● 2001年 8月の食べ歩き
■ 8月25日(土) 久しぶりの「二郎@三田」&「さぶちゃん@神保町」にて・・・ 二郎@三田/さぶちゃん@神保町/吉村家@横浜
■ 8月26日(日) 安曇野散策〜「渋温泉外湯巡り」と長野の「丸長」2軒 丸長@中野市/丸長@湯田中
> ちなみにこの月に食べた地元の店は以下の通り ≫ 『食べ倒し日記 2001/08』へ
8月31日(金)●にんたまラーメン@大洗
8月30日(木)●とんこつ家@水戸・平須
8月24日(金)●えぞっ子@水戸・五軒町
8月17日(金)●げんこつや@那珂町・豊喰
8月10日(金)●屋台ラーメン@ひたちなか
8月08日(水)●とんこつ家@ひたちなか・高場
8月07日(火)●菜花@水戸・泉町
8月05日(日)●達達@水戸・東前
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■ 8月25日(土)二郎@三田/さぶちゃん@神保町/吉村家@横浜
●久しぶりの「二郎@三田」&「さぶちゃん@神保町」にて・・・(「どんぶり会議」にも投稿・2001/08/27)
● 休みなしで働いた今年の夏,放っておいた娘達のために,「夏休み」期間の最後の土日は家族サービスだ(と言う名目で狙うは「日祝休の東京のラーメン」)。本当はずっと狙っていた「梅もと@鬼子母神」が目的だったのだが,電話で確認するとなんと8月一杯土曜は休みとのこと。残念。午前中の仕事をこなし,自宅を出発。常磐道をひた走る。八潮の料金所から先が大渋滞だったが,湾岸線に抜けて大井インターから1号線を北上する。目指すは久々(2年ぶり)の「ラーメン二郎@三田」。なんとか3時の閉店前に到着しほっと一息。この店に間に合わなければわざわざ高速代(2950円+700円)を払って急いできた意味がなくなるもの。 ● 当然,この時間でも「ラーメン二郎@三田」は店外に10人ほどの行列。じりじりと夏の太陽が照りつける中を家族4人で並ぶ。もちろん,この店に子供を連れて行くのは無茶だとはよく認識しているのだが,妻に「久しぶりだから私も食べたい」と言われては,子供だけ他の店で待たせるわけにもいかないもので・・・。20分ほどで順番が来た。カウンターだけの店なのだが,調理場のお兄さんの計らいで4人うまく並んで座ることができた。 ちょっとトイレに行って戻ると,「お金,返されちゃった」と妻の手に小銭が。
「???」と思っていると,カウンターの中からおやじさんが
「娘さん達は食べきれないと思うのね〜。だいじょうぶ,うまく分けますから。」
「・・・でも,(1杯分を子供2人で分けようと)元々ラーメン3人分なんですけど・・・」
「だいじょうぶですって,もうけはちゃんとありますから(笑)。」
そこまで言われては厚意に甘えるしかない。さてラーメンができた。
「はいっ,これはちっちゃいお嬢ちゃんの分ね」
・・・それでも普通の店の1人前はカルくある(汗)。あっけにとられる小1の娘。
それに続き,次々と出された4杯のラーメンは一般的に言えば全く普通の量。懸命に食べる(笑)。妻ががんばって下の娘の分まではクリアできたのだが,上の娘の分は僕のがんばりが足りず3割ほど残してしまった。
「すいません,ちょっと残しちゃいました・・・(小声)」
「(娘に)大丈夫だった?どうもありがとね〜」
「ごちそうさま〜」・・・家族4人満腹。戦いのあとの満足感(笑)。でも,クルマに戻り,妻に改めて聞くと,返されたお金はなんと「900円」。すると我が家はラーメン1杯分の値段(450円)で4杯食べてきてしまったことになるのか・・・。各々にチャーシュー,野菜はちゃんと普通に入っていたし・・・。
・・・おやじさん,それじゃ絶対に「儲け」なんかないって・・・
申し訳ないやら,ありがたいやら・・・。でも子供に対してそう言うポリシーがあるんだろう。だからこうして20年前も今もこうしてファンは行列しているんだろうと妻と納得しあった。(>「ラーメン二郎」)
