須崎で鍋焼きラーメンだ。定番の橋本食堂へ。「日祝休」の店だから今日は休みだと思ってもう一つの有名店「まゆみの店」(須崎市栄町10-14 木休 11〜21 <0889-42-9026>)を予定していたのだが,須崎に着いてから念のために電話してみると「今日は営業してます」とのこと。これは運がいい!!商店街ではなく普通の住宅地の路地奥にあったが,店前の狭い駐車場にクルマを置いて待っていると11時の開店前に入れてくれた。またまたラッキー。間口は狭くカウンターと調理場が左にある構造だが,奥に行くとテーブル席が広がり,座敷席もある。けっこう広い店だが,開店時間には席は8割方埋まった。さてその『鍋焼きラーメン』,土鍋で運ばれてきて,ふたを取ると湯気がもわっと上がる。スープは鶏ガラ醤油味,具は鶏肉・チクワ・ネギが入り,最後に生卵・・・って,これは煮込みうどんのラーメン版と言う感じですな。グツグツ煮込んであるから麺はへたっているのかなと覚悟したが,思ったよりコシがあり好印象。土鍋だから最後までスープは熱々。これにご飯を入れるのが地元流のようだ(ライスを注文しないと観光客であることがばれる?)。まぁなんと言うか,記念になるラーメン。でも強烈な個性があるし,いいラーメンだと思う。須崎はこれで町おこしをしているが,その狙いは正しいと思う。単なる観光ラーメン以上のものがあると思う。(→「高知新聞」の鍋焼きラーメン記事目次

写真左より・・・橋本食堂「鍋焼きラーメン」・やなせたかし作のキャラ・明徳義塾高そばの海
須崎から高知へは高速(高知自動車道)がつながっているが,桂浜が目的地なのであえて海沿いの道(横波スカイライン)を選ぶ。右に太平洋,左に浦ノ内湾を眺めながら一本道を走る。人家は全くなく太平洋側は最高の眺め。そしてそのくねくねと続く道の途中に,なんとあの明徳義塾高入口の看板があった。カーナビで見る限りその周囲には全く何もない。こんな人里離れた場所に高校があれば,そりゃぁ運動にも専念できるだろう。授業を抜け出してサボろうにも,行き場所も交通手段もないから実際上不可能な場所だもの(笑)。
高知市に入り,明るい海沿いの道を桂浜に向かう。「桂浜渋滞」の案内標識が見えたので(この時↓の「桂浜観光無料駐車場」の看板を見つける),その後の予定を家族で話し合い,「予定より早く高知に着いた」と言うことで先に高知市内に向かうことにする。目的は食事。高知まで来た以上,食事はラーメンばかりと言うわけにもいかないので(爆),高知市中心部・高知城そばのひろめ市場という場所に向かう。ガイドブック(「まっぷる四国2005」)でみつけた観光施設。「市場=広場」のイメージに反して全くの町中のビルの1階にあり,上階は駐車場。海の香りはまるでしないのだが,魚関係の店が出店して人でごった返していた。その中の『明神丸』と言う店で『藁焼き鰹たたき定食』(800円)をいただく。『藁焼き鰹のたたきみぞれ丼』とかのメニューもあったのだが,「丼物は30分位かかる」とのことで,「手間的には丼物の方が早いだろっ」=「高い方の定食を注文しろと言うこと?」と,なんか釈然としなかったが,数切れの鰹たたき自体は意外に旨かった。そもそも僕自身は漁港のそばの海育ちであり,近所の遠洋漁業帰りの漁師さんからもらった鰹なんて,子供の頃から毎日のように食べていたのだが,たたきで旨いと思ったことはこれが初めて。そもそもよそで魚を食べようなんて言う発想がなかったし,鰹は生に限るのであり,タタキは少々活きが弱ったものをごまかすためだろうなんて解釈していたくらいだもの。藁で焼くのが香り付けになり,風味を増すと言うことだろうか。とにかく「まぁ一応話のタネに」と思って食べたものだけに,妻共々満足してしまった。

写真左より・・・明神丸「藁焼き鰹たたき定食」・意外にでかい坂本龍馬像・龍馬記念館屋上からの眺め
