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『ハードボイルドなある日の食べ歩き』
〜敬愛する『ハードボイルド氏』に捧ぐ〜

参考『文体
東京のラーメン屋さん(とらさん)」の「とらさんダイジェストvol .39
ラーメンとちょっとだけのブルース」の「固ゆで玉子」
・・・要するに俺のは『パクリ』だな

俺はハードボイルドだから本当はラーメンなんか好きじゃねーんだぜ。だけどな,「茨城」なんていう環境的にハードボイルドなところに住んでいて,しかも土曜もしっかり仕事があると,日休の東京のラーメンは祝日しか食えねーんだよ。だから祝日は無理しても東京に行くんだよ。これは宿命だね。義務とも言うぜ。
で,まずは「武蔵@新宿」だよな。「今さら」って笑うなよ。1回食っただけなんだからしょーがねーじゃねーか。しかも,今日は朝,少し仕事してから家を出たから(おまけに柏で1杯食ってたから)3時半になっちまった。でも祝日は通し営業で4時ごろ終わるのは調べてあるぜ。列の最後に並ぶ。渋いじゃねーか。締めの一杯で店主と勝負するんだよ。・・・「すいません今日は並んでいる方で終了なんです」。えっ俺?ホント?そういう時はなんか書いとけよなぁ・・・って小さい看板に書いてあるじゃねーか。でも俺は茨城から来たんだぜ。あきらめきれねーよな。・・・「ひとりだけでも駄目ですか」「えぇぎりぎりなんです。すいません」「あっそうですか」って並んでるやつがこっち向いて笑ってるぜ(恥ずかしい)。まぁ,掃き掃除しているその若いあんちゃんに免じて許してやるよ。でもな,次に来た時は許さねーぜ。開店前に並んで1杯目を食ってやるからな。30食限定の「黒味噌」だぜ。うしろに並んでいても2杯食ってやる。今日の分もな。味玉もつけてやるからな。
するってーとどこに行けばいいんだ。愛車のMGBに戻って決めた行き先は・・・「ブクロ」だな。明治通りを飛ばせば,クルマならあっという間だよ。池袋西口には日休の店が多いんだよ。「えるびす」「ぶしょう屋」「ごとう」・・・今日は「ごとう@池袋」だな。こういうときは「つけめん」食うのがハードボイルドってなもんだ(意味ねーよ)。そばの公園にクルマをとめてっと,ん,なんだこの人の群れは?いくら「ごとう」が行列店だからって異常だぜ。しかも若いやつばかり。はは〜んわかった。受験生だな。そういう時期だモンな。昔のことなんですっかり忘れてたぜ。それにしても「リッキョー」なんてナンパな大学受けやがって,許せねーな。えっじゃぁ俺が受けたのはどんな「ハードボイルドなガッコー」かだって。「立大」じゃ駄目だね。「都立大」だよ(・・・落ちたがな。受かってりゃ小宮悦子と同期だったのにな。まぁいいか)。地味に目立つ。ハードボイルドの基本だね。おっ「ごとう」も行列だね。階段の下から上まで並んでるじゃねーか。「なにここ?ラーメン屋さん?なんで並ぶの・・・」 後ろを通る受験生がひそひそ言ってるぜ。合格したら毎日食べな。でもリッキョーの女の子じゃ食わねーかもな。もったいねーなー。・・・「すいません一番後ろの方で終了なんで,後の方断ってください」。「ごとう」のブラザースの兄貴のほうが来たぜ。後ろのカッコイイ兄ちゃんがその役だ。助かったぜ。ハードボイルドな俺はそんな役は似合わねーしな。・・・20分並んでやっと座れたぜ。「つけめん,中盛りで」。「中盛り」にしても同じ値段っていうのが渋いじゃねーか。ところで,ここには「あつもり」ってのもあるんだが,固めに茹でた麺を冷水で締めて,また別の湯で茹でるんだぜ。ハードボイルドはそんな中途半端な麺は食わねーんだよ。水でそこそこ冷えた麺を熱々のスープにつけていっきに食うのが『通』ってモンだ。おっ,来たね。どんぶりに盛った麺がまぶしーぜ。これをべちゃっとつけ汁につけてっと(蕎麦じゃねーんだからたっぷりつけてもいーんだよ)。・・・うめー。やっぱこの店は「つけめん」だよな。この麺はつけ麺じゃなきゃ生きねーよ。あっという間に麺完食。「すいません,スープを・・・」 スープ割りだよ。これでスープも飲みきる。そしてきれいにどんぶりを重ねて返す。これがホントのハードボイルドってなもんだ。
さて次は,って3杯目じゃねーか。でも普通だよ。東京まで来てるんだ。1杯2杯じゃ帰れねーよな。で,行き先はまた「ジュク」だな。新宿だよ。いーじゃねーか。俺の時代はそー言ったんだよ。で,「花火や@西新宿」だ。激戦地「小滝橋通り」にあえて出店する。その心意気を買うんだよ。店に入ると「焦がしネギ」の甘い香り。そそるじゃねーか。枠が木枠でトップがステンレスのカウンター。渋いねぇ。おっ浮いてるね〜黒い「焦がしネギ」。ゴミが浮いてるみてーだよな。「ごみラーメン」って言えば「永楽@大井町」で決まりだが,新宿でも食えるってことはいいことだ。「ちゃぶ屋」より店の周りの環境が「ハードボイルド」だから,ますます気に入ったぜ。
とどめの1杯だよ。どこかって?。「若月@新宿」だよ。「思い出横丁」のな。真面目な学生だったから寄りつかなかったんだが,この年になると抵抗ねーぜ。おっと,焼けてるね〜。こないだ昼火事があったんだよな。心配したが,なんとか持ちこたえたみてーだな。うれしいぜ。こんな東京のど真ん中に,こんな昔のまんまの一角がある。そこに価値があるんだよ。なくすわけにはいかねーよな。横丁のど真ん中の奥に「共同便所」もあるしな。路地を入って・・・ここだね。ビニール幕でおおってるけど,カウンターは奥まで満席だぜ。「どうぞ中に〜」・・・ちょっと迷ってたら呼ばれちまったぜ。入らないわけにはいかねーな。ラーメンは400円。いまどき,この値段は泣けるねぇ。2階で打ってるっていう麺はいかにも手打ち。不揃いだ。しかも固め。スープは・・・まぁいいか。ソース焼きそばのほうがうまそうだったと言っておくぜ。麺がこの店のすべてなんだと思うよ。いつまでも元気でな,若月さん。
さぁ帰るとするか。いつもどおり青山通りの自販機で・・・何買うのかって。「カルピスソーダ」だよ。しかも500mlのな。いーじゃねーか。渋く決めながら,ちょっと可愛いとこ見せる。これもハードボイルドの基本なんだよ。カルピスは「初恋の味」。ハードボイルドは炭酸の効いた「初恋の味」,昔からよく言うじゃねーか(言わねーか)。

これを真面目に書くとこうなる>(2000.2.11

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