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ラーメン好きならこれを読め!!

どんぶり楽天ブックス」開設記念

おかげさまでこの4月(2002/04)でHPを開設して丸3年を迎えた。アクセスは30万に近づき,思いつきで始めた自己満足のHPがここまで来たことに感慨深い物がある。さて,ビジュアル重視のこの時代に,テキスト重視・文字だけの「読ませるHP」(まぁ文字ばっかだから読むしかないのだが・笑)を目指してここまでやって来たが,このたびオンライン書店の「楽天ブックス」と共同で,その名も「どんぶり楽天ブックス」を開設した。この3年間,飽きるほど来る「バナー広告」等々の掲載以来を断り続け(ただでさえ重いODNがさらに重くなるのがイヤだったのだ)ここまで来たのだが,HP上から「楽天ブックス」上の好きな本に直接リンクでき,しかもその本がネット上で購入できるという利便性に共感して導入を決意したわけである。

もちろん本という物は,書店でパラパラと見て買うのが僕自身一番好きなのだが,例えば目的の本を探したけどなかなか見つからず,書店を何軒かまわってしまったり,やっと見つけた残り1冊の本に折り目とかついていてどうも気に入らないなんて言う場合(僕なんかはそう言うタイプ・本はきれいに読みたい・で,なかなか捨てられないと・・),書店で注文してまた取りに行くより重宝するのではないかと思っている。もっとも僕は経営するわけではなく,実際の発送〜決済はすべて「楽天ブックス」の方で行い,僕のサイトがその「入口」となって,本の紹介を担当するだけなのでご安心を(笑)。決済はカードor代引きで,2〜3日で宅配。送料は全国一律210円でなんと1500円以上なら無料だそうだ。時間帯指定・ギフト発送もできると言う。買いたい本が決まっているなら交通費かけて探すよりお得だろう(笑)。> 「どんぶり会議」に投稿(2002/04/01)

そこで,やはりラーメンのHPとしてここまでやって来たわけだから,ラーメンについて,是非読んで欲しい本を集めた新しいコンテンツ としてこの「ラーメン好きならこれを読め!!」を書くことを思いついたわけだ。まずこの3年間で印象に残ったラーメン関係の本を思いつくままに挙げてみた。順次,より内容を充実させて行く予定である(2002/04/08)。

読み物系

無敵のラーメン論」 大崎裕史 著 ・講談社(2002/03/20)
ラーメンを味わいつくす」 佐々木晶 著・光文社(2002/01/20)
ラーメンの経済学」 河田剛 著・角川書店(2001/09/10)
湯気のむこうの伝説・ラーメン偉人伝」 垣東充生著・大村明彦企画 新宿書房(2000/12)

ラーメン本系

週刊現代2002年・最強のラーメン307軒」講談社(2002/01/10)
ラーメンSELECTION 2002」石神秀幸 著・双葉社(2001/12/09)
全国おいしいご当地ラーメン」大崎裕史・石神秀幸 竹書房(2000/01)

茨城関係

茨城のうまいラーメン・2001年版」 ラーメン食べ尽くし隊編・茨城新聞社(2000/11/27)
みと食事典2002」水戸食事典発行事務局(2001/12/21)