高知市の南側は太平洋に向かって浦戸湾になっていて,その湾の西側に桂浜がある。高知インターから桂浜を目指すと,どうしても湾の東側を南下して,浦戸大橋を渡って桂浜に向かうイメージになるので,桂浜自体が岬の先端の行き止まりの場所だから,浦戸大橋の手前から休日は慢性的に大渋滞になる。それは西側(須崎〜土佐方面)から来ても同じなのだが,桂浜の3kmほど西側に「駐車無料・送迎無料」の市営の広大な駐車場(未舗装の空き地だが)があるので,是非そこを利用したい。ここから桂浜までバスで行くなら渋滞に巻き込まれるから結局一緒じゃないかと思われそうだが,クルマでもきつそうな抜け道(生活道)を,大きな路線バスがホント器用に抜けていくので,渋滞を後目にあっと言う間に桂浜に着いてしまうのだ。これでかなりの時間節約になる。浦戸大橋経由で東側から来たら,おそらく今回の旅の最大の目的である龍馬記念館を見られなかっただろうと思うと,今回の旅はつくづく運がいい。そもそも須崎から高速で来ていたら,この市営駐車場は気づかないままだったと思うもの。バスを降りたのが3時過ぎ。売店街を抜けて,まずは丘の上にある坂本龍馬像を見学。思いの外大きく見上げるような高さ。逆光も相まって顔なんてわからない。でも実物を見られただけで満足。そこから山の頂上の坂本龍馬記念館へ向かう。
坂本龍馬記念館@高知:高知市浦戸城山830 無休(12/26〜1/1休館) 9〜17 大人400円・高校生以下無料
桂浜を見下ろす小高い山の頂上にあり,海に向かって突き出た近代的なデザインで,あまり「坂本龍馬」と言う感じはしないが,館内は県立の施設らしく丁寧に,そして重厚に龍馬に関する資料が展示されている。地下の階には龍馬直筆の手紙等が多数展示されていて,とても筆まめだったことがわかる。近江屋で惨殺された時にその部屋にあった血痕のある屏風や掛け軸もあってかなりリアル。そしてこの施設は何よりも屋上が気持ちいい。視界を遮るものは何もなく,龍馬像と同じように眼下に広がる太平洋を眺めると,気分は坂本龍馬。『心はいつも太平洋ぜよ』と言いたくなってくるのだ(笑)。ホント龍馬はヒーローの条件がそろっている。何よりも地元の人にこうして愛され誇りに思われている。その点,わが水戸藩はと言うと・・・『天狗党』の件さえなければ我が水戸藩が薩・長・土より幕末維新に名を残せたのではないかと思うと悔しい。水戸学で幕末思想をリードしながら,天狗党の乱で人材を次々と失い,結局,我が水戸藩は幕末の英雄を1人も残せなかったもの・・・。桂浜の売店街でピストルを持った坂本龍馬像を旅の記念に買って,5時30分発の駐車場行きの最終バスで桂浜を後にする。まだ渋滞は続いていた。駐車場では我が家のクルマが最後の1台だった。はるばる高知まで来て龍馬的に言うとこれだけではちょっとさみしいので(笑),市内の『龍馬の生まれたまち記念館』へ。町中の,木造ながら今風にデザインされた新しい建物なのだが,ここもなかなかによかった。この2つの施設の他に龍馬の生涯を蝋人形で展示した『龍馬歴史館』と言う施設が高知市東側の野市町ある。妻はこちらにも行きたかったようだが時間がないので断念する。夕食はネットで調べた高知の老舗の店。
風珍@高知:高知市帯屋町1-9-18 木休 11〜15/16〜19:30 <0888-72-0776>
高知のラーメン語る上で必ず出てくる定番の老舗店。高知中心部ながら,中央公園の北側の非常にわかりづらい場所にあり,店に入る路地は時が止まったような空間。古い映画に出てきそうな路地なのだ。店内もそう。小さめの四角いテーブルが並ぶ飾り気のない昭和30年代のような空間に,壁の上の棚におかれたTVの音が響いている。基本のラーメン(老麺)はなんと400円。鶏ガラスープながら醤油色は薄く,何というか中華の卵スープのような淡白な味わい。とてもあっさりしていながら,ホットできるまろやかな味わいがある。それにやや太めのつるっとした(にゅるっとした?)ストレート麺がうまい具合に絡む。細めのメンマがいいアクセント。永年愛されてきた歴史を感じる一杯だ。個性を感じるラーメン。これが高知かなと(笑)。妻と上の娘は,ネットで評判のよかった,この店を語る上で避けては通れないもう一つの定番メニューの『卵焼めし』を。ご飯と卵だけの,チャーシューどころかねぎさえ入らないシンプルな炒飯で,かなり珍しい。ただちょっと量が多いので,一口食べればその傾向はわかるから最後は持て余し気味になる。一つは同値段の普通の「焼き飯」にすれば,より卵だけの意味が伝わったかもしれない。下の娘が注文したのは中華丼(550円)。これも量が多かったが,少食の娘が食べきったのだから好みに合っていたのかもしれない。

