● 神戸・大阪・広島のラーメン
「しまい@広島」「すずめ@広島」「陽気@広島」「朱華園@尾道」
「お好み村@広島」
■ 神戸ラーメン・第一旭@三宮:神戸市中央区旭通 5-15-2 無休 10〜翌5
東京にも支店が明大前(甲州街道)と池袋(川越街道)にあるようだ。昭和62年(1987年)のangle別冊「全国版・究極のラーメン屋さん・全609」にも掲載されていて「神戸ラーメンの樹立をめざしている」と書いてあるから,当時から東京志向の傾向はあったのかもしれない。東京の2店で食べたことがあるが,薄切りのチャーシューがたくさん入っていることが印象的だったがスープそのものは味が(塩っけが)足りなくてもの足りなく思った覚えがある。これでいいのかなあと思ったのだ。
さてその「三宮本店」は,三宮駅南口から高架沿いに東に向かい右折した路地にあった。白い建物でクレープでも売ってそうな明るい店だった。一家4人で,Bラーメン(チャーシュー麺・650円)とCラーメン(チャーシュー大盛り麺),そしてチャーハンを食べる。麺はストレート麺,薄切りのチャーシュー(味付けは濃くない,というか余り味は感じないもの)が盛られるのは東京と同じ。あともやし・青ネギがのる。問題は少し背脂が浮いたそのスープだ。一口食べて東京の2店と違い,醤油味を感じる。やっぱりこれくらいはっきりしてた方がいいよなあと食べていたのだが,だんだんしょっぱさが強く感じて食べづらくなってきてしまった。少しもの足りなく思える東京の店の方が,あの麺とチャ-シューには合っているのかもしれない。店から出て7才の娘に「どう思う?」って聞いたら娘も「もう少し薄い方がいい」と言っていた。ちなみにチャーハン(500円)は皿に盛られたパラパラのもので,コーンと何かの実が入ってること以外は,よくある味だった。全体として,関東にもよくあるチェーン店展開するタイプの店のひとつという印象を持って店を出た。(1999.5.2)
■ 神座@心斎橋:大阪市南区心斎橋 2-8-26 無休 11〜翌 5
「神座」と書いて「かむくら」と読む。やはり,昭和62年(1987年)のangle別冊「全国版・究極のラーメン屋さん・全609」にも掲載されていた。それよりもテレビで,創業者が鍵をかけた寸胴鍋にスープの秘伝の材料をいれてスープをつくり,誰にも教えずにチェーン店展開している行列店と紹介されていた記憶がある。前から大阪に行ったら一度は食べてみようと思った店である。
大阪に着いたのは連休中5月4日の深夜,しかし大阪は右も左もわからない。カーナビだけを頼りに御堂筋のまわりをぐるぐる回り,やっと心斎橋店の看板を見つける。御堂筋に車をとめてひとりで食べに行く。入口から入ろうとすると横から「食券どうぞ」と言う声,なんと映画館のチケット売場のようにガラス窓に穴の開いたチケット売場があったのだ。半チャ-シュー麺(1000円)を頼んでみる。出てきた食券はメモ用紙にボールペンで記号を書いただけの物というのが大阪らしいか。店内はU字型のカウンターが奥までのびた細長い店で,ズラッと客が並ぶ。窓は丸いガラス窓。店員は洋食コック風の帽子とスタンドカラーの白衣で決めている。元気はいい。店内は若い客で一杯である。この雰囲気だとこってりラーメンが出てきそうだが,出てきたラーメンはすきとおった薄い醤油色。薄切りのチャーシューがたっぷり盛られている。その他にスープに混ざる豚肉,青菜,白菜といったところ。スープを一口飲んでみての印象は「肉の味」。僕の味覚ではそう言う表現になってしまう。東京近辺では今まで経験したことのない味だ。強いて言うなら明大前の「DAIICHIASAHI」あたりが元のスープそのものの系統的には近いかもしれない(タレは全然違う)。もっと深い何かがありそうだがわからない。まあ僕が一口飲んだだけでわかるくらいなら鍵をかける必要もないだろうが・・・。食べてるときは「ふーん」と思うだけだったが,今こうしてこの文を書いていてもう一度食べてみたくなってきた。トンコツコッテリの店のようにクセになる系統の店ではないと思うのだが,何か後をひくものがあるのである。東京に支店は出さないのだろうか。(1999.5.4)
