●永楽@大井町
品川区東大井5-3-2 月休・第3火休 11:30〜21:30 TEL03-3471-8252
■ 「永楽@大井町にかつての喜楽を見た」
大井町の駅への通りの商店街の裏通り、というかまさに「路地裏」に知る人ぞ知る老舗「永楽」がある。この店に来たのは10年ぶりくらいだろうか。古い店がひしめくその路地裏の奥に、全く昔と変わらぬ佇まいで「永楽」は今もあった。店の左側の戸(右側は出口専用)を開けると、L字型のカウターにきっちり囲まれるように一段高い調理場がある。低いカウンターの席から少し見上げるように見ると、奥には丼が重ねられた木枠の棚。開襟の白衣に小さな帽子(正確には何というのだろう)のいかにも昔風な職人が黙々と働いている。調理場の中も、白いカーテンがかかる木枠の窓に囲まれたその店の中も,昭和50年代どころか30年代にまでタイムスリップしたかのようである。そう、私が20年以上通い続ける渋谷の「喜楽」がかつてこういう感じだったことを思い出した。そしてここのラーメン(530円)も喜楽風なのである。どちらが古いかわからないが、色は濃いがさほどしょっぱくはないスープに独特の揚げネギ、麺は固めの平麺、煮玉子に軽くゆでたモヤシがのり、それが小振りの器に盛られる。つるつるした平麺とシャキシャキのモヤシが,揚げネギによって甘みが出たスープとマッチして心地よい。私が好んで食べた昭和50年代の喜楽の中華麺がそこにあったのである。この日4杯目のラーメンだったが、無理なく食べられた。脂身の少ない厚めのチャーシューだけは固くて残したが・・・(1999.4.18)
●2004年11月16日(日)
久しぶりに大井町まで来たなら,ましてやのこの路地まで来たなら,あの「永楽@大井町」に行きたくなるのはラーメン好きとしては仕方のないところだろう(笑)。すでに満腹なのだが,ラーメン一杯くらいなら食べられると,路地裏の懐かしいこの店へ。時が止まったように昔のままの環境だ。閉店間際の時間だが満席の活況。調理場の職人さん3人が黙々と働いていて,フロア係のおばちゃんの声だけが響いている。ラーメン(530円)を注文。スープは今の基準からすれば化調の効いた薄っぺらな味なのだが,みっちり浮いた揚げネギの香ばしさと平麺がよくマッチする。平麺自体はかなり柔らか目だったが何となく懐かしい味なのだ。やはり昔の喜楽の味がする。軽く茹でられたもやしの食感が心地よい。具は煮詰まったような固い味玉に,脂身がなく縁の黒い,これまた煮詰まった感じの厚めのチャーシュー。周りの人の注文を聞いていると,野菜あんかけの「もやしラーメン」(?)が多い印象。次の機会に食べてみたいものだ(いつになるかはわからないが・・・)。
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