写真左より・・・風珍の「ラーメン」・風珍の「卵焼きめし」・川崎の「にんにくラーメン」
川崎@高知高知市桟橋通2-2-3 火休 12〜翌2
高知のもう一つの有名店。こちらは中心部から外れた場所にあり,午後8時過ぎでは店前の人通りはほとんどなかった。店内は昔ながらの食堂という風情。メニューは2種。ラーメンと看板メニューの「にんにくラーメン」のみ。見上げると正面の壁には・・・『自然食品のみ。化学調味料は一切使用しておりません。但し他の店より高い』 と言う能書きが。そう言うわけで,ラーメンとしては確かに高い840円。チャーシューにもやし等々の具は普通だから麺とスープ,特にスープに金がかかっていると言うことになる。味も確かに独特。で,地方色豊か(笑)。麺はやや太めのストレート麺で,ニンニクの効いた油っぽい醤油味のスープに,さっぱりモヤシがちょうどいいアクセントになっている。「無化調」と言われてもそれを感じづらい普通のラーメンだが(笑),食べやすいラーメンだと思う。にんにくラーメンではなく普通のラーメンだとわかりやすかったのかしら?
近くの銭湯に行っていた家族と合流し高知を離れる。もうここまで来る機会はこの先なかなか無いだろうなぁと思うと一瞬名残り惜しいが,予定のことはこなせたので悔いはない(笑)。高知道に乗って,次の目的地「徳島」を目指す。距離はちょうど150km。予定では10時半くらいに着くはずだったが,1車線になる新宮インターの手前当たりで渋滞があって予定が狂い,徳島インター着は結局11時過ぎとなる。元々徳島インターから鳴門インターまでは一般道に下りなければならないので,そのついでに予定通り徳島のラーメンをチェック。徳島ラーメンと言えば199年にラ博で食べた『いのたに』が有名だが,営業時間はとっくに過ぎている。選んだのは比較的新しい店だが,人気急上昇で深夜営業のこの店。
東大@徳島徳島市大道1-36 無休 19〜翌4(売切次第終了) 
平成11年創業ながらラーメン集合施設の「明石ラーメン波止場」「桑名ラーメン街道」に相次いで出店している人気急上昇店。徳島駅南部の国道沿いにあり,交通量は多いが,深夜11時半近くでは周囲に灯りはあまり無く人通りはほとんど無い。にもかかわらずこの時間でまだ5〜6人の行列があった。ここに来て時間のロスは10分でも痛いのだが,さりとてここまで来て食べないわけにはいかない。そこそこ回転は良く10分ほどで入店できた。店は狭く中央のテーブル席と左右の壁に向かったカウンター席。店内は若い男女であふれている。基本の中華そばは500円。あらかじめ注文は聞かれているので着席するとほどなく出てきた。三昼夜煮込んだという「ど豚骨スープ」。醤油の塩梅も良くラーメン好きなら一口で人気の意味がわかるタイプ。自家製の短めのストレート麺が良く絡む。煮込んだバラ肉が乗る徳島ラーメンの基本はしっかり踏襲しており地域性も十分。生卵は何個入れても無料。黄身を溶かしながら食べるとまた違った味わいになり「徳島」を感じることができる(笑)。こんな旅行のこんな日程の中に,かなり無理をして組み込んだ一杯だったが,十分に満足することができた。
前回四国まで来た時はラーメンという発想がなかったので徳島で食べることはなかった。今回こうして四国4県を一応制覇することができて一安心。「四国四県でそれぞれを代表するラーメンを食べることができた」と言う達成感を胸に鳴門インターに向かう。でも予定の1時間遅れ。午前0時を大きくまわってしまった。これから予定では名古屋まで行かなければならないのだがその距離なんと370km。クラクラしてしまうがしょうがない。徳島で食べられたのだから僕的には満足だ。神戸淡路鳴門道を黙々と走る。淡路島から神戸に向かう時の夜景がとても綺麗。夢のようだ。そのかわり大阪に入ってからは僕の方が夢のよう。本当は大阪でも深夜営業の洛二神@浪花とか龍旗信@堺と言った人気店で食べたいと思っていたのだが,時間的にも体力的にもさすがに高速を下りて寄る余裕はなかった。
