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水戸のレトロなラーメン店

すずき大八伊勢屋喜楽支那ラーメン奴大善たからや食堂ちゃんぽん屋珍満ミナミ食堂楽楽みさお屋

本来,ラーメンは極めて庶民的な食べ物であって,いつでも,どこでも,どんな格好でも,気軽に店に入ってサクッと1杯平らげ,「ごちそうさま〜」と言ってさっと出てくる,そう言うイメージがある。昼なお薄暗い店内(夜なら裸電球?)には,安っぽいテーブルにパイプ椅子,カウンターの奥には無愛想な頑固職人風のオヤジがいて,傍らには気さくなおかみさんがニコニコ笑っている(逆の場合もある)。ある一定の年代以上の人にとっては,ホッとできる空間だ。事情は様々なのだろうが,今なお昔のイメージのままで頑張っている水戸の店を集めてみた。これらの店を「レトロ」と感じて楽しめるか,「古い,汚い」とか言って敬遠するかは,全く個人の自由なのである。これは生きてきた時代の差なのだ。もちろん,そのラーメンが旨いに越したことはないのだが,「まぁこれはこれで・・・」とか感じてしまうのも,こういった店の得なところ。店がそこそこ新しいのに,ラーメンに何の「工夫」も「蓄積」もないような店ほど,ラーメン好きをがっかりさせるものはない。雰囲気もまたラーメンの味のうちなのだ。

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すずき@水戸雷神前:日休 〜18

水戸の本通り「大工町交差点」から千波湖方面に南進してすぐ左側・「雷神前」バス停前

駐車場なし・日休・昼時は行列する

店名を書いた看板類の物は一切無い。中華そばののれんがかかっているだけ。ガラス戸を開けると3帖間くらいの店内にテーブルが無理に4台,10人くらいは座れるだろうか。奥に座敷があるが要するに自宅の茶の間を開放している「座敷」である。メニューはラーメンのみ。しかも250円。チャーシューメンもできるが昼過ぎには売り切れることが多いようだ。味はシンプルな醤油味。麺は縮れ麺。量は少な目か。それにこぶりの柔らかいチャーシューがのる。ラーメンの原点はこんな味ではないかと思うラーメンである。「支那そば」というべきか。店も古く(汚くはない),椅子(丸椅子)も,板張りの壁も天井も昭和30年代という感じ。店主はそれほど年輩でもないようので,店の古さからすると2代目なのかもしれない。昼時に行くことが多いが,近くのタクシー会社の運転手と,馴染みの年輩の女性客で混み合っている。そもそも,僕は「こってり」が好きなのであるがここのラーメンにはひかれてしまう。東京で言えば銀座の老舗「味の一」「味助」のような味か。下谷の「光江」,笹塚の「福寿」にも似ているかも。値段が値段だから,年齢を問わず万人に勧められるラーメンである。

情報によると,すずきが地元では昔からクチコミで有名な店であるにもかかわらず,マスコミ(テレビも含む)に出ないのは,単純に,客が今より増えてクルマを「店の前」にとめられるとご近所に迷惑がかかるからという,実にまっとうな理由かららしい。狭い店だし,そもそもあのスペースであの値段(250円)だからもっと儲けようなんて気はさらさらないのだろう。従って,この店が今の値段でこれからも存在してもらうためにも,「すずき」には多少遠くてもクルマを置いて徒歩で行く。これを「ラーメン好きの良識」としたい。

2002年10月23日(木)

ここのメニューは4つ。ラーメン250円・大盛り300円・チャーシューめん380円・大盛り430円。この店に入ると聞くことは決まっている。「チャーシュー麺はありますか?」 そしてたいていの場合,僕がくる1時過ぎにはいつも売り切れている。店の古さの割には若いと思っていた奥さんも,白髪混じりでずいぶんと老けた。店主も同じ。変わらないのはその値段だけか。せめてそれに報いるためにもラーメンと交換で釣り銭の無いように小銭を用意し,おしゃべりなどせずさくっと食べて,どんぶりを調理場まで持っていこう。そして一言「ごちそうさま」。

2003年12月04日(木)