■ 明日来@姫路:姫路市辻井1-12-28 火休 11:30〜15/17〜22 <0792-91-3719>
●2004年05月04日(祝)・・・『長崎から広島へ,平和を祈るラーメンの旅』
無化調のスープは,豚骨スープが3日間ずっと続いていた僕には,最初ちょっともの足りなくも感じたが,食べ進むうちにじんわり旨味が広がって満足の1杯に。セットの唐揚げ,チャーシュー 丼も丁寧な作りで好印象。姫路と言う地域性はあまり感じない,今風のラーメン店だったが,旅を締めくくる1杯を安心して食べられた(笑)。ところで,壁に記事が貼ってあって初めて気がついたのだが,ビッグ錠の漫画キャラが表紙の「ぴあ」の『究極のラーメン2004』には「関西版」があったようだ。
【広島】
■ しまい@舟入:広島市中区舟入町20-17 日休 11:30〜14/16〜21
博多からの帰り,尾道の「朱華園」が早めに売り切れてしまったことを知り,急遽広島で探した店である。ジャンボさんのHPで「広島らしい中華そばを食べさせてくれます」という一節に惹かれる。店はチンチン電車の走る広い街道沿いにある。入ったときに客はいなかったが,すぐ満席となる。僕は中華そば(550円),妻はメニューの最初にあったそぼろラーメン(750円),娘達はチャーシューメン(750円)を頼む。麺は固めのストレート麺,スープは独特でしいて言えばトンコツ醤油,ややしょっぱめかもしれない。やわらかいチャーシューと,もやしがのる。「スープがおいしい」と娘が言う。たしかにこのスープはうまい。他にない系統の味で,これを「広島ラーメン」と呼べばひとつのジャンルになりそうである。妻は不満そう。そぼろラーメンのスープを飲んでみたら全然別物だった。具の肉そぼろの味(酢が入っている?)で本来のスープの味が変わってしまったのだ。中華そばの方は量も味もこってりしているもののさっぱりしている。広島と言えばこのラーメンを思い出しそうだ。(1999.5.3)
■ すずめ@広島:広島市西区東観音町1-2 日休(毎月14日休) 15〜21 <082-231-9975>
■ 陽気@広島:中区江波南3-4-1 毎月1・12・13・26日休 16:30〜24 <082-231-5625> P3台
●2004年05月04日(祝)・・・『長崎から広島へ,平和を祈るラーメンの旅』
広島では定番の「すずめ」と「陽気」を連食。 どちらもメニューは「中華そば」のみの潔さで,まるで同じ系統のサラリとんこつ醤油&ストレート麺&さっぱりもやし+チャーシューだったが,続けて食べてもスープが好み的にいい塩加減だったので,ラクに食べられる量だった。前回広島に来た時は 時間の関係で「しまい」だけだったので,これでやっと広島の基礎を固めることができたことになるだろう。ラーメンの「地域性」も感じ満足。
■ 朱華園@尾道:広島県尾道市十四日元町4-12 木・3水休 11〜20(売切終了)<0848-37-2077>
●2003年05月03日(祝)・・・たった三連休で念願の『九州縦断』+尾道ラーメン