<TOP>
 5月05日(『愛・地球博』徹底攻略〜炎の弾丸ツアー
【大阪〜愛知〜東京〜茨城】
今回の大阪〜名古屋間は,名神道ではなく大阪から西名阪道で天理に出て,そこから国道25号線(実質は無料の高速道のようなもの)を使って名古屋に出るコースを選んだ。天理から東名阪道に乗るまでのその区間は,それまで仮眠していた妻に運転を代わってもらう。もう夫婦総力戦だが,四国に行った満足感と,子供たちと約束した愛知万博だけは必ず行かなければと言う使命感だけで突っ走る。東名阪道に入ってからはまた僕が運転して,名神道・名古屋インターを経て最終目的地長久手まで向かう。名古屋中心部を横断する高架高速を,清々しい朝の光の中をひた走って・・・なんて言うと聞こえはいいが,結局ほぼ徹夜で走ってしまったことになる。でも不思議と元気だった。あとに「愛知万博」が控えていたからだろう。会場に入ってしまえばなんとかなると思っていた。疲れたらどこかで寝ていようと(笑)。名古屋瀬戸道路の長久手インター到着。この時,朝の5時・・・。
愛知万博会場には自家用車で近づくことはできない。会場周辺各地にある指定駐車場にクルマを預け,送迎バスで会場入りすることになる。その中で一番会場に近いのが長久手駐車場。とりあえずそこまで行って,8時の開門を待つまでの間に仮眠できるかなと思っていたのだが,インターを下りて2つ目の,緩やかな坂を下りた駐車場手前の交差点でチラシを配る人がいる。『送迎付き3000円の指定駐車場で開場を待っているのは時間の無駄。ウチの2000円の駐車場にクルマを預け,5時半には走っているリニアモーターカーで今すぐ会場入りした方がいい』 と言うのだ。クルマで仮眠するにしても,駐車場所に落ち着いた方がラクかなと,その交差点を右折してすぐの駐車場に入れることにする。要するに,なんてことのない空き地なのだが,誘導されて次々とクルマが入ってくる。そして我が家と同じような家族連れが,もう駅に歩き始めている。少し仮眠する予定が一応会場まで行った方がいいかなと言う気になり,身支度をして出発。すぐそばの「芸大通」駅からリニアモーターカーに乗車する。大人3人(中学生は大人)と小人1人で乗車切符は770円ほど。往復で1500円だから,結果的に無料送迎付きの公営駐車場より割高になるが,リニアモーターカーに乗れると言うのも話のタネにいいかなと言うことで納得する。朝6時半過ぎ,駅には誰もいない。静かに電車が入ってきた。・・・かなりの乗車人数。となると・・・案の定,2駅先の「万博会場駅」に着くと,目の前の会場入口(企業パビリオンに一番近い北口)には2〜300人位の行列ができていた。しかもあとからあとから人が来る。開場は2時間後の9時なのに・・・なんて言っていてもしょうがない。こういうパターンは2001年の連休に行ったオープン直後のUSJですでに経験済み(深夜12時にもう並び始めていた)。もうそこに並ぶしかないのである。ちなみに会場に徒歩で行けるような近くにも同様な駐車場があるようだ(インターを下りてすぐの交差点に固定看板があった)。リニアモーターカーに乗らなくてもいいのならそちらのほうがいいだろう。但し,基本的に会場周辺3km圏内はマイカー規制されており(午前8時〜午後6時),早く着いた場合の裏技である。
ここでひとつ重要なことを思い出した。実はチケットをまだ購入していないのだ!!入場券売り場には2〜30人の行列があるが,当然のことながら販売はまだ始まっていない。聞けば販売開始は8時30分。ここに並んでから本体の列に並び直すと,早く来た意味がまるでなくなるではないか(汗)。ガードマンのお兄さんに確認して,家族を本体に並ばせ,自分は1人で入場券の列に並ぶこととする。1人で並んでいるのは寂しいが,まぁしょうがない。ところで万博の入場券の実券はICチップ入りのもの。コンビニでも買えるがそれは引換券で,それではまたここで並ばなければならないことに注意が必要。日程が決まっているならJTB等で引き換えて実券を用意したい。ICチップ入りの実券のメリットはそれでパビリオンの予約ができること。