穏やかな平日の昼下がり,素っ気ないテーブルに女子高生3人のグループが座って黙々とラーメンを食べている。髪を染めて軽く化粧をして,今の時代,見た目に合ったもっと洒落た店もあるだろうに・・・120円のハンバーガーより250円のラーメンの方が満足とか?ラーメンが好きなのかな?長居が出来なくてもいいのかな?いずれにせよ微笑ましい。今日は大盛り(300円)を注文。そのせいか麺がずいぶん柔らかい。空腹でも普通盛り,できれば早い時間に行ってチャーシュー麺にしたいところだ(1時過ぎではまずチャーシューはない)が,まぁいいか。相変わらず時が止まったような店内。半世紀くらい店そのものは変わっていないのではないだろうか。もっとも店舗を費用をかけて新築とか改築でもしたらこの店の魅力はなくなるだろうなぁ・・・。値段と佇まい,それがこの店の一番の魅力なのだから。

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大八@水戸・元山: 水戸市元山1-1-5663 <029-231-9283>

茨城のうまいラーメン2】(2002/12)掲載店

夜になると,「すずき」から50mほど千波湖方面に行った交差点の所に,「大八」という店が開く。暗いので見過ごしやすい。入るといきなりカウンターで,6席だけの狭い店だ。ここのラーメンはかなり「すずき」に似た趣がある。ただし,値段は「すずき」の倍である。昼に「すずき」に行けない人は,こちらでもそこそこ満足できるかもしれない。量は少な目,飲んだ後の一杯に丁度いいという感じか。一歩間違えば普通のラーメンという微妙な味である。この手の支那そば系のラーメンはみんなそうかもしれない。シンプルなものだから特徴を出しづらく,味の差を感じづらいのである。結局,基本の味ができていれば,最終的にうまいかどうかはその「元気さ」(スープの熱さとか,麺の固さとか)で決まると思う。勢いのあるラーメンはやはりうまい。

2002年10月10日(木)

茨城のうまいラーメン2』取材のため,珍しく午後8時前の早い時間帯に訪問。いつも深夜の遅い時間だったのだが,改めて食べてみると,出汁に丸みがあってスープが濃い感じがする。細縮れ麺のゆで加減もいい。メニューはラーメンのみのなんの飾りもないこの店,四の五の言わずにさくっと食べて,どんぶりをカウンターの上にあげて「ごちそうさま」と言って出てくる,それがここのラーメンの正しい食べ方だろう。『茨城のうまいラーメン2』の紹介文でもそう表現しようと思う。

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 伊勢屋@下市 :本町1-5-5 第1・3火,第2・4日休 9〜19 P3台

>【 茨城のうまいラーメン 2001 】掲載店

2000年6月8日(木)

水戸市・下市,国道51号「柳町1丁目」交差点(「天狗納豆」)を南に折れ,最初の常銀の信号を左折し(一方通行)4軒目の右角。水戸の下市商店街(ハミングロード513)にあるこの店,実は店前の窓におにぎり,だんご等が並ぶ老舗だんご店。「伊勢屋」と染め抜かれた紫の色あせた暖簾だけで,表にはラーメンの「ラ」の字もない。にもかかわらず老若男女,すべての客が当然のようにラーメンを注文する。昭和29年の創業と言うこの店,店内は木造の懐かしい造り。昭和40年代にタイムスリップしたみたいだ。ラーメンもそう。濃い目の醤油色のスープははっきりした味付け。麺は少し縮れた黄色い玉子メン。メンマは歯ごたえにこだわったもの。コリコリしている。味のしみ込んだチャーシュー。そしてナルト,海苔・・。年配者がイメージするラーメンは,こういう店のこういうラーメンなのだろうと思う。要するに「懐かしい味」。おにぎり(120円)はおこわ,だんご(120円)は米を石臼で挽いた自家製の粉で作ったもの。客は皆ラーメンと一緒に注文していた。ちょうどもう一品欲しくなるようなそう言うラーメンの量なのだ。もうひとつの麺類・味噌ラーメンは520円,大盛は100円プラス。いなり(70円)も美味しそうだった。

2000年8月20日(日)=「茨城のうまいラーメン」掲載時の取材 より

実際に取材した時の裏話等もっと詳しく書いて,最後に各店のデータと実際に書いた紹介文も載せてみた。掲載された文面と比べてみるのも面白いかもしれない(ほとんど変わらないと思うが・・・)

