GO HOME > BACK
● 奥飛騨〜高山〜能登半島・ラーメンと温泉の旅(00/09/22〜24)その2
● |
越中東街道(R41)を北上し,富山に向かう。地図で見ると山間部を走るくねくねした道だが,道幅は狭くなく順調だ。ただし土砂降りの雨。ちょうどシドニーオリンピックのサッカー「日本vsアメリカ」戦後半戦の時間だった。でもクルマのTVが映ったのは最初だけ。県境あたりではラジオもよく入らない。「1-0」から「1-1」「2-1」「2-2」と展開する試合を,雑音の中大騒ぎして聴きながら走る。そして延長戦からPK戦へ。中田が外し,日本の敗戦が決まった時クルマは富山市内に入った。どっと力が抜けてしまう。これでオリンピックの楽しみがなくなってしまった。あ〜あ。
|
● |
さて,「富山のラーメン」と言っても何の予備知識もない。頼ったのは「ご当地ラーメン」の巻末リスト。こんな時はとても重宝する。大崎&石神,両巨頭の推薦マークが並んだ「まるたかや牛島店」に決定。頼りはカーナビのみ。富山駅の向こう側のあまり人気のない幹線道路沿いにあったこの店にたどり着いたのは9時過ぎ。外は相変わらず土砂降りの雨・・・。
|
★ まるたかや@富山:富山市牛島本町1-1
0764-32-6127 |
● |
正面と手前壁側にあるカウンターだけの狭い店だが,客は満杯。店員も4〜5人いて活気がある。「ラーメン天国」と書かれたどんぶり。濃い目の醤油味に肉系の油。ニュルニュルとした柔らか目の麺。けっこう最初のインパクトが強いラーメンだ。揚げ玉のようなもの(尾道ラーメンの背脂ミンチみたいなもの)が自由にトッピングできるのが面白い。こってり感が加速し,好きな人にはおすすめ。無臭ニンニクもあった。富山の人はガツンとくる「濃い目・脂多め」が好きなのかな?かなり「おでん系のメニュー」が豊富で,地元客はラーメンを待つ間,当然のようにそれらを注文していた。そう言うものなのだろう。こう言うことも話のタネになって面白い。
|
● |
能登半島に向かうことは決まっているのだが,なんの情報もない。しかも地図を忘れている。あるのはカーナビだけ。さすがにそれでは不安なので,富山駅前の目抜き通りまで戻り,ちんちん電車が走っていることに夫婦で感動しながら「本屋」を探す。買ったのは「まっぷる・北陸」(昭文社)。 |
● |
すぐそばの北陸道・富山ICから能登を目指そうと思っていたのだが,金沢を経由するのでかなり大回りになる。R8で高岡を目指し(このへんでは「8番ラーメン」と言うのが実に多いが,10年以上前に来た時食べてさほど印象に残っていない),R160で氷見に向かう。そこからR415で能登半島の根っこを横断するように羽咋市へ。思ったより順調である。有料の能登道路を柳田ICから北上し,能登半島の中央に位置する穴水町にある最終SA(とは言っても駐車場とトイレだけ)「別所岳」で車中泊。午前0時をまわり,ほかにクルマは1〜2台。とても寂しいが,ここまで来れば明日の道程もかなり楽になるのだ。と言うか,こういうスケジュールでなければ我が家の場合こんな遠くまで来ることはできないのである。
|
■9月24日(日)思いつきで能登半島一周・金沢でラーメン2杯 |
● |
以前のデリカ・スペースギアに比べれば,今のエルグランドは快適で,2列目のキャプテンシートを横にすれば,7人乗りでも1列目に娘2人,2〜3列目に妻と僕が各々足を完全に伸ばして寝ることができる。けっこう快適。問題があるとすれば,子供達が朝早くに目を醒ましてしまい(しかも元気に)なかなか寝ていられないことか・・・。 |
★ 輪島の朝市:輪島市朝市通り
7:00〜昼頃 毎月10・25日休
Pは「いこいの広場」を利用(無料) |
● |