公式サイトで実券裏面の12桁の番号を入力すれば,予約したい日(来場予定日)の1ヶ月前の同日午前9時から前々日の24時まで(※前日および観覧当日の申し込みは不可=当日は「当日予約」になる)予約することができるのだ!!。予約可能なのは1人1日最大2件まで。しかもケイタイからでもできる・・・・・と聞くと実に画期的なシステムなのだが,実際はなかなかつながらないらしい。予約予定日が休日などの場合はなおさら。そしてやっとつながった時はめぼしい人気パビリオンは満員に・・・。僕のように思い立って行くことにした人は事前予約はあきらめたほうがいいだろう。何せ実券さえあれば予約は番号入力だけなのだから,望みのパビリオンが満員なら,ネット環境にある人は他のパビリオンを一応予約してしまうだろうし・・・。要するに何ヶ月か先に行けることが確定している人で,かつ1ヶ月前の朝9時から何時間かPCの前に張りつける人でないと望みのパビリオンの事前予約はかなり難しいと言うことになるのである。
事前予約がとれなかった場合に希望の人気パビリオンに確実に入館する手段は3つ。「当日予約」「整理券」,そして「早く入場して一番希望のパビリオンに一刻も早く並ぶこと」だ。人出の関係からか入場券販売が30分早まって8時になり,無事入場券をゲットし家族と合流。そこで家族と入場後の作戦を練った。用意していたガイドブック(「愛・地球博完全攻略マップ&ガイド」)を吟味していた家族の一番の希望は『三菱館』。超人気館と言うわけではないのだが,娘達が希望している以上これは確実に押さえなければならない。そして当日予約一つしかできず,かつ時間指定される以上,『三菱館』を優先した時点で人気の高い『日立館』『三井・東芝館』あたりは実質上あきらめなければならなくなるのである。もっとも2時間ほど並ぶ覚悟があればどこでも見ることは可能だろうが,そんな気力は今日の僕にはないし・・・。そして僕の希望は『トヨタ館』。TVでも何度も流れるいわばこの万博の顔であり,「当日予約」できなくて「整理券」で入れると言う点も考慮しなければならない(→各パビリオンによって微妙に異なるので事前計画にはこの表が便利!)。経過時間を考えると計画はとてもややこしかったが,結局,入場までに我が家が立てた計画は,1.入場後すぐに『トヨタ館』の整理券をもらう→2.会場内にある端末で『三菱館』を当日予約する→3.『長久手日本館』に並ぶ である。9時の開場が30分くらい早まると言う情報もあったのだが,結局予定通り9時に開門。入場券チェックは自動改札なのだが,荷物のチェック(金属類は体から離し,バックに入れろと言われる)があり,これがけっこう時間がかかるのである。但し,荷物のチェックはチャックを開けてちらっと見せるというカタチだけのものだが・・・先頭の人は先に先に進んでいるのが見える。「走らないでくださいっ!!」と言う声が繰り返し流れていた。
入場してすぐに感じたことなのだが,この会場はとてつもなく広いと言うこと。会場マップでは近いはずの北口から『トヨタ館』までもけっこう距離があって,走らずに早足で歩くのがもどかしいほどだった。すでにトヨタ館の前は人であふれている。そこに「整理券はお一人様1枚です」との声が繰り返し響いている。つまり家族で「整理券」「当日予約」「フリー入場」を分担して,1人で整理券を何枚かもらおうという試みは不可能。ケイタイで連絡を取り合う人が殺気立っている(笑)。整理券自体は流れ作業で手渡されるのでとてもスムーズに手に入れることができた。そしてこちらが手に入れた頃には整理券の配布は打ち切り。あとは次の配布時間(11時頃?)になるのだが,その「整理券をもらうための行列」がまたできることになる。整理券をもらう場合は朝一番が一番効率的だと言うことだ。・・・隣の『日立館』ではすでに120分待ちの表示が。つまりのんびりと開場時間に来て入場すると,少なくとも人気パビリオンは「整理券なし」か大行列の跡に並ぶしかないと言うことになる。やはり早く来る意味はあると言うこと。限られた滞在時間,同じ時間並ぶなら開場前の方が効率がいいだろう。トヨタ館の指定は10時40分。それまでに「事前予約」と観覧と言うことになる。『三菱館』を目指すがそれがまた遠い。
