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『北関東〜磐越横断』1泊2日のラーメンツアー(2000/05/03〜04)

仕事的にまとまった休みがとれない我が家においては「連休」は貴重である。だいたい遠出するのが常だが(>家族の旅日記),それが5月の連休となれば気合の入れ方が違う。小3の娘の誕生日が「こどもの日」だったりするので,何かイベントを行わなければならない状況なのである。そんなわけで昨年の五連休は「西日本横断ラーメン強行軍」を敢行し,念願の博多屋台ラーメンまで食べてきた我が家だが,今年は諸般の事情によりそこまではできない。でも1泊なら可能となったので前日(2日)の夜に「そうだ『群馬』に行こう」とふと思いついた。東京を越えて遠出しては帰りにあの地獄のような「大渋滞」が待っている。だから西へ向かうのである。もっとも,この時点でたいした計画が立っているわけではない。「群馬のラーメンが食べられる」くらいの意識しかないのである。
国道50号を西へ走る。友部町あたりから渋滞。脇道に入ったらまわりは畑だらけの田舎道が突然の大渋滞。路上駐車であふれている。何ごとかと思ったら近くの「芸術の森公園」で「陶炎祭@笠間」なるものをやっていたのだ。焼物の町「笠間」も連休は特ににぎやかである。
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 共栄ラーメン@栃木 : 栃木県下都賀郡岩舟町静2229-7 <0282-55-1375>
 ★ 50号バイパスの名店「共栄ラーメン@栃木
順調に栃木に入った。僕は栃木の遠征ではミカミさんのサイトをいつも参考にしている。その「栃木のラーメン食べ歩き」で評価が高かった「共栄ラーメン@栃木」へ。佐野へ向かうがらんとした風景のバイパスが,急に賑わいだした国道沿いの店。岩舟町だそうだ。外観はおよそ情報がなければ入らないであろうタイプの平凡な「街道沿いの食堂」。待ち客がいたが,カウンター内の美人系の若奥さんらしき人がテキパキ仕切る(立ってるうちに注文と「名前」を聞かれる)ので回転がやたらいい。ほどなく「ご指名」があり奥のテーブル席へ。ラーメン・500円は基本的に醤油味なのだが,表面の脂の層のおかげで『佐野ラーメン』を基準にするなら意外なくらいこってりしたもの。ひと口目に「ガツンとくる味」。それに「中国伝来の棹麺(青竹打ち)製麺法だからうまい」と看板に大きく唄う厚さも幅も不揃いな手打ち麺。家族4人おおいに満足する。> 50号バイパスの名店「共栄ラーメン@栃木
佐野ICを超え,国道50号をさらに西へ向かう。群馬県に入るとはるか遠くに落雷を2〜3度目撃。「かかあ天下とからっ風」とか言うよなぁと脈絡もなく考えながら,まったく土地カンのないこのあたりをカーナビの導くままに走る。こんな目的があるようでない『旅』に慣れている娘達は後ろの席で勝手に「子供の話題」で盛り上がっている。最近よく歌っている歌は「贈る言葉」と「翼をください」。小学校の唱歌集に載っているそうだ。
群馬のラーメン店は「東京のラーメン屋さん(とらさん)」主宰者・OOSAKIさんの「全国おいしいご当地ラーメン」(竹書房)&ジャンボさんの「ジャンボのラーメン三昧」を参考にしている。問題はそれをどう組み合わせて移動するかである。そうこうしているうちに伊勢崎市に入った。
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 宮口軒@藤岡 : 群馬県藤岡市上栗須250-4 月休 11:30〜21<0274-23-1148>
 ★ 屋台出身のこだわりラーメン「宮口軒@藤岡」
4時過ぎに藤岡についてしまった。目的の「宮口軒@藤岡」は藤岡ICのそば,上信越自動車道と畑が見える閑静な住宅地のまさに「奥」にある。街道から,民家の脇の細道をちょっと不安になるくらいぐっと入った奥にあるのだ。駐車場は広い。でも商売向きの環境じゃないなぁ。ラーメンには場違いな感じ。店内は右奥の調理場からU字型のカウンターが中央まで突き出した独特の造り。奥のテーブル席に座り,ずらっと内壁に並べられた縦書きのメニュー札の中から「純手打ち羅阿麺・500円」を注文する。「純手打ち支那そば」なんてのもあって,妻に食べてもらいたかったのだが妻も「羅阿麺」を希望。オープンな中央の調理場を見ると,麺を茹でてるのは普通の五徳コンロに鍋。けっこう早く出てきた「羅阿麺」は標準でほんの軽く炒めた(?)感じの野菜がのるのが特徴的。麺はまるで手打ちうどんのような感じの「極太麺」。それをあっさりした醤油味のスープ(でも「深み」を感じる)でいただくわけだ。「おーっ」とくるような感動があるわけでもないが,遠い土地に来て独特なラーメンをいただいているという感慨はある。野菜がない方がもっとわかりやすいかも・・・。