● さてその勢いで,次は「さぶちゃん@神保町」。ここも「日祝休」の店だから,土曜に上京したときしか食べられないのだ。少し時間をおこうと,駿河台の錦華公園に車を止めて「明治大学リバティータワー」を見学。2年前(1999/08/28)とまるで同じコースである。公園で少し娘達を遊ばせて,徒歩で神保町へ。学生時代毎日のように来た「いもや」「伊狭」のある路地を抜けて行く。「あかしや」はどこに行ったのだろうなどと見回しているうちに白山通りに出た。妻と娘は喫茶店でコーヒー&ケーキタイム。 ● 「さぶちゃん@神保町」。ここもまた20年前と変わらぬ行列だ。キッチングランの奥に昔と同じ方向に並ぶ行列を見つけ,思わず顔がほころぶ。向かいにある,いかにもという黒い扉の喫茶店(スナック?)もむかしのまんま。この風景の懐かしさだけでも来た甲斐がある。U首の白シャツに半ズボン,そして長靴姿のさぶちゃんがふらっと店から出てきた。ちょっと緊張する。実は2年ほど前に久しぶりに来たとき(1999/05/01)に,意外にも顔を覚えられていて(>「久々のさぶちゃんで感じたこと」)感慨深いものがあったのだが,それでも僕程度の「かつての常連」(20年前は「週」1〜2回だが,その後は「20年間」で3〜4回しか行ってない)はいくらでもいるだろうし,それで馴れ馴れしくはできないよなと,目を伏せていた(またも2年ぶりだし・・・)。 15分ほどで店内へ。左手前の端の席,さぶちゃんの手元までしっかり見えるお気に入りの席だ。注文は「半チャンラーメン」,さぶちゃんがじろっとこちらを見たのを感じた。そしてラーメンを差し出すとき,さぶちゃんが低い声で
「しばらくだね」
・・・まだ覚えられている(汗)。ちょっとあせる。だって今日は(今日も?)二郎からの2時間空きの連食。ちゃんと食べきれるか不安があったのだ。しかし「半チャン」は食べたい・・・。この機会に食べなければ,次に食べられるのは僕の場合,また数年後になりそうなのだ。必死で食べた。ラーメンは意外にすんなり入ったものの,チャーハンでてこずる。元々ここのチャーハンは「しっとり」したタイプのものなのだが,この日はそれがさらに加速して「べったり」(笑)。味も濃いめだったし・・・。でも,そんな今日の状態をあれこれ考えながら食べるのが,またうれしかったりして・・・。
汗をかきかき苦労して食べていると,さすがにそれを見かねたのか
「無理して食べなくていいよ〜」とさぶちゃんがにやっと笑う。ラーメンだけのとなりの客は食べ終わってしまっていたし,いつまでもこうして席を占領しているのも悪いかなと
「じゃあすいません,ごちそうさまです」と立ち上がった。
「夏は体調がいろいろだからね。無理しない方がいいしね。」と言ってくれたので
「・・・トシとっちゃったからですかね〜(連食とは言えないし,みえみえの言い訳)」と僕。
「いや夏は夏バテとかあるからね・・・」と真面目なフォローのさぶちゃん。
「じゃぁ,ごちそうさま〜」(今度来るときはもっと「空腹」にして来ますから・・・一般の人は普通そうだろうが・汗)「ありがとうございました〜」いつもの「音程」でさぶちゃんの声が店に響いた。
● 「二郎@三田」と「さぶちゃん@神保町」,20年前も今も変わらぬ行列のこの2店。ネット上での扱いは微妙に(かなり?)違う両店になってしまったが,「味」だ,「素材」だ,「手順」だなどという評価のレベルを遙かに超えたところで,人を引きつける何か大きな要素がどちらの「おやじさん」にもあるのだろう。 「オレが作れば,いつでもそれが『二郎』の(『さぶちゃん』の)ラーメンの味なんだよ」とでも言いたげな・・・。
単純に「うまい」だけの店なら,20年前と違い今は他にいくらでもある。でも,僕が感じるような「懐かしさ」とはまるで縁がないような若い世代の人がたくさん,当然のようにどちらの店にも並んでいたから,一時期の流行とかではなく,世代を越えて延々支持されているのだろう。