『三菱館』』到着。なんと待ち時間無しで入場できるというアナウンス。入口脇に予約端末があったのだが,予約権は他のパビリオンに使えばいいとすぐに入場する。ここのテーマは「もしも月がなかったら」。メインのIFXシアターは,前面に屏風型に広がる巨大スクリーン。高い天井とガラス張りの床の下に鏡が使われ超立体的なCG画像が展開される。これが思いの外出来が良かった。娘達も満足。これを見て「トヨタ館」が見られれば目的の半分は達成できたかなと言う気分になった。次の予約をすべく『長久手日本館』に向かうのだが,どこにあるのか頭の中の地図だけでは見当もつかない。それくらい広いのである。やっとたどり着いたら,30分待ちの表示。中でどれくらいかかるかわからないので(トヨタ館は時間に行かないと無効になる),まぁその程度の待ち時間なら『トヨタ館』の後でもいいし,予約することもないだろうと考えてしまった。
ここで思いがけずあの『冷凍マンモス=マンモスラボ』を簡単に見ることが出来た。本来マンモスは全行程60分前後の『グローバルハウス』のコースの一部分なのだが,あまりに人気があるためそのマンモス部分だけを独立させて,裏側から見学できるようになっているのである(>『マンモスラボ単独入館』開場時〜10:30頃まで先着順・以後は整理券を午前中に1日分=13回分配布マンモスは10時半までに見るべしと言うことになる)。動く歩道に乗ってガラス張りの向こうにあるマンモスを見るだけで時間はあっと言う間なのだが,全く並ぶこともなく見られたので大満足。今日の行程の半分が達成できたとまた気分が復活した(笑)。そのまま予定通り『トヨタ館』へ。360度の客席から底の部分のステージで繰り広げられるロボットショーを見ることになるのだが,これが基本的に音楽だけで淡々と進むことになり,今日の僕には眠くて眠くて・・・半分以上寝てしまったように思う(笑)。でも見たと言うことには変わりはないだろう。満足。愛地球博に来た以上,ここは必ず見なければならないパビリオンだろう。より詳しいコンセプトは『愛・地球博トヨタグループ館 公式ホームページ』参照
さて,まだ使っていない当日予約の分をどうにかしようと,中央の『大地の塔』前の端末まで行くと,なんと『予約終了』の文字が。・・・この時点まで大きく勘違いしていたのだが,「当日予約」の端末は各パビリオンごとにあるのではなくて会場内何箇所かにあるだけであり,そこですべての事前予約ができると言うことだったのだ。つまり『長久手日本館』の予約は『三菱館』前の端末でもできたのである。『三菱館』に入る前にどこか当日予約していればと理解不足を少し後悔したがまぁしょうがない。もうあとはフリーで気力ある限り並んで見るだけである。と,ここでもう一つ大事なことを思い出した。朝から何も食べていなかったのである。
万博に来たのだから食事は外国館のレストランでいただきたい。娘と妻の「カレーが食べたい→本場のカレーが食べたい→本場と言えばインド」と言うあまりにも単純な理由で『インド館』を選ぶ。さて,ガイドブックでは「ニューデリーの有名レストランのスタッフが来日して」なんて書いてあるが,レジの女の子もカレーを盛ってくれる若い男のスタッフもまるで愛想がない。これで国際親善になるの?と言う感じ。でも後から来た同じインド系らしき人には満面の笑顔。これは国民性の違い?学生時代にインドから来た友人がいたと言う妻に言わせれば「カースト制度が残るインドでは階層の違いは厳然としていているから・・・」なんて解釈していたけど本当にそうなんだろうか?カレー自体は辛さ控えめで量も少な目。サフランライスはパサパサで口に合わない。でもこれが「本場の味」なのかも(笑)。日本で食べるカレーは日本人のためのカレーと言うことだろうし。いずれにせよ1000円と言う値段に見合った満足感はまるでなかった。ここで気づいたのだが,会場内どこに行っても昼食はみな1000円前後。でもメニューの写真で見ても,人が食べているのを見ても,食べたくなるようなそそられるものは見あたらなかった。これが5〜600円だったらハシゴしたくなるような珍しいメニューは多かったんだけどね(笑)。(※1日まわった後で考えると,『オーストラリア館』のハンバーガーショップが昼食としては一番コストパフォーマンスが高そうに見えた)