駐車場に出たら屋台出身と言う宮口軒の「オヤジ」が「水戸ナンバー」に興味を示し話しかけてきた。「先週白河に行ってラーメン食べてきた」だの「水戸にうまいラーメンはあるのか」等々まだまだ研究心は旺盛のようだ。「やっぱり旅の楽しみは食べ物だね〜」と言うから「今回のウチの旅の目的はここのラーメンを食べることだから・・」と言ったら笑ってた。この近場に温泉はないのかと訊いたら,すぐそこに見える上信越自動車道を指差し「これで長野に向かった方がいい」と教えてくれた。でも,連休に長野に出たら帰り道に不安があるし・・・。そんなわけで,これまた我が家のお出かけには欠かせない「日帰り・寄り道温泉【ベスト380湯】」(辰巳出版)で,一番近場(藤岡から8kmくらい)の「桜山温泉センター@鬼石町」を見つけ出す。この本は高速のICごとに日帰り温泉が網羅されていて重宝するのである。
藤岡から十国峠街道を南下し鬼石町へ。埼玉の「長瀞」に向かうその街道の中ほどに「桜山温泉センター@鬼石町」はある。街道沿いの小高い山の中腹にある保養施設。駐車場からの眺望はなかなかに風情がある。向かって右側の2階部分に木の骨組みだけの浴場。もちろん露天風呂もサウナもあり充分だ。料金は3時間で500円。設備から考えれば割安であろう。1時間ほどゆっくりする。ロビーのTVでは広島から「バスジャック事件」を生中継していた・・・。風呂上りにはアイスかジュース,娘達はこれを楽しみにしている。
宮口軒は「食べられない〜」とパスした娘達の夕食を何とかしなけりゃならない。藤岡に戻り何となく走っていたら「元気寿司@藤岡」が都合よくあった。北関東に展開する回転寿司のチェーン店で,2〜300円の皿(つまりこの店では高めの皿)は普通の寿司に比べりゃ「それなりのもの」なのだが,安いネタ(「ネギトロ」「スパイシーツナ」「シーフードサラダ」等のグンカンもの)がけっこう楽しめるのである。子供はそれでも頼むのは「納豆」「コーン」(たまに「イクラ」「茶碗蒸し」)なのだから,まさにエコノミー家族である。もちろん僕と妻は「控えめ」に食べた。あと一杯の予定が控えていたからである。
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 だるま大使@高崎 : 群馬県高崎市藤塚町423 <027-327-4915>
 ★ 高崎で味わえる本格的博多ラーメン「だるま大使@高崎」
藤岡から高崎へ。R17を北上しR18へ入る。碓氷川に並行して走る中山道沿いにその「だるま大使@高崎」はある。藤塚町「少林寺入り口」先(上り車線側)のゲームセンターの「右隅」だ。あまりにゲーセンが派手なので,店そのものが目に入らず何度もその周りをぐるぐる回ってしまった。まずこの店に来たら頭上に金髪の達磨が飾られた入り口を入り,右脇のホワイトボードに名前と人数を記入しなければならない。駐車場は満車だったので漠然とその空きを待っていて,少し時間をロスしてしまった。祝日の夜9時過ぎで待ち客は15組ほど。人数で言えば40人くらいになるか。中で待っていてわかったのだが,ラーメンが出てくるまでの手順に無駄はないのだが「替玉」制をとっているので客がなかなか席を立たないのだ。店内は倉庫をそのままラーメン店にしたような独特な雰囲気。店員にも活気がある。「だるまラーメン・650円」は基本的に本格的な「博多ラーメン」のスープ。かなり濃度(粘度)があり,こってり好きは大満足だろう。「博多」とは麺が違うだけ。普通の太さだが食感はいい。替玉で「博多麺」をオーダーすれば,固めのストレート麺でまんま「博多」になるから,食べ比べるのも面白い。もちろん「辛子高菜」「紅しょうが」「にんにく」「タレ」もテーブル上にあるから,味的にも「替玉」は必然になろう(100円・反応はすこぶる早い)。とんこつ醤油の「パート2」や「しょうゆだるま」というのもあった(各650円)。ボード記入後名前を呼ばれるまで,自由にしていられるから,行列でもらくである。呼ばれた時点でそこにいなければ簡単にとばされるが・・・。