● 一昨年の「夏休み家族サービス」はがんばって富士急ハイランドに行ったのだが(>日本の遊園地の基本「FUJI-Q HIGH LAND」攻略法),今回は体力的にそう言う気力がない。せめて1日目に少しは娘達を喜ばせようとお台場へ。前に1時間半の行列で断念した「パレットタウン」の巨大観覧車(>「お台場の大きな観覧車」)を狙ったのだが,案の定1時間の行列。あっさり挫折。「MEGA WEB」(トヨタのクルマのテーマパーク)と「ヴィーナスフォート」(「女性のためのテーマパーク」と言う)で暇を潰す。結局安上がりなものになったが,子供はけっこう喜んでた。 ● 風呂に入ろう。レインボーブリッジ手前の渋滞につかまりながらも,「久松温泉@池上」(>「ラーメン」と「銭湯」の熱い関係)までたどり着く。黒い温泉でほっと一息。風呂上がりのアイスで子供も満足。 ● そして横浜へ。この日の3杯目は「吉村家@横浜」。実は初めて食べる。店のある場所は,横浜駅にほど近い「岡野交差点」そば,向こうに「東急ハンズ」まである横浜の一等地。ラーメンでこんな場所にビルを建てたのだからここのオヤジさんもまた伝説の人である。今や関東一円どころか全国に展開する(と言ってもチェーン店ではないが)「家系ラーメン」の起源となる店だ。店前には当然15〜6人の行列。でも予想したよりは少なかったかな。まず食券を買ってから並ぶシステムのようだ。店前でぐるっと回る縁台に座って待つのだが,一度に10人以上をまとめて入れるので,見た目ほどには時間的に待たなくて済む。ふた廻り目で順番が来た。30人ほどが座れそうなカウンターのみの明るい店内。新しい分こぎれいで,「家系総本山」の風格がある。もっともこちらには,(やはり)オヤジさんはいなかった。わかってはいたが,ちょっと残念かな。お馴染みの格好(白シャツに白ズボンにはちまき)の若い店員が「なごやかに」作っていたから,例の怒鳴り声は聞けずなんか拍子抜け。さてそのラーメンは,初めて食べるものの他の家系をいろいろ食べてきた身としては,さしたる感動があったわけではない(妻も同意見)。でもけっして不満があるわけではない。酒井製麺の麺は申し分のない茹で加減。ほうれん草の絞り具合も程良く,予想通り「ワイルド」なトンコツ醤油スープの脂っぽさを緩和してくれる。僕自身が「家系」と言う言葉も知らぬ内(7〜8年前)に「こうや@矢口渡」に出会い,そこから「匠家@水戸」「わかとら家@取手」「元町家@宇都宮」「笑の家@南麻布」「六角家@横浜」「石川家@岩槻」とさかのぼっていったという,極めて変則的な家系経験値だったので,「マイルド」系のトンコツ醤油に慣らされてきたんだなとしみじみ思った。こうして大元の店の味を知れば,「家系」らしいorらしくないと言う「基準」はこの吉村家にどれだけ似ているかと言う点に集約される。たしかにマイルド系の「こうや」や「匠家」は家系の本流からは外れることになるのかもしれないと感じた。でもどちらの味も好き。これが本音。ただチャーシューは「煮豚」ではなく「焼豚」で,脂身も少なく単品としては丁寧な感じでいいとは思うのだが,家系独特のクセのある濃厚スープと香辛料がけんかして,ちょっとうんざりしてしまった。妻もそのことをしきりに言っていた。「もっと感動すると思っていたんだけど・・・」。贅沢なものである。僕はひたすら「納得」した。やっと食べることが出来たホッとしたと言ってもいいかな・・・。 ● せっかく横浜まで来たのだからと,わざわざベイブリッジを経由して(夜景を楽しむのだ)湾岸線から都内に戻る。そのまま中央高速へ。普通なら都下でもう一杯食べたりするのだが(>「東京都下の有名ラーメン」)さすがに今日はその気が起きなかった。
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■ 8月26日(日)丸長@中野市/丸長@湯田中
●安曇野散策〜「渋温泉外湯巡り」と長野の「丸長」2軒