幸い雨もあがった。能登道路の終点から輪島までは20km弱,早起きしたんだから「輪島の朝市」に行こう。道路の表示も「朝市・10km」と言った具合で,「朝市」と言えば輪島に決まっていると言う感じだ。狭い町中を抜けると北の海側に無料駐車場(=いこいの広場)があり便利。さてその朝市は思ったよりこじんまりとしていて,普通の商店街の道の両側に野菜・干物・民芸品などの店が並ぶもの。イメージどおり年輩のおばあちゃん達がお決まりのように呼び込みをしているが,野菜類はともかく干物や民芸品とかは「手造り」と言う感じではなく工場のものを雇われて売っていると言う感じだ。僕自身,海の人間なので水産物関係にはあまり魅力を感じなかったが,そうは言っても輪島塗の箸を買ったり,漬物を買ったり飾り物の民芸品を買ったりと大忙し。まぁ「朝市」と言う「雰囲気」を味わうにはちょうどいいだろう。 |
● |
さぁ,ドライブだ。輪島から能登半島北側の海の縁をなぞるように,R249で能登の突端を目指してひた走る。いつも地元では明るい太平洋を東に見ながら走っているため,北側に海を見ながらひなびた漁村を走るのは「遠いところに来ているんだ」と実感できて気分がいい。途中,山の斜面に畦の曲線が幾重にも広がる「白米の千枚田」,海に飛び出した大きな岩場にぽっかり穴があいた「窓岩」,真冬になると波の花が舞うと言う「曽々木海岸」と観光スポットを抑えつつ(記念写真を撮るだけだが),県道28号線で最北端の灯台「禄剛崎灯台」へ。小高い山を登るのはちょっとこたえたが,芝生で整備された灯台のまわりから眺める日本海は大パノラマ。「ウラジオストックまで772km」と言う標識を見ると「最果てまで来た〜」と言うのが実感できる。頭の中ではずっと石川さゆりの「能登半島」が流れていた。もうここは演歌しか似合わない。この先,先端部やや南寄りのよしが浦温泉「ランプの宿」はあまりにも有名(寄らなかったが・・・) |
● |
最先端から南下し珠洲市へ。R249に戻り南下すると見附海岸。ここに「見附島」がある。穏かな海にそびえる高さ30mの島で別名「軍艦島」。10年以上前(結婚前)に1人で能登を旅した時に一番印象に残っているスポットなのである。その時撮った写真を妻が見て,いつかここに行ってみたいといつも言っていた。無理だと思っていたが2日間だけの連休なのにここまで来ることができたことに感激。同じポーズで見附島をバックに記念写真。もちろん家族でも撮った。こんな遠くまで来て写真を撮って,その1枚の写真に家族の思い出が詰まる。その共通の思い出を作ることができることが旅の全てだ。これはお金には代えられない。こんな無茶な強行軍でもTVの旅番組で言った場所が出るたびに「ほらここ行ったろう」と娘達に言えることが,なかなか休みが取れない父親としての最高の喜びなのである。 |
● |
恋路海岸を横目に見ながらR249を南下。お昼時なのだがさすがにこんなところではラーメン店の情報があるわけがない。さりとてそそられるレストランなんかもなかなか見つからない。こんな時はコンビニに限るのだが,コンビニそのものがないのだ。途中の町(地名忘れた)の大きなショッピングセンターの食堂コーナーでで昼食。カレーにチャーハンにお好み焼き・・・もちろんシェークにアイスクリーム。娘達はこう言うところのほうが喜ぶ。「みそラーメン」まで注文したのにはまいったが(こんなところのを頼むなよ〜)。 |
★ 和倉温泉総湯(温泉センター):バスターミナル北側・駐車場は建物の周りに3ヵ所 |
● |
能登島に架かる橋を遠目に見ながらさらに南下。ここらで温泉だ。能登半島の温泉と言えば「和倉温泉」だろう。加賀屋だ銀水閣だと大きなホテルの名前の印象が強く,さぞや賑やかな温泉街なのではと思ったが意外に静かな温泉地だった。地形的に平坦なのがそう感じさせるのかもしれない。日帰り入浴施設の情報がなかったので,地図で街の中心にあったこの「総湯」へ。期待通り共同浴場だったが,新しい建物で「風情」はなかった。入浴料は500円。1時間ほどゆっくりする。 |
● |
高田ICから能登道路に乗る。ここまで来たら「金沢」にも一応足跡を残したい。海沿いの高台を日本海を右手(西側)に見ながら一直線の道を快適に走る。太平洋側に住む我が家にとっては,海自体は珍しくなくても「海に沈む夕日」は珍しいのである。ほんと穏かな休日の午後だ。 |
● |
金沢に入った。以前来た時も感じたが,かなり大きな町である。しかも華やか(PARCOもあるし)。さて,金沢に来たら「兼六園」だろう。しかし時間は午後5時を過ぎている・・・。 |