三国街道を北上。高崎から一直線に北上する独特の雰囲気の「街道」である。渋川からR354(長野街道)へ。草津方面に向かうのである。もっとも目的は六合村の奥の「尻焼温泉」。「日帰り・寄り道温泉【ベスト380湯】」(辰巳出版)で調べたら24時間入湯可能な河原の温泉と言う・・・。カーナビの指示どおり,中之条町から四万温泉に向かい(R353),途中で左折する。そのまま進んで行ったら道がどんどん細くなる。前に草津に行った時はこうだったかなぁと,すれ違いも困難な山道を登って「暮坂峠」に出た。あとで気がついたのだが,この道は一応「日本ロマンチック街道」などと名前がついているもののほぼ「林道」である。深夜のせいもあるだろうが,対向車も全くなかったのだ。素直に行くなら多少遠回りでもR145で長野原町に出てR292で北上するのがいいだろう。六合村に入り野反湖方面へ(R405)。「道の駅」があった。
「尻焼温泉」は行き止まりの秘湯。河原沿いにひなびた温泉が何軒か固まっている。しかし街灯がほとんどなく,河原の温泉などどこにあるのか全くわからない。入湯を断念。そのまま車中泊。エルグランドは家族4人足をのばして眠れるから楽である。でもまわりの風景がよくわからないのはけっこう不安だったりするが・・・。
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快適に目がさめた。娘2人と「尻焼温泉」河原の露天風呂(3畳ほどの掘っ立て小屋だけど)で「朝風呂」。けっこう熱めだ。一方河原の方は昨晩の雨で上流のダムが放水したとかで湯温がまるで低くとても入れない。家族で一緒に入れると水着持参で楽しみにしていた妻は泣く泣く断念する。もちろん河原小屋の温泉は混浴(こちらは水着不可)だが,着替える場所などなくさすがにわが妻といえども「遠慮」していた・・・。
温泉プールのある「バーデ六合」に行くことを予定していたのだが,10時の開館まで時間を持て余してしまう。急遽「日本海」を見に行くことに決定。唐突な話だが我が家はいつもこんなものだ。長野原町まで戻り,中之条町経由で沼田へ。そのまま北上し水上ICから関越自動車道に乗る。目指すは長岡IC。「国境の長いトンネルを抜けるとそこは雪国だった・・・」と言うように,長い関越トンネルを抜け湯沢に出ると,穏かな天気だったそれまでの風景は一変し,暗い空の寒々とした天気になっていた。
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安福亭@長岡 : 新潟県長岡市千手2-2-29 <0258-33-3751>
 ★ 北陸・長岡の「ラーメン二郎」?「安福亭@長岡」
長岡の町は初めてだ。風景が違う。商店街も道幅が広く,降雪に備えてかアーケードがないのでスカスカした感じがする。「ここまで雪が積もるんだぞ」と娘に社会勉強(?)させてめざすはやはりラーメン屋。「全国おいしいご当地ラーメン」(竹書房)で大崎&石神マークのついていた「安福亭@長岡」だ。日本全国どんなところにも行列店はある。狭い間口のレトロな造り(もちろん自然な)のこの店も店外にあふれる行列。そしてそのラーメンは小ぶりなどんぶりに背脂こってりに甘めの醤油味スープ。そしてうどんのような極太麺。まるでこれは・・・・。
目的の日本海へ。R352で出雲崎町に出る。海沿いの道は独特の「空気」がある。いつも太平洋を見ている僕からすれば,午後の日差しの向こうに海が広がると言う感覚が不思議だ。「道の駅・越後出雲崎天領の里」はすぐそこ。娘達はその中の「日本海夕日公園」で遊ぶ。海に突き出た観光ブリッジ「夕凪」の先端にはたくさんの名前入りの「錠前」がかけられていた。そういう縁起物なのだろう。最初に考えた人に金物屋さんは感謝すべきかな?敷地内にあった芭蕉像・良寛像で家族の記念写真。大きなタイルの日本地図に乗って,いかにこの新潟が茨城から遠いか娘達に力説するのだが,反応は今ひとつだ。
日本海沿いに北陸道を北上する。木造の家は新築でもみな板壁の重ね張りの独特なもの。寺泊漁港に近づいたら大渋滞。周辺に何もないのにこの一帯だけはディズニーランド並の人・人・人・・・・。もちろん我が家はここに対抗する那珂湊から来ているのだから海産物のお土産には興味がない。先を急ぐ。FM放送で「かぐや姫特集」をやっていて,それを聞きながらのどかな日差しの弥彦山を越え巻町へ。
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こまどり@巻 : 新潟県西蒲原郡巻町竹野町下田2454-1 <0256-72-2827>
 