基本的に団子の店なのである。取材のこの日も調理場奥の団子作りの場所で話を聞いたのだが,「団子の素材へのこだわり」は言葉の端々に感じるものの,ラーメンの話になると今一歩歯切れが悪い。スープにも麺にも,特にこだわりというものがないみたい。「決めの言葉」がなかなか引き出せないのだ。つまり,昔からのラーメンを形を変えずにそのまま残してきたという感じ。良くも悪くも保守的なのである。要するに店のメインは「団子」。ラーメンは昔ながらの雰囲気を味わうという意味で食べてみて欲しい。おみやげにいただいた団子の評判が家族にすこぶるよかった。

【店名】伊勢屋(いせや)
【住所】水戸市本町1丁目5-5
【電話】029-221-5266
【営業時間】9:00〜19:00
【座席数】28席(4人テーブル*7)
【定休日】第1・3火,第2・4日休
【駐車場】有・3台
【掲載メニュー】ラーメン400円
【主なメニュー】味噌ラーメン520円/だんご120円/おにぎり120円/いなり70円
【行き方】
水戸市・下市,国道51号「柳町1丁目」交差点(「天狗納豆」)を南に折れ,最初の常銀の信号を左折し(一方通行の「ハミングロード513」)4軒目の右角
【キャッチコピー】
老舗のだんご店でいただくラーメンは あの頃の「懐かしい味」がする
【紹介文】
午後3時だと言うのにひっきりなしに客が入ってくる。水戸の下市,旧国道沿いの昔からの商店街にひっそりとあるこの店,実は昭和29年創業の老舗だんご店。だから表にはラーメンのラの字もない。「伊勢屋」と染め抜かれた紫の色あせた暖簾だけ。にもかかわらず老若男女,すべての客が当然のようにラーメンを注文する。店内は木造の懐かしい造り。昭和40年代にタイムスリップしたようだ。ラーメンもそう。濃い目の醤油色のスープははっきりした味付け。麺は少し縮れた黄色い玉子メン。メンマは歯ごたえにこだわったもの。味のしみ込んだ豚正肉のチャーシュー。そしてナルト,海苔・・。年配者がイメージするラーメンは,こういう店のこういうラーメンなのだろうと思う。要するに「懐かしい」のだ。店前の窓にはおにぎり,だんご等が並んでいる。皆ラーメンと一緒に注文している。おにぎりはおこわ,だんごは米を石臼で挽いた自家製の粉で作る。「きんぴらだんご」が自慢だそうだ。

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 喜楽@水戸・東台:水戸市東台1-2-22 月休 夜のみ営業(18頃〜24頃)

2001年7月03日(火)

水戸の駅南を東西に走る通りのジャスコの東側,交番と三菱のスタンドがある「東台1丁目交差点」を常磐線の踏切に向かうように北進してすぐ右側にある。昼間は閉店した古い店舗跡のようだが,夜になるとぼんやりと明かりが灯り,妖しげな長めの紅いノレンがたなびく。初見では絶対に入るのをためらう外観である。元々店の存在は知っていたのだが,ずっと今まで入りそびれていた。kimurakunさん&エミーさんの掲示板でちょっと話題になっていて,やっとその気(=食べる気)になったわけだ。店内は狭く,右の黒ずんだカウンター(5席)と左の2人掛けテーブル2台で目一杯という感じ。その,あまりに年季の入った内装に,息苦しささえ感じる。特に壁のコーナーを見ると恐ろしい。油っぽい埃をかぶった黒ずんだ段ボール箱が積み重ねられ何年もそのままという感じ。壁のあちこちに古いカレンダーやポスター。1995年の荻野目慶子のヌードカレンダーあたりは可愛いもので,カウンターの端で20才の頃の榊原郁恵がにこっと笑っている。看板メニューのタンメンは650円。太麺か細麺かを選べるそうだ。キンキンに熱いそのスープは野菜ばかりで肉は一切なし(忘れたのかしら?)。透明なスープ(肉がないからかもしれない)で塩味はかなりきつめ。太麺もかなり固め。でも,店の状態から覚悟したよりはまともなタンメンだと思う。おしろいに紅。パーマをかけた茶髪にお祭りの豆絞りのような鉢巻き。でもその外見からすれば意外に丁寧な受け応え。元々は夫婦で始めた店だが,ご主人が亡くなってからなんと30年も1人で営業しているそうだ。旨いとか旨くないとかを超えたところにある,「おばぁちゃんの魂」を感じる一杯だ。他にチャーハン650円、焼きそば・餃子等。壁のラーメンの札が裏返しになっているので「ラーメンはやらないの?」と訊いたら「売れないからやめちゃった」。・・・明快である(笑)。