読み物系

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無敵のラーメン論」 大崎裕史 著 ・講談社現代新書(2002/03/20)680円
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アクセスすでに数百万の超人気ラーメンサイト「東京のラーメン屋さん(とらさん)」の主宰者にして,ネットラーメン界の大御所の大崎裕史氏が初めて出した「読み物系」の本。こう言った新書形式のラーメン本は,昨年秋以降ネット関係の2氏(↓の佐々木氏・河田氏)から相次いで発刊されていたので,正直,「新書でラーメンを語る」パターンは,さすがに「年間1000杯のラーメンを食べる男」の異名を持つ大崎氏と言えどもちょっと苦しいかなと思っていた。が,さにあらず。まずラーメンの「素材」(ダシ・タレ〜麺〜具)を提示して,それに関わる今もっとも新しい全国の話題のラーメンを写真付で紹介するという展開で作り上げてきた。これには感服。後半の東京ラーメンの「系列」は,人気店の今昔の縦横関係がわかり,まさにマニアが喜ぶレアな情報。第二部の「ラーメンの日本地図」では各地の一番新しい人気店を紹介している。これはネット人脈を駆使しての実際の食べ歩きが基本となっているのが強み。まさに全国約4000軒,8500杯のラーメンを食べ尽くした「日本一ラーメンを食べた男」の集大成とも言うべき本である。巻末の全掲載店リストが住所だけなのがちょっと残念。せめて電話番号でも載っていればよかったのだが・・・。
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ラーメンを味わいつくす」 佐々木晶 著・光文社新書(2002/01/20)700円
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著者の佐々木晶氏は東大大学院の助教授(惑星科学)でありながら,「第7回TVチャンピオンラーメン王」でもあると言う異色の人。氏の登場によって2001年以降,ラーメン関係の話題が新聞文化面へ登場する機会が増えた(ように思う)。つまりそれまでどこか娯楽的で,「よくやるよな〜」的に見られていた「ラーメン食べ歩き」を,一般活字媒体の中でひとつのジャンルとして認知させ,その「文化的価値」を高めたのではないかと僕は思っているのだ(笑)。本の内容は著者の人柄そのままの優しい語り口。ラーメン店通いを「愉しむ」氏のスタイルを紹介した上で,ラーメン講義・基礎編としてラーメンを語る上での必須事項をレクチャーし,メディア(インターネット等々)との関わりに議論を展開する。中盤では各地の食べ歩きの旅(いわゆる「ご当地所」でない点が面白い)を披露して,最後に巻末(と言っても全体の3分の1を占める)の全国「お薦めラーメン店350軒」へ。すべてコメントが添えられているのが実に丁寧。職業柄,つくば・東海村等茨城に来る機会も多いそうで,その350軒に茨城の店が7軒も掲載されているのは興味深い。僕が初めて県外(町田〜府中)で開催した『第3回どんぶりサミット』や県南の店を食べ歩いた『どんぶりサミット in TSUKUBA』に参加してくださったラーメン仲間でもある。
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ラーメンの経済学」 河田剛 著・角川 Oneテーマ21(2001/09/10) 571円