次は『長久手日本館』へ(→公式サイト)。竹籠の外壁は近くで見るとけっこう雑な感じ。この時点で50分待ちだったが,もっと早く進んだように思う。ここではTVでよく見た直径12.8mの球体の内部全面が360度の映像と言う『地球の部屋』が目的だったのだが,中空のブリッジに人が多いせいで,期待したほど拡がりを感じられなかった。「三菱館」の方が映像の質自体は数段良かったように思う。でもまぁ見ることが出来たと,ホッとして外に出るとカラっと晴れた青空。最高のこどもの日だ。水しぶきを感じて見上げると目の前にそびえ立つ黒い壁面の『大地の塔』。その中に巨大な万華鏡があるのは知っていたが,これくらいの時間になるともはや行列に並ぶ気力が無くなっていて・・・。
と言うわけで,このあたりからはひたすら外国パビリオン巡り。但し,あまりにも会場が広いので,国名を思いだして思いつきでまわっているとかなり歩き回ることになるので注意が必要。地図をよく見て効率よく回るのが肝要だ。まずは『グローバルコモン5』。妻の希望で『エジプト館』へ。ツタンカーメンの像とかミイラの棺とか,いかにもエジプトと言う展示品がぎっちりと並ぶパビリオンだが,順路通りに回らないと何故かエラい勢いで怒られる。その大柄な男が「△○◇※パピルス,◎◇※△ペーパー」と言って入場者に差し出している紙は,どうも手にとると有料のようで・・・頭にターバンを巻いたもっと上役らしき濃い男が不満げに何かわめきながら歩いているし・・・どうもなんか客の悪口を言っているような響きがあって・・・とまぁこちらも国際親善という雰囲気にはほど遠く,印象が悪かった。そして『アフリカ共同館』。そこそこ広いスペースに,エチオピア・カメルーン・ナイジェリア・マリ等々アフリカの国々の出店のようなスペースがずらっと並んでいる。これは何というか不思議な雰囲気。同じアフリカ系と言っても微妙なお国柄の違いがあって,一体感があるようなないような。続いてヨーロッパの『グローバルコモン3』。ここでは『イタリア館』『フランス館』『スペイン館』等々無難なパビリオンをそつなくまわる。各館の内容はというと,もうこちらにイメージができている国だけに感動することもなく落胆することもなく・・・。でもこういうパビリオンをコツコツとまわるのが万博の王道なのかもしれない。特にイタリア館の古代ギリシャのブロンズ像 『踊るサテュロス』は是非見てくべきだろう。ちなみに『ドイツ館』は40分ほどの行列が全く減らずあきらめた。そして会場の一番奥まったところにある『グローバルコモン4』へ。地図で見てもわかりづらくて迷ってしまった。会場中央を一周する通路(グローバルループ=空中回廊)が三層構造になっていて下り口がとてもわかりづらいのである。ここでの目的はその中の一番奥にある『ロシア館』。こちらに展示してあるマンモス骨格は必見。脇には凍土から出土した足の実物も展示されている。・・・もう体力の限界だ。ロシア館の前に畳がある休憩所があったのでそこで僕は沈没。その間に妻と娘は『イギリス館』 『スイス館』 『オーストリア館』等々をしっかりまわってきたようだった。この一帯に来るにはロープーウェイ(=キッコロゴンドラ)が便利だ(但し大人600円・小人300円)。
ところで何かと話題の『サツキとメイの家』『トトロ家族』を自称して来た我が家としては何としても見たかったのだが,直前まで予定の決まらなかった我が家には予約は不可能だった。と言うか,入場実券を手に入れてからローソンの端末で予約するわけだが,1ヶ月前に予約しようにも実際はつながらなくて不可能だったようだ(※現在は葉書応募の抽選になっているが,当然のことながら入場券実券がないと予約できない)。予約できない圧倒的大多数の人は外から眺めるしかないのだが,ここは家に近づくことさえできない。でも,日本庭園観覧外周コースの展望台から眺めるとけっこうよく見えるみたいだ。万博終了後はどうなるのだろう。残っているのならそれだけでを目的にまた来たいところ。いや,これを目的にもう一度万博に行くべきか・・・。