● 朝食は中央高速「八ヶ岳SA」の「とろろ御飯」。茶碗一膳のご飯の上にとろろがかかったシンプルなものだが,さっぱりしていて朝食にはちょうどいい。何よりも210円という値段がうれしい。こう言ったところの麺類はただ単に食欲を満たすだけで,味的に納得することはないもの・・・。 ● その場でガイドブック(「マップル・長野」(昭文社))を見て本日の行き先を検討。発想的には,妻:「山梨なら清里かな・・・」〜僕:「10年前ならともかく,今さら「清里」という発想は時代遅れだよ・・・」〜妻:「でもハーブのアイスクリームとかあるし・・・」〜娘×2:「ハーブのアイス食べたい」〜「ならば他のところで・・・かるく温泉とか入りたいし・・・」と言う感じ。いつも我が家はそんなもの。と言うわけで「日帰り・寄り道温泉【ベスト380湯】」(辰巳出版・1998)の中の「温泉達人・野口悦男が選ぶ屋外湯のある日帰り立ち寄り湯ベスト20」の中から一番現在地に近い「馬羅尾天狗岩温泉・すずむし荘@安曇野」をチョイス。中央道から長野道に入り豊科インターからR147を北上。でも開館は10時から。ちょっと時間が早い。その近辺にある手ごろな施設と言うことで「池田町ハーブセンター@安曇野」へ。「ハーブのアイスクリーム」があったのが決め手である。 ● 「池田町ハーブセンター@安曇野」(長野県北安曇野郡池田町大字会染・9〜18)へ。JR大糸線の東側をR147に平行して走る大町明科線の「道の駅」でもある。センター内はまさに「ハーブ」一色。施設自体はそんなに派手さはないが,女性なら満足できる素朴な施設である。もちろん店頭の「ハーブアイスクリーム」(250円)は,大人でも納得できる味。娘達は時間をかけて大事そうに食べていた(笑)。 ● R147「大門」交差点を西進して「すずむし荘@安曇野」(大人500円 木休 10〜20:30 <0261-62-8500>P100台)へ。松川村村営の宿だが日帰り利用できる。湯は天然ラドン温泉だそうで、薄い褐色の湯。ねっとりしていてありがたみがある。平屋だが広大な敷地を贅沢に使った落ち着いた造り。館内はコンクリート打ちっ放しでけっこう今風。だが本の中で「安曇野の田園風景を堪能する」と紹介されていたほどの類の眺望はない。男湯からは側面の駐車場が目の前に見えるため落ち着かない。でもまぁゆったりとした時間を過ごす。休憩スペースは狭いため長い廻廊の途中で広い中庭を見ながらくつろぐ。隣の敷地に「安曇野ちひろ美術館」(9〜17・水休・8月&GWは無休で18時まで・12〜2月冬期休館・大人800円・中高500円・小300円<0261-62-0772>)がある。いわさきちひろと現代の絵本作家を紹介しているそうだ。すずむし荘に割引券があったからこれを使えば1人100円ずつの節約になる。 ● ちなみにこの周辺の観光地は以前にも何度か来たことがあって,手ごろな温泉施設としては立山・黒部に行ったとき(1998/05/04)に入った,大町アルペンライン沿いにある「アルプス温泉博物館・薬師の湯」(大人500円小人300円・4〜21・無休<0261-23-2834>)や,豊科インターの東,篠ノ井線田沢駅東側(「田沢北」交差点東進)の山の中にある「豊科温泉・湯多里山の神」(大人400円中学生以下200円・10:30〜20:30 <0263-73-5422>)が印象深い。上高地・乗鞍方面なら白骨温泉の「泡の湯」(1997/09/15)がおすすめ(「泡の湯旅館」<0263-93-2101>)。白濁の混浴湯なので,家族で楽しめる。更衣室が別で湯面まで衝立で覆われているから肩までつかって進めば女性でも混浴に抵抗がないのだ。昼間でも若いカップルとか多かったのが印象的。あと乗鞍高原の入口にある安曇村村営の「湯けむり館」(大人700円・3才〜小学生300円・9〜16:30・4月末から11月初めまで営業で期間中無休)も樹齢500年の木曽サワラの浴場に満たされた自然湧出の源泉の泉質がよく気に入っている。屋外の石造りの露天風呂からは乗鞍連峰が一望でき,朝風呂には最高だった。 ● 昼食は今回のメインと言うべき(もちろん僕にとってだけだが)「丸長@中野市」(長野県中野市大字新保26-2 土休 11〜14・日祝〜15<0296-26-7108>)なのだが,安曇野からカーナビで検索したら距離は90km。しかも一度「豊科インター」まで戻らなくてはならない。一般道なら白馬から長野まで山を超えるコースもあったのだがここは貴重な時間,高速を使おう。1時過ぎに中野市着。なんでもない地方都市の道をひた走る。