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著者の河田剛氏は現役の大手証券会社員。本職での著書(訳書)もすでにある氏が,ラーメン歴20年の実績をもとに新書タイプで書き上げた硬派の本。表題からすると固い本をイメージしがちだが,エビスさんのようににこやかな素顔通り,内容も硬軟取り混ぜて非常に読みやすいものになっている。軽く「『ハレ』のラーメン」と言うエッセイから始まり,ラーメンブームの構図や経済景気との関係,ビジネスとしてのラーメン,脱サラ経営のケーススタディと本来の得意分野をわかりやすく解説した上で,インターネットとの関係やフリークの日常を面白おかしく描き,最後は「味(=うまさ)」そのもの(調味料の意義・旨さの概念等)にまで言及する。「ラーメンを真面目に,でもちょっと力を抜いて語る」と言う僕のHP開設の意図にも,最も合致する新しい形の「ラーメン本」と言えよう。お薦め。この先,ネット上だけでなく一般的にもラーメンを「語る」上で避けては通れない「基本書」となると思う。「ラーメンを語る意義」を高めてくれたことに感謝したい。そして,これだけのものを仕事に並行して書き上げたことに感服である。東大卒の企業アナリストと言う著者の肩書きからすると,茨城の人間から見ればかなり縁遠い人に思われがちだが,実は僕のHPの数少ないオフ会・「どんぶりサミット」に計4回も参加してくれた「ラーメン仲間」でもある。ラーメンの原点が「大勝軒@東池袋」「喜楽@渋谷」「さぶちゃん@神保町」と言うのも僕と共通だ。もちろん,現在の話題の店にも足繁く通う現役のラーメンフリークでもある(笑)。
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湯気のむこうの伝説・ラーメン偉人伝」 垣東充生著・大村明彦企画 新宿書房(2000/12)1800円
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「武蔵」「くじら軒」「東池袋大勝軒」「井出商店」等々,有名ラーメン店のご主人の半生をドラマチックに綴った異色の本。元々は大村氏の超人気ラーメンサイト・「ジャンボのラーメン三昧」の一コーナーだった「ラーメンは人なり」が単行本になった形なのだが,ネット上で発表された当時からすでに一個人のサイトのコーナーの枠は超えており,その着眼点・取材力には圧倒されていた。考えてみればラーメン屋のオヤジは,その店に行けばたいていの場合会える(と言うかそこに「いる」)人なのであり,極めて一般的な人。スターでもなんでもない。ところが不思議なもので,その人生をこの本でかいま見て人気ラーメン店ができるまでの経緯を文字で読むと,僕のようなラーメンフリークはうなずき,感心し,涙してしまうのである(笑)。およそラーメン屋のオヤジの半生を知っても,一般社会で役に立つ機会なんてそうそうあるとは思わないのだが,やはりその店のラーメンを食べる時に知っておけば,また違う味わいでその店のラーメンを楽しめるのである。なかでも,僕が1978年に食べ歩きを始める前からの有名店だった(>「1975年のラーメン穴場十傑店」参照)「大勝軒@東池袋」の山岸さんの話は感動的。ラーメン好きを称するなら知っておくべきエピソードだろう。一時の流行ではなく,今なお大行列のそのわけがよくわかる。著者の垣東氏は数多くのラーメン番組に関わるテレビ制作会社の人。インターネットとの関わりもかなり深い(笑)。この本,おそらく一般の書店で見つけるのはもう困難なのではないか。表紙は「東池袋大勝軒」主人の山岸さん。「大勝軒」ファンなら必読の本と言える