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 支那ラーメン奴@石川 :水戸市石川4丁目4030 日休 <029-253-1592>

1999年12月04日(土)

夜,大塚池から50号で大工町方面へ向かうと,「支那ラーメン」の赤いテント看板が見えてくる。正確には「ラーメン奴」と言うようだ。入り口が狭く入りづらいが,店の西側に駐車場がある。東側にも空間があるが違うようだ。最初止めようとしたら年配の店主があわてて飛び出してきた。間違える人が多いのだろう。この店は茨城新聞発行の「ラーメン本」にも載っていて,以前から,何度か入ろうとしたことはあるのだが,チラッと見ただけでは店内に客の姿が見えず,いつも直前でくじけていた。それもそのはず,入り口正面に見えるカウンターは4席ほど,外から見えない左側奥に,テーブル席のそこそこ広い空間があった。店内は「古い」。それも半端じゃない古さ。戦後まもなく建てたというような感じ。あちこちに貼ってある水商の甲子園出場記念ペナントがやたら目に付く。おかみさんに「支那ラーメン」は500円を注文。他に「あっさり」と「辛口」がある。平べったい赤い縁どりの小ぶりなどんぶり。模様の雷文が消えかけている年季の入ったもの。意外に味に厚みがある。化調も強いのだろうが,甘い感じのしっかりしたラーメンだ。麺は縮れ麺。べちゃっとした感じはない。それに,チャーシュー・ほうれん草・メンマ・海苔・・・あと,刻んだ「玉ねぎ」がけっこう浮いている。固い食感が意外に合うのだ。「すずき@雷神前」も確かこうだった。同じような古さの店だが,味にも共通点があるようだ。外観から「覚悟」していたほどには「地雷」を踏まずに済んだ。また来てもいいかな・・・。

2001年4月18日(水)

夜もちょっと所用があって水戸まで行ったのだが,深夜0時頃になるとほとんど店はない。「じゃんがら」くらいしか思い浮かばないのだが,R50を赤塚方面に走っていて「支那ラーメン」の赤い看板が目に入る。一昨年暮れに食べたときちょっと気になっていた「あっさりしならーめん」(500円)を注文する。あっさりと言うより「薄い」という印象。油だけを抜いたと言うことかな。そうなると,「からくち」(550円)は唐辛子でも入れるのかな?具はチャーシュー・メンマ・ほうれん草・海苔と極めてオーソドックス。麺は縮れ麺(今日は「チキンラーメン」のような感じがした)。メニューはあとギョーザにホルモン(600円)のみ。日休だそうだ。しかしこの店で食べてると自分の「人生」を感じてしまう。黄昏れた気分になるのだ。

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大善@泉町:水戸市泉町2-3-33 土日祝休 9〜17(15の時もある)<029-231-1478>

2001年10月22日(火)

以前からその存在は知っていたのだが,ちょっと危険な香りがして行きあぐねていた店。どんぶり会議の10/20の情報で訪問を決意する。水戸の目抜き通り・泉町の第一勧銀脇の路地(一方通行)を入ってすぐ右側にあるこの店,遠目にも軒先の「ラーメン」の縦書き看板が目立つから,路地さえ間違わなければわかりやすいだろう。建物のの1階部分手前側を駐車スペースにしているため,店そのものの入口はかなり奥まったところにある。昼でも薄暗く「営業中」の札がなければ閉店していると思いがちな雰囲気だ。店内は予想以上に狭く,L字型のカウンター12席に畳一帖半程の小上がりに2人用テーブルがかろうじて2台。調理場には仲のよさそうな老夫婦。店の雰囲気に実にマッチしている。メニューはラーメンのみ。しかもラーメンが300円,大ラーメンが350円,チャーシューメンさえ400円と「すずき@雷神前」並の低価格である(ちなみにライスは今時50円)。しっかり醤油色の甘味のあるスープ。昔ながらの技術で値段相応に丁寧に作った感じはするが,何と言おうか「ぼんやりした」味に感じる。麺は全く平凡なもの。具は脂身のないチャーシューが5〜6枚(チャーシューメンの場合)とホウレン草にメンマ。店前の駐車場は,一方通行の狭い道なので実際にはとめづらいか。店主のクルマだろうか,懐かしの白いパブリカスターレット(昭和40年代のクルマ)が置いてあったのには感激してしまった。一定の年代以上の人にとってはいろいろ語れるラーメン店だとは思う。最後に営業時間を聞いたら,夜は営業しなくて,昼も気分次第で3時頃に閉めてしまうこともあるとか。もう儲けようなんて気持ちはないのだろう。