朝8時過ぎに尾道に到着。海に面した市役所にある駐車場(1時間100円)にクルマをとめて町内観光へ。途中「朱華園」の前を通ったので,店の前にいた女の人(おかみさん?)に「行列とかあるんですか?」聞いてみると,「う〜ん今日は休みだから並ぶ『かも』しれないね〜」との軽い返事。それならば観光に時間がとれそうだ。が,これが甘かった。開店時に来てみるとなんと50人くらいの行列!!さすが全国区,恐るべしラーメンブーム。かなりくじけそうになったが,考えてみれば尾道の出発予定時間は本来13時なのでまだ余裕がある。実際は,絶望的な行列の割には思いの外回転がよく,列がどんどん動いていく(後ろにもどんどん並ぶが・・)。入り口の壁にある「尾道に『朱』と言ううまいラーメンがある」と言う壇一雄の石版をじっくり読んでネタを記録したりして,1時間弱で着席できた。最初にカウンターで注文し料金を払ってしまうので席に座るとほどなくラーメンが出てくる。プリプリのコシのある背脂(笑)が浮く甘味のあるスープの醤油ラーメン。具は昔風の細目のメンマにチャーシューが3枚。特徴的なツルツルの細平麺でするすると食べられる。これだけの人気店で,このラーメンの値段が460円と言うのはすごい。満足して外に出るとまだ50人ほどの行列が,左隣の店舗3軒分を越え角を曲がってなお続いている。休日に食べるのはかなり覚悟がいるが,ラーメン好きなら行くだけの価値,並んでも食べる価値は十分ある店だと思う。充実した気分で尾道をあとにする。休日なので尾道インターの出口料金所は大渋滞だった。
■ 広島番外編 「お好み村」のお好み焼きはうまいのか
広島と言えばお好み焼き・そしてお好み焼きと言えばどのガイドブックにも「お好み村」のことがのっている。何のことはないお好み焼きばかり集まった雑居ビルなのである。カーナビで指定された場所に車をとめて歩いていく。それらしい建物がないのでパチンコ店のおじさんに聞くと「あーあそこね」と言う答え。近くの交番で訪ねてもそうだった。どうも「お好み村」は観光スポットであって地元の人に味で支持されていないのではないかと感じる。そのビルの手前と,大通りを挟んだ向こう側にも行列の店があったのも気になった。
でもまあ話のタネだと思ってビルに入る。狭い通路の両側にお好み焼き店が並び,中央には何の境もなくオープンに向かい合っている。メニューを見るとどうも全店統一してるみたいで,基本が700円,エビイカ等が入ったスペシャルが1200円といったところ。結局,妻の意見で2階の一番奥のおばさん二人がやっている店で並ぶ。女の店主ということでこだわりを勝手に感じたのだ。子供連れなのでファミリーな雰囲気を求めたのかもしれない。しかし,子連れでいることは何のプラスにもならなかったみたいで,いろいろ頼もうとまず「スペシャル二つ」と言ったところで「二つでいいの?」と不機嫌に聞き返されてしまった。数に入らぬ子供はもうけにならないと言うことか。結局,「牛スジ」はまだできあがってないと言われ,「ネギ焼き」(700円)を頼む。さてその作り方を見ていて,広島風のお好み焼きとは小麦粉の生地はは極薄で,つなぎは玉子なんだとあらためて実感した。つまりソース以外全て素材の味なのである。具の麺はうどんとそば(焼きそばの麺)で頼んだが,特別,麺に味付けしてるようにも見えなかった。どう考えても大した物ではない。これでソースがよけりゃいいのだが,例の甘口お多福ソースである。正直僕はこのソースは理解できない。結局僕には味が足りなくて退屈な物だった。さらに妻がへらでごしごしお好みを切ろうとがんばっていると,「あー,それじゃお好みが可愛そう。ちょっと貸して」と店主。「おっいいセリフだね」と思って手本を見ていると,おばさんが切っても大差なかったのでがっかり。ここで見事に切り分けてくれれば旅のいいエピソードになったのだが・・・
結論。観光地でへたな名物料理を高い金(観光地値段)出して食うくらいなら,勘を働かせてラーメン屋探した方がましである。