ラーメン本系

今でこそ,インターネットでラーメンの情報はいくらでも検索できるが,やはり食べ歩きの基本は「ラーメン本」だ。僕自身,食べ歩きのきっかけになった1978年の「アングル」以来,すべて情報源はラーメン本だった(>「宿題のラーメン・参考文献リスト」参照)。たしかにこの時代,情報の新しさならインターネットだろう。そのために(自分のためにも)このサイトを立ち上げたと言う部分もある。しかし,自分でHPを作っていてよく思うのだが,情報をコンパクトにまとめると言うのはたとえ自分で書いたものであっても,けっこう面倒なものなのである。写真や地図付きのものに至っては不可能に近い。僕の技術ではページを編集しプリンタを駆使したとしても,時間ばかりかかってしまうのだ。それらがすべて記載された本を持ち歩いた方が断然いいに決まっている。「iモード」だの「モバイル」だのと言うこの時代になっても,基本的な情報は『書籍』の方が便利なのである。だって電源が要らないし,すぐ書き込めるし・・・。(「茨城のうまいラーメン」発刊までのいきさつ・序章より)

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週刊現代2002年・最強のラーメン307軒」講談社(2002/01/10)838円
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世にあまたある一般のラーメン本は多かれ少なかれネット情報に依存している,もしくはその前のラーメン本を焼き直しているという印象を持っているが,どうもこの「現代本」は独自の基準を持って実際に話題になる前の店を記者が食べ歩いているという印象がある。ネットに接続できる環境ができる以前(1990年代)は,週刊現代でたまに特集される3〜4ページほどのラーメン記事には随分と助けられた。当時,TVも含め他の媒体では,レアな新店情報はほとんどなかったのだ。もっともこの2002年版では,巻頭と巻末にネット関係者(大崎氏・佐々木氏・沖本さん)の記事もあるので,両者の情報力が融合した,まさに現在最強のラーメン本と言えよう。307軒もあっても決して大きく外れる店が無いのが,昨今の東京のラーメン店の充実ぶりを示すもの。茨城の僕から見ればうらやましい限り。
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ラーメンSELECTION 2002」石神秀幸 著・双葉社(2001/12/09)933円
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第3・4回TVチャンピオンラーメン王選手権2連覇実績を持ち,週刊誌に情報誌に連載多数のフードライター石神氏の最も新しい本。それにしても,僕がHP解説当時の1999年に,石神氏が初めて出した「ラーメン王」は実に衝撃的だった。それまでのラーメン本の常連だった中堅老舗系の店に依存することなく,マスコミ系に初出の店をそろえて新しいラーメン本を作り上げた。そしてその質が実に高かったのだ。ネットに接続して日の浅かった僕には,掲載されたほとんどすべての店が新鮮だった。もちろん当時からネットの情報にも依存している部分もあったのかもしれないが,実際に片っ端から食べ歩いているようだ(僕も話題にしなかった水戸の店に来たという話を聞いたことがある)し,少なくとも一般の人にも売れる個人名のラーメン本の先駆者になり,それが言わばマスコミに通じる「石神本」と言うブランドになった,その功績は大きい。これはその2002年版。すでに巻頭の「NEW COMMER 2002」の店は行列店になっていると言う事実が示すとおり,現時点で東京近郊の「絞った」最先端の店を知りたいラーメン好きは必見・必携だろう。
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全国おいしいご当地ラーメン」大崎裕史・石神秀幸 竹書房(2000/01)800円
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超人気・巨大ラーメンサイト「東京のラーメン屋さん(とらさん)」主催の大崎裕史氏と,TVチャンピオン2連覇の若きラーメン王・石神秀幸氏と言う,ラーメン界の2大巨頭が選んだ全国の有名ラーメン店が網羅されている。発売からすでに2年以上経過しているが,世にこの系統のラーメン本は数あれど,全国各地を代表する名店を1冊に集めた本は,おそらくこの本だけなのではないだろうか。本編は各ご当地ラーメンの人気店・有名店を写真入りで紹介。もちろんその部分は十分に有効なのだが,僕の場合,この本の価値はむしろその巻末のリストにあると思っている。ネット上の情報を集約して選び出したと思えるその『県別』のリストは,ラーメン好きなら納得できるうまい店がそろっている。僕などは地方に行く場合(>「家族の旅日記」参照)の必携本。だいたいにおいて,地方に行って何の情報も無く飛び込みで入った店で,うまいラーメンに出会える確率はゼロに等しい。自分の勘だけで街道沿いのラーメン店に入り,「う〜む」と唸っていた数年前の自分。今考えればなんと効率の悪かったことか。日本全国どこに行っても,評判のうまいラーメンを食べたい人は必ず持ち歩くべき本だろう。ちなみに,なぜか我が茨城だけは巻末のリストに1軒も掲載されていないので注意が必要だ。もちろんこの場合「茨城のうまいラーメン」(茨城新聞社刊、・2000/11)を参考にすべきなのであるが、やはり新しい情報はネットにかなわない。その場合はこの「どんぶり一杯の幸せ」を見るべきなのである(笑)。

茨城関係

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茨城のうまいラーメン・2001年版」 ラーメン食べ尽くし隊編・茨城新聞社(2000/11/27)933円
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この本は僕のサイトの読者なら説明不要だろう。詳しくは「『茨城ラーメン本』発刊までのいきさつ」 を参照されたい。3万部を売り上げ茨城新聞社始まって以来の初期売り上げを記録した記念すべき本である。単なるラーメン店紹介の本ではなく,読み物としても面白いと言う声をよく聞く。僕としては取材期間の短さ,その結果としての地域的な偏りが今も心残りである。それは次回作で修正できる?
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「みと食事典2002」 みと食事典発行事務局 (2001/12/21)1400円
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水戸周辺の飲食店を網羅したガイドブック。その中心メンバーの『水戸食べ歩記』主宰のエミーさんは古いネット仲間で,その関係でラーメンの部分は僕が紹介した店が大半を占める。水戸周辺に関しては,上記「茨城のうまいラーメン」より新しい情報が載っている(笑)。ただこの本,地域限定のためか楽天ブックスで扱われてはいないようだ。水戸周辺の書店で手に入れるしかないだろう。TVチャンピオン・ペーパークラフト王3連覇の大熊光男氏の作品が表紙のその本はとても洒落たデザインで,内容も濃く,値段はちょっと高めだがその価値は十分にあるガイドブックだと思う。巻頭のグラビアもとてもきれいだ。我が郷土にちょっと誇りが持てる?(笑)。

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