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 たからや食堂@南町:水戸市南町2-4-42 木休 9〜19 <029-221-8074>

2000年9月29日(金)

旧茨城ラーメン本掲載のこの店,実は初めて食べるのである。水戸の本通り,常陽銀行本店の斜め前,ダイエーの隣で南町2丁目バス停前・・・押しも押されもせぬ「一等地」である。かなり狭い店で,中央に6人掛けのテーブルで両サイドに壁に向かって座るカウンター席と機能的なレイアウト。完璧に満席である。フロア係の中年女性が慣れた感じで客をさばいていく。馴染み客(年輩の女性,勤め人風男性)が多いようだ。完全に地元に定着した店なのだろう。壁にはきく姫の写真が飾られている。TVに出たことがあるようだ。それさえ知らなかった。ラーメンは400円。旨味の強いこってり煮干し味(?)のスープ。細いが角のある固めの麺。具はナルト・海苔・メンマ,そして脂身のない味が染みこんだチャーシュー。オーソドックスな形だが,歴史を感じさせる勢いのある一杯だ。今回のラーメン本には水戸のスタンダードな味として,取材拒否の「すずき@雷神前」のかわりに「伊勢屋@下市」を掲載したのだが,同じタイプの店(店頭に団子のショーケースがある)ならば,ラーメンとしてはこの店を掲載すべきだったかなと正直思った。学生時代からこの店の前を何度も通っていたはずなのだが,今の今まで気づかなかった。それくらいこの街並みにとけ込んでしまった店なのである。<TOP>

2003年1月25日(土)

今日は湯麺(550円)を注文してみる。具の野菜ははもやし・筍・キクラゲと言ったところだが,肉が無いのがつらいところ。400円ではなく550円なら少しは入れて欲しいところだ。麺は角のある歯切れのいい麺。灰色に濁った胡椒の効いたスープは普通の印象。野菜の旨みが出てと言う感じでもない。やはりこの店はオーソドックスに400円のラーメンが一番コストパフォーマンスが高いかな・・・。

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 謎のラーメン屋(ちゃんぽん屋)@下市 : 水戸市本町1-10-15 <029-231-2504>

1999年8月03日(火)

水戸の下市,ジャスコの南側,一方通行の「ハミングロード」の中程を南側に折れたところに,おそろしく古いラーメン店がある。白い暖簾が目立つものの,入口上の看板のパネルははずれ,蛍光灯がむき出しになっている。店名はわからない。木枠のガラス戸は開けたままで,3帖ほどの「土間」に8人掛けのテーブルが1台。左の調理場側にカウンター(というか調理場にくっついた「台」)というシンプルな店内。水戸には「すずき」という似たような店があるが,あちらがノスタルジック(昭和30年代)なら,こちらは「終戦後間もない」という店である。とにかく古い。実は2度目。最初来たときには,調理場のわきの茶の間の入口に中年の女主人とおばぁちゃん(先代・90才近い?)が並んで座っていて,にっこり笑って「いらっしゃ〜い」。思わずびびって背中を向けて座ってしまったくらいだ。今日はその女主人が不在で,僕が入るとおばあちゃんがひとり。まわりをきょきょろして,「自分が作らざるを得ない」と観念して立ち上がるまでに30秒ほどかかった。フラフラしていてあぶなっかしい。「暑いねぇ」と言いながら,調理場中央にでーんと置かれた「家庭用」冷蔵庫から,ゆっくりと麺と具らしきものを取り出す。そして寸胴鍋に火を入れた。「大丈夫かなぁ」と心配になるゆっくりとした動き。蛇口から直接入れたお冷やは生ぬるい。もう,ひきつって笑うしかなかった。聞けば開業して45年,近所では「ちゃんぽん屋」で通っているという。ラーメンは400円,透明な醤油色。しっかり熱い。ただ化調は強い。麺は普通か(やわらかめ)。それに,チャーシュー・ナルト・ほうれん草・海苔とオーソドックス。よくあるラーメンだ。味はともかく,「店そのもの」が話のタネになるラーメン店である。

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 珍満@三の丸:水戸市三の丸2-5-25 木休 11:30〜14/16〜20 <029-231-0262>

2001年7月10日(火)