★ 兼六園@金沢:金沢市兼六町1-25
無休 7〜18(冬季は8〜16:30) ¥300 P550台(有料) |
● |
岡山の後楽園,水戸の偕楽園と並ぶ日本三大名園の一つだが,我が地元・偕楽園から比べればこの兼六園は規模も美しさも圧倒的に勝っていると思う。今回も,桂坂口(正面入口?)で記念写真を撮っただけで,園の中に入ったわけではなかったのだが,そこから堀を通して見える金沢城址公園(整備中だそうだ)も含めて見れば実に立体的な造形でまさに「観光地」。無料の「偕楽園」とは違い,有料にするだけのことはあるなぁと勝手に思っていた。ちなみに「兼六」とは「宏大・幽邃・人力・蒼古・水泉・眺望」の六勝を兼備していることだそうな。次回は娘の教育のためにも入園してみたい(いつになるかはわからないが・・・) |
● |
さて金沢でも一応ラーメンをチェックしなければ・・・。 |
● |
同名店(たぶん本店)が尾山町にあるが,電話したら日曜は昼の営業だけと言う。こちらは夜もOKだと言うので来てみる。兼六園の東側の大きなビルが立ち並ぶ通り,片町交差点の近くの路地を少し入ったところにある。奥の深いすっきりした店内。店長は女性のようである。メニューはチャーシューメン(650円)とその大盛り(850円)のみ。一品で客が喜ぶから「一喜」だそうな。トンコツ醤油味にやや酸味のあるスープは,はっきりした味つけ。麺は中太麺。それに薄切りチャーシューが多数。ひょっとしたら本店はもっとワイルドな感じなのかもしれないが,こちらは全体的にすっきりした感じで,とても無難な感じにまとめられていると思う。でも個性は十分に感じることができた。 |
● |
もう時間は午後6時をまわっている。しかもここははるか北陸の金沢。自宅までどのくらいで帰れるのかまるでよそうもつかない。妻や娘が呆れるなか,僕は途中で気になったあるラーメン店に向かう。 |
● |
もちろん店内にも大きく表示されている通り,東京のかつての大行列店「なんでんかんでん」の出身の人の店である。北陸道・金沢西インター近く,R8沿いのかなり大きな店。ラーメンは600円。博多らしい固めの極細麺で,スープはねっとりとした本格的な博多(長浜?)流。嫌な臭みがないのがいい。色は茶濁と言うより灰色と言っていいくらいだ。キムチ・ザーサイをトッピングしたメニューまであるが,シンプルにラーメンだけでも勝負できる充実振り。金沢の人はこのラーメンをどう評価しているのだろう。はじめてこのラーメンを食べればかなりインパクトは強いと思う。大きなJ字型のカウンターとボックス席が並ぶ店内はほぼ満席だった。 |
● |
さぁ帰ろう。時間は午後6時40分。とりあえず金沢東インターから北陸道に乗る。なんと新潟まで290km。関越道にせよ長野道経由の中央道にせよ東京に向かう分どうしても遠回りになる。連休の最終日,都心に向かっては渋滞は避けられない。それも辛い。妻と道中いろいろなパターンを考えて出した結論は新潟から磐越道で東西に新潟〜福島を横断しいわきに出ると言うパターン。遠回りになるが渋滞の心配はない。ただひたすら走るだけ。妻のリクエストでダビングしておいた「スターウォーズ・特別編」を見ながら変化のない北陸道を新潟に向かう。10時前には着いた。 |
● |
問題はここからだ。磐越道はまさに山の中を,しかも対面通行で延々と200km以上走るコース。ジェットコースターに乗っているようなものだ。幸い交通量は極端に少なく,順調に時速100km以上をキープして走ることができた。いわきから常磐道に入ればもう帰ったようなものである。睡魔に襲われることもなく,健全な状態で自宅到着。このとき午前1時半。途中休憩とかけっこう入れたから,実質6時間くらいで北陸の金沢から自宅(茨城県の中央のひたちなか市)までこれたことになる。便利な時代になったものだ。でもまた走れと言われたらちょっと考えるだろうなぁ。いずれにせよ,たった2日の連休で能登半島1周まで出来たことは大満足である。このコースなら山陰方面だって不可能ではないと思えてきた。懲りない男である。次はどこまで行こうか? |
|ホーム|はじめに|茨城の麺|東京の麺|食べ歩き日記|