次の目的は「こまどり@巻」だ。広大な田園地帯がどこまでも続く県道の「竹野町交差点」の西側。「こまどり」と大きな看板がよく目立つ。待合室らしきものまである広い店内。奥へ続く長いカウンターの中には店主クラスの風貌の年輩の「職人」が3人。ほかに若いのやおばちゃん,お姉さんが忙しく動いている。かなりの繁盛店のようだ。なんとなくこの独特のつくりは以前にTVで見た覚えがある。「新潟の巻町の店」なんて言われても遠くて行くことはないだろうと考えながら見ていた記憶がある。その店に今こうして来ている。われながらよくやると思う・・・。さてそのおすすめの「味噌ラーメン・680円」は具(野菜)だくさんの太麺で,樽のこげ茶色の味噌で注文ごとに鍋で煮込む感じの深い味のスープ。「濃かったらこれで割ってください」と小どんぶりで「割りスープ」が出てくるのが独特だ。そんなに「これだ」と言う特徴はないと思うが,あらゆる世代に一般受けするラーメンと言うべきか・・・。
どこまで行っても水田ばかりの平野を抜け新津ICへ。磐越自動車道で喜多方に向かうのである。
福島といえばZOUさんの「福島ラーメンミシュラン」が有名なのだが,出発時にここまでくることは予想していなかったので調べて来ていない。またも「全国おいしいご当地ラーメン」(竹書房)の登場である。
実は「喜多方」に来たのは過去に2度だけ。2度とも「まこと食堂」である。予定が遅れ午後7時近くになってしまった。1杯食べてこどもの好きな「温泉」で旅を締めくくりたい。「全国おいしいご当地ラーメン」(竹書房)に掲載されている「まこと食堂」「坂内食堂」「大安食堂」「なまえ」「源来軒」の中で,その時間でも営業しているはずの「源来軒」を目指す。が,案の定閉店していた。周囲の聞いたことない名前の店にも行列があったから,有名店が時間まで開いていると思うほうが甘いかもしれない。その点「なまえ」はけっこうマニアックな店かなと思ったがやはりこれまた「閉店」。途方に暮れてしまう。ここまで来て何の情報もない店に飛び込みで家族で入店する勇気は今の僕にはないのだ。時間的にも「喜多方」は断念する。
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いさみ食堂@会津若松 : 福島県会津若松市馬場町1-13 <0242-22-0064>
会津のレトロな店に手打ちラーメン「いさみ食堂@会津若松」
またも「全国おいしいご当地ラーメン」(竹書房)を調べて,会津若松の「いさみ食堂@会津若松」に決定。町の中心部の飲食店が立ち並ぶ通りのそのまた裏通りにあるこの店は,天然のレトロ。奥のトイレなど住まいの玄関に面していて,そこが昭和30年代の安い旅館の帳場のようになっていて実に懐かしい感じがする。店内の壁にも黄ばんだ色紙がずらっと並べて貼られていて,懐かしい名前ばかりである。往年の有名店なのだろうか。ラーメンとチャーハンを組み合わせて注文する。スープはオーソドックスな醤油味だが,麺は手打ちの太麺で特徴的だ。チャーハンはなぜか甘目の味付けで閉口したが,娘達はけっこう喜んで食べていた。1人いた先客のおじさんと話をしていたら,ここの女将さんが茨城出身と言う。実家の話で妻と盛り上がっていた。帰りにお土産だといって煎餅を袋ごとくれた。ラーメン的にはあまり収穫はなかったが,旅の思い出としてはいいものができたと思う。
時間的に「温泉」は断念する。ここから素直に帰るなら磐越自動車道で帰るべきなのだろうが,いわきを経由することになり距離的には遠回りだ。一般道なら斜めに茨城に入っていける(要するに経費の節約なのだが・・)と,猪苗代湖の北端を通り郡山に出る。4号線を南下。白河を目指すがカーナビの指示で途中から棚倉方面へ。そのカーナビを見たら「自宅まで100km」。この何もない田舎道をずっと行くのはつらいよなぁと愚痴を言いながらひたすら走る。いつもなら連休の帰りは,中央高速や東名高速でどんな渋滞になっても「東京でのラーメン一杯」を楽しみに,だんだん都会に近づく安心感で運転してきた。「『北』に行くと帰りの気持ちが沈むからダメだよね〜」と妻。やはり我が家は東京をからめないと満足できないようだ。たとえ帰りの時間がかかっても・・・。
棚倉を超え,矢祭から茨城街道(R349)で茨城県に入り里美を抜け常陸太田へ。さすがにその頃には眠くなってきて,妻に運転を今回初めて交代してもらう。午前零時過ぎには自宅に着いた。連休の帰宅時間としては我が家では早い方である。まぁ明日(5日のこどもの日)は休みだからいいだろう。こどもを近くの「国営ひたち海浜公園」に連れて行って連休らしくしよう。今回の旅行はあまり(全然?)こどもの楽しみがなかったし・・・。
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