水戸駅前の,三の丸ホテル手前の交差点を,水府橋側に北進してすぐ右側にあるこの店,僕の高校時代(つまり25年前)と同じ外観で今もある。歩道ギリギリに立つ白い2階建ての店なのだが,屋上に作られた建物の屋根と入口上のひさしの造型が,「いかにも」と言う感じの中華風なので,まるで竜宮城に入るようだ(昔大洗にあった水族館がこんな感じだったからそう感じただけ)。とは言え入口自体は「あれ,中休みかな・・・」と思ってしまうくらい,時代に逆行するように薄暗い。でも意外に店内は広く,正面にクランクに奥へと延びた朱色のカウンター。手摺りで仕切られた段差のある右側の床の上には古めかしいテーブルがゆったり5台。中央に赤い手すりの階段がど〜んとあり,まさに昭和40年代の中華料理店の典型という感じ。とても懐かしい。ここのラーメンはなんと430円。今時,駅前一等地の老舗(?)でこの値段は立派。注文するとフロア係のおばちゃんから厨房へ「ヤナギ一個です〜」の声がかかる。何かほのぼのしてる。スープは濃い醤油色だが,味付けは薄い。油っ気も少ない。しょっぱさもそう。つまり最初の印象としては淡泊で味があまりない感じ。麺はストレート麺。具はメンマ・ホウレン草・ナルトと「光来」とまるで同じ。脂身の少ないチャーシューはそこそこ固めだが,嫌な固さではなくかみしめると肉の味がすると言う固さ。最後に冷めたスープを一口飲んだらけっこう味を感じた。全体的に他のメニューも値段設定はかなり低めで,そういう狙いの店のまま30年が過ぎたということか・・・。

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 ミナミ食堂@南町:水戸市南町2-4-56 不定休 10〜19 <029-221-5726>

2000年9月29日(金)

勢いに乗り「たからや食堂」から連食。ダイエーを挟んで反対側,南町1丁目の水戸で唯一のスクランブル交差点の角にある。こちらはさすがに目立つから昔から知っていて,実際何度か食べたことがある。印象はひたすら普通の「団子屋さんのラーメン」。でも雰囲気はある。年輩者には安心できる味と店の形態という印象。さてそのラーメンは400円。赤い縁の模様の懐かしいどんぶりにしっかり醤油色のスープ。油っ気は少なく,煎りゴマが多量に浮いているのが目立つ。味的にはたからやほどのインパクトはなかった。浅い感じ。麺も平凡な感じで,具もナルト・海苔・チャーシュー・メンマと典型的。店内はたからやのレイアウトをふた周りくらい大きくしたような感じでゆとりがある。もうこの店はこういう味とスタイルで確立したものであり,今さら何かを変えようなんて意識はないんだと思う。400円という値段を考えれば,基本となるメニューとしてこれで十分なんだと思う。いなり寿司も一緒に注文して雰囲気を味わうべき店なのだ。

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 楽楽@元吉田 : 水戸市元吉田町1486-5 <029-247-8665>

1999年11月20日(土)

50号バイパス「ライト・オン」の交差点を南下,「吉沢北」バス停のところ(左側)にある。外観は一般的な中華料理系のラーメン店のもの。右にカウンター,左にテーブル席だが奥がちょっと深い。老夫婦の店。いかにも「職人」と言った感じの主人と,気の弱そうなおかみさん。昔からどこの町にも必ずあったタイプの店である。ラーメンは400円だったが,ちょっと気が変わって「水戸藩ラーメン・700円」なるものを注文してみる。大き目のどんぶりに盛られたそれは,チャーシューが2枚と柵に片側だけ切った名刺大のメンマ。椎茸が丸ごとのり,ニラと刻みネギがかけられる。別皿でニンニクとショウガ,お新香もついてくる。これで「五幸」と言うことかな(>「水戸藩ラーメン」の項参照)。きわめて和風の味付けで,醤油の味が強い。かろうじて浮いた油でラーメンらしさを保っていると言う感じだ。麺も一般的。最後に,別皿のニンニクとショウガを入れてみたら,全くラーメンの味ではなくなってしまった。基本となるラーメンの味はわからないが,だいたい想像はつく。店主の調理の手際はよく,年季が入って枯れた感じもあるから,麺類に限らず,手軽な「中華の食事」を楽しむ店なんだと思う

<番外編>

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 みさお屋@桂 : 東茨城郡桂村大字赤沢44 月火水休 12〜18まで

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