町中を抜け、中心部からちょっとはずれたのどかな風景の中に「つけめん丸長」の看板があった。よくある田舎の食堂と言った感じの外観。2階建てだが1階部分(本来こちらが元々店舗だったのではないか)は閉めていて,脇の外階段から2階に上がることになる。2階の入口は普通の家庭の木製ドア。窓もないし特に看板もない。嵌め殺しの窓際にテーブルが6台並び,内側の小上がりに6人座卓が3台。造りとしては喫茶店(と言うか田舎の明るいカラオケスナック)を一部改造したと言った風情である。昼のみの営業なのでこの時間も満席。入口に待ち客が5人ほど。10分ほど待たされる。メニューは「つけめん」のみで,並が500円,中盛は100円増し,大盛りが200円増しと言う構成。あとは具の差で「たまご」or「わかめ」は600円。「えのき」が700円,「メンマ」が800円,「チャーシュー」が900円と言った感じ(プラス300円の「メンマ」ってどんなものなんだろう?)。大盛りはかなりの量だが,「たれのみ・250円」というのもあるので大盛りを2人で分けても節約にはなるまい。と言うわけで我が家も大盛り×2,並×2で注文。麺は圧倒的。幅広で平たい手打ち麺で厚め。タマゴの味を感じる。「麺好き」なら誰もがそそられるタイプの麺である。つけ汁はさらっとしたした感じで魚系。ほとんど具はない。なると・メンマ・チャーシューの切片が少々混ざっていると言う程度。もう少し標準の具が欲しいところだが,この麺に500円という値段ではいたしかたないところか。我が家の場合この程度の量は難なくクリア。妻が調理場入口の壁に「茨城学園丸長より」の飾り額があるのに気づいた。「丸長@つくば」のことだろうか?訊いてみようと思ったが,どの女性が女将さんだかわからなかったので断念。 ● 「丸長@須坂」(長野県須坂市大字須坂東横町344 月夜休 11〜14:30/18〜24 <026-246-6060>)への連食も考えたのだが時間的に昼の部には間に合いそうもない。「丸長@湯田中」が近いことがわかりそちらに向かう。湯田中の温泉街からは大きく外れた,何でもない山間の店。近くの小学校が実に「のどか」。まだ満腹だったので,店の場所を確認しただけで温泉街に戻る。 ● 「湯田中温泉」をうろうろしていたら隣町の「渋温泉」に出てしまった。町中を抜けて,不安になるくらい狭い山道を通り,餌付けされたニホンザルを観察することができる「地獄谷野猿公苑」をちょっと見て,また温泉街に戻る。さぁどうしようかと町の中央の町営駐車場に行ったら,雑誌では「旅館宿泊者専用」になっている「渋温泉外湯巡り」が日帰り客でも可能とのこと。小雨も降っていたので急遽それに決定。駐車料(500円)を払い,『巡浴手拭』を300円で購入していざ出発(入浴料は大人500円・無休・6〜22・早く閉まる番湯もある)。大型の封筒大の木札がついた『合鍵』で扉を開けながら,全長400mほどの町内にある「一番湯」から「九番湯(結願湯)」を巡る。各々の湯の泉質が異なり(たとえば「六番湯」=「目洗いの湯」=眼病に効くと言った具合),全部廻って「九(苦)労」を流すというわけだ。手拭いには,縦に右から「一番湯」〜「九番湯」の字が染め抜かれているので,各番湯の朱色のスタンプを各々の字の下に押して歩くスタイル。何度かTVの旅番組で見た覚えがある。ほとんどの浴場が脱衣場半坪,浴場一坪ほどの狭い浴場で,古い木造建築(たとえば「野沢温泉外湯」のようなもの)と言った風情があるわけでもない。はっきり言えば中途半端に古い平凡なもの。だが,アイデアの勝利なのだろう。手拭いにスタンプを押したいがために親子4人,お湯にドブンと入っては「お〜い出るぞ〜」の繰り返し(女湯と男湯は壁一枚で天井が共通)で,家族4人で大騒ぎしながら廻ってしまった。汗が乾くまもなく着替えてまた入るの繰り返しだから,汗かきの僕は最後はずぶ濡れ状態。仕上げは街の中心部にある「結願渋薬師庵」に参拝して祈願するというわけだ。観光的には「一番」〜「三番」と「九番」(結願湯・天然の蒸し風呂が着く)を入れば十分だと思う。入口外にあるスタンプは入浴しなくとも押せるのだ(御利益は薄れるだろうが)。