最後は中央の『グローバルコモン6』へ。まずは『南太平洋共同館』で,娘がずっと飲みたがっていた本物の椰子の実にストローをさして飲む椰子の実ジュース(700円)を買う。何というか,甘みはあるが思ったより淡白なジュースだった。そして下の娘の第一希望の『オーストラリア館』へ。巨大なカモノハシの模型が展示されそれに触れるのが子供たちに大人気のようだった。出口そばのハンバーガーショップが当たり前の値段で旨そうだった。結果的に人気の「アメリカ館」「韓国館」「中国館」を見ることが出来なかったが,それは後になって気づいたこと。その時はもうへとへとで頭が正常に機能していなかった(笑)。
さて夕食。イタリアのレストラン(「リストランテ ドルチェ イタリア」)のコース料理を考えていたのだが,店の前に立つと普通の店という感じでどうもダマされそうな予感が・・・(※私見です)。会場を出て名古屋市街まで行く時間はないので,会場内で食べなければ高速のSAレストランくらいしかもう選択肢はない。ならばいずれにせよ日本の普通の業者レストランのレベルだろうと,中央の日本系レストラン街に向かう。そこでも迷ったあげく,結局回転寿司の「寿司処 角」へ。160円だったが,中に入るとネタ的には260円〜660円の皿がメインの店。海の人間にとっては回転寿司と考えると割高な印象だが,まぁしょうがないだろう。「味噌カツ」も食べたし,少しは「名古屋」を感じたかと(笑)。上の娘は高いと文句を言っていたが,下の娘はそんなことは気にせず皿を重ねていった(笑)。
もうすでに8時近い。いよいよ帰る時間になった(・・・って,ここから自宅までは500km近い!!もう限界もいいところ)。遠く観覧車が見える夜景はとてもきれい。人通りの少なくなった北口近くの回廊を跳ねるように歩く家族4人。娘達も満足してくれたようだ。その笑顔を見れば無理して来た甲斐があったと言うもの。今回はいつもとちょっと違う「こどもの日」を過ごせたかな(笑)。リニアモーターカーに乗って駐車場のある芸大通駅へ。駅周辺は全く人通りもなく,暗い駐車場。いきなり人口密度が激変してなんか変な感じだが充実感はある。すぐそばの長久手インターから高速に乗る。あとは東名道を一直線だ。娘達のリクエストで「虹の豚」のDVDを見始まるが,ほどなくみんな寝てしまう。当然のことながら僕も圧倒的に眠くなる。なんとかがんばって静岡県まで走り,仮眠していた妻がそこから横浜まで運転。都内は再び僕に代わり,そのまま常磐道を突っ走った。圧倒的に体は疲れている。でも心は達成感と満足感で満たされていた。
自宅到着はなんと午前3時30分。無茶な時間だが,名古屋発が9時近くになってしまったのだからしょうがないだろう。なまじ1日早く帰ろうとすると5/4の各高速の大渋滞に巻き込まれるからこれが一番効率的なのだ。と言うか,1日早く帰ろうとするなら今回の旅はそもそも成立しない。ちなみに今回の旅の総走行距離は2600km,高速代は45,000円程,我が愛車エルグランドはなんと,軽油でリッター11.4km走ったりもした時もあったので,給油は計4回分で25,000円弱。現地での細かい移動を考え,途中どのようなスケジュールも組めることを考えると, 飛行機とかと比較して体力は限界まで使うが,我が家の場合これも有りと考える。レンタカーや公共交通ではこの日程は不可能だろうし,荷物を持っての移動なんて考えただけでもどっと疲れる。日本全国どこに行ってもクルマにさえ戻ればホッとできる。眠くさえなければ何時からでもどこにでも行ける。それで我が家の旅は成り立っているのである。我が愛車エルグランドX・3000DOHCディーゼルターボは13万km目前でなお絶好調,むしろ2度目の車検後は,かえってエンジンが静かになったような感じで好印象。家族の思い出もたくさん詰まっているし当分手放せそうもない。

>「どんぶり会議」に投稿(2005/05/22)

『拉麺諸国漫遊完結!四国一周ラーメン巡礼+愛知万博弾丸ツアー』 


ホームはじめに茨城の麺東京の麺食べ歩き日記