番外として町はずれの温泉寺に「薬湯信玄竈風呂」(これは別料金・大人300円・小中150円・10〜18:30・木休)と言うのもある。狭いながらも風情ある木造旅館が並ぶこの温泉,実にいい雰囲気だ。おみやげはもちろんお約束の「温泉まんじゅう」。巡浴手拭いと同デザインの湯飲みも買ってしまった。 ● 火照った体で予定通り「丸長@湯田中」(長野県下高井郡山ノ内町大字佐野616 火休 11:30〜21<0269-33-0625>)へ。店自体はそれほど古くはないが,昔の民家の土間の部分にテーブル席と座卓用の小上がりを追加したような独特な造り。もちろん奥に大きな座敷が二つほど。とりあえず「中華そば・450円」と「つけそば・500円」を注文し,娘達には豊富なご飯ものと思ったのだが意外に麺類がいいと言う。とりあえずつけそばを大盛り(600円)にして「チャーハン・650円」を追加。レバニラも頼んだのだが「レバー切れ」で断られる。ラーメンはまぁ普通の印象。特に「丸長」を感じさせるものはなかった。つけそばも,つけ汁はそこそこ具沢山だったが肝心の麺の印象が弱く,ちょっと拍子抜け。地元のニーズに合わせて変貌していったと言うパターンか。チャーハンはなんとミックスベジタブルが入った甘めの味付けで,これは家族にも不評。「このあたりのチャーハンはこういう甘めが普通なの?」と思いながら食べていて,結局残してしまった。先客が入れ替わりで帰った後は,僕達以外他に客はいなくて,おかみさんはテーブル席で家族の写真の整理を始めてしまった。まぁ,実にのどかな店かな。立派な材料をふんだんに使った,どっしりした店の造り自体は実に独特で,かなり珍しいとは思うが,ラーメン的には遠方からこれのみを目的として行くような特徴はない。もっともこの先延々前橋までそそられるような店はひとつもなかったから,時間的に言ってこの店で食べたのは正解。街道沿いの中途半端な店に家族で入って,結局満足できずどっと後悔するくらいなら,こうして「丸長」と言うブランドを長野で経験できたことの方が数倍意義がある(かな?)。「サザエさん」の第1話が終わったくらいの時間に店を出る。あたりはすっかり暗くなっていた。 ● 帰路をカーナビで調べたら湯田中から自宅まで約270km。しかも高速で東京経由ではかえってかなり遠回りになる(上信越道から関越道なら350km・中央道なら400kmと言うところか)ので基本的にここからは一般道で行くしかない。R292(=志賀草津道路)を東へ。途中の分岐点からスーパー林道を北上すれば「野沢温泉」だ。8年くらい前に当時乗っていた4駆車(ハイラックスサーフ)で来たことがある。志賀高原あたりから今まで経験したことがないような深い霧になった。5m先くらいまでしか道が見えない。おまけに妙に人っ気がない。対向車も来ない。センターラインだけが頼り。不安な気持ちのまま「渋峠」を越えてなんとか草津まで。日曜の夜でしかも雨だからか,温泉街は意外に静かだった。草津から東に向かえば六合村だが(昨年ここの奥の「尻焼温泉」に来た>「北関東〜磐越横断ラーメンツアー」・2000/05/04),そのまま南下して長野原町へ。ここまで来ればあとは東に向かって,「渋川」を超え「前橋」まで一直線・・・だと思ったのだが,この先が長かった。なかなか「街」が見えてこないのだ。眠気もピークになる。なんとか前橋を過ぎ,R50に乗ってからは水戸まで単調な一本道。道も広いので妻に運転を代わってもらい助手席で爆睡。余裕があれば帰途の群馬〜栃木あたりでラーメンをチェックしたいところだが(>1997/11/03には佐野で2杯),今日は眠くてそう言う発想がついに出てこなかった。途中でまた運転を交代しながら,自宅に着いたのは午前1時過ぎ。けっこうハードな「お出かけ」だったが,これもいつものこと。あまり子供向きではなかったが,まぁいいか。娘達もこういうパターンにはすっかり慣れているし(笑)。「渋温泉外湯巡り」はきっと記憶に残ったことだろう。
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