● ユニバーサル・スタジオ・ジャパン&関西のラーメン part1
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■ 5月02日(水) 匠屋@新小岩/湯澤軒@経堂 ■ 5月03日(祝) 彩華@天理/黒門ラーメン@大阪 ■ 5月04日(祝) ユニバーサルスタジオジャパン@大阪/神座@大阪 ■ 5月05日(祝) 第一旭@京都/しるそばたか@京都 ■ 5月06日(日) 日本自動車博物館@小松/なんでんかんでん@金沢 ●
● 妻に言わせると『一年間で一番,夫が燃える時期』がこのゴールデンウィークだそうだ。そりゃそうだ。二つの仕事の関係で夏休みどころか「お盆休み」もなく,正月も三が日だけが休日。まとまった休みが全くとれない(正確には「とらない」)以上,堂々と「連休」に出来るのはこの時期だけなのである。一昨年はHP開設直後と言うこともあって『西日本横断ラーメン強行軍』と称し神戸〜広島〜博多〜松山〜大阪〜和歌山のラーメンを食べ倒し,昨年はちょっと小規模(?)に『北関東〜磐越横断ラーメンツアー』で栃木〜群馬〜新潟〜福島を食べ歩く。「さて今年はどうする?」などと考えながら,実は前日の5/1になっても行き先が決まってなかったりするのである。それはいつものこと。行き当たりばったりなのだ。 ● 考えていたのは「北海道縦断ラーメン食べ歩きがいいかな〜,今度は長崎ちゃんぽん〜熊本ラーメンってのもいいかな〜」・・・とまぁ,こんな感じ。前々日の夜に書店で両方の地域のガイドブックを読んでいたりするのである。しかし肝心なことを忘れている。それは「距離」。我が家の場合クルマで行くことが絶対条件なので,北海道の場合はフェリーの心配もある(青函連絡船で往復するだけで計3万くらいかかる)。自宅の壁に貼った日本地図を妻と見ながら,指を大きく広げて地図に当てて「『九州』って一言で言っても遠いよな〜,大阪に行く『倍』だよな〜,行って帰って・・・・」などと話し合っている。「ならば『近場』の大阪かな〜」・・・と言ったって自宅から大阪までだって700km近い。もう距離感が完全にマヒしているのだ。 ● 『大阪』と言う単語が頭をよぎっただけで『ユニバーサルスタジオ』のことが頭を離れなくなる。実は新婚旅行(もう10年以上前だ)でアメリカ東海岸に行ったとき,一番楽しかったのがロスの「ユニバーサルスタジオ」。たいした予備知識なく行ったのに,本家ディズニーランドより面白かったのだ。それが日本でも見られる。でもそれは「大阪」。「遠い→連休しか行けない→TDL並の大混雑」。ましてや開園後初の「大型連休」の時期。混雑は目に見えている。でも今,施設として一番行きたいのはこのUSJ。「え〜い行ってしまえ。混んだら混んだでそれも話のタネだ」。めでたく『決定』である。そんなわけでガイドブックの中から熟考して選んだ昭文社の『まっぷる・大阪ベイエリア』を購入したのが出発当日5/2のお昼。これに前日,インターネットで収集したUSJとラーメンの情報を合わせて今回の旅行の全資料になる。でも頭の中のスケジュールは漠然としたもの。だけどそれもまた楽しいかな。
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■ 5月02日(水)匠屋@新小岩/湯澤軒@経堂
● 連休の谷間とはいえ平日であることには変わりはない。仕事を4時で切り上げ娘達の帰りを待って出発。ひたちなかインターから常磐高速に乗り,まず東京を目指す。その車中で「今日のラーメン」の検討である。何と言っても今日は『平日』。土日祝休の東京の店に行けるのだ。が,『宿題のラーメン店』の中,HP開設時からずっと憧れの「真好味@茅場町」「イレブンフーズ@新馬場」はこの時間ではすでに無理。ならばこれまた憧れの「梅もと@鬼子母神」をと思ったのだが,昼に電話確認したところ,本では20時まで営業のはずなのに,なんと夕方には売り切れるという。残念。いっそ一昨年同様懐かしの「さぶちゃん@神保町」へとも思ったが,さすがにあの店は子供を二人連れては行けない。掲載店数の多い『週刊現代2001・最強のラーメン300軒』をパラパラとめくり探したのが「ピヤシリ@四谷」と「カピパラ@学芸大学」。「カタカナの店を連食」なんて言うHPのネタができるなどと内心ニヤッと笑う。 ● 守谷SAでハイウェイカードを購入。今まで知っているようで知らなかったのだが5万円のカードはなんと58000円分,利用できるのだ。だいたい大阪なら3万円のカードで十分なのだが,8000円の魅力に負けて5万円のカードを購入。安心して先を急ぐと,やはり三郷インターの先がお決まりの「渋滞」。6号線上りが渋滞していれば,三郷から外環にまわろうと思っていたのだが(和光で下りて池袋あたりに出る),そちらも同様の渋滞。あっさり三郷で高速を降り,金町へ抜ける。この時点で第1候補はやはり日祝休の「匠屋@新小岩」に変更。柴又街道を南下し新小岩を目指す。 ■ 匠屋@新小岩 :葛飾区新小岩4-8-1 日祝休 11:30〜15/17〜21(スープ切れまで)<03-3655-7822> まず1軒目の「匠屋@新小岩」。カウンターのみの狭い店だが,この際子連れでも勘弁してもらおう。昨年(2000年1月)の「TVチャンピオン」の出題店として印象深いが,その時出題問題となった,「紀州梅」が乗るという「限定塩」は残念ながら「売りきれ御免」。こだわり醤油(600円),まいるど匠屋(600円),北海味噌(700円)につけめん(味の指定が出来る・今回は醤油で)を注文する。標準となる「こだわり」は思ったよりはっきりした醤油味。タレに千葉のフジトラ醤油製「二段仕込み」醤油を使い,さらに魚介類を加えているそうで,それが独特の味をつくっているようだ。スープの色自体はしっかり醤油色なのだが,僕にはもっと単純な「しょっぱさ」が欲しいと正直思った。「まいるど」はスープ一面に白ゴマの浮いたもの。タレの量を減らしたと言うことだろうか,マイルドと言うよりよりスープの印象が「ぼんやり」と言う感じになる。「味噌」はもやしがのった一般的なもの。他のラーメンほどには特徴を感じない。娘が頼んだ「つけ麺」(醤油味)はエグイ魚系の味が強く,かなりクセがある。全体としては素材にこだわりを感じインパクトはあるものの,スタイルは保守的で「昔風のラーメンを極めようとしている」と言う印象を持った。妻子の評判はよかったが僕自身はちょっと期待外れ。でもこれは好みの問題だろう。ラーメンに対する想いと研究心は強く感じるから。 ● とりあえず四谷を目指すが,時間的にもあと一杯が限度なので「ピヤシリ@四谷」はパス。外苑東通から青山通りに出たところで大渋滞。カーナビを頼りに一本南側の路地を青山通りに平行して西進するが,青学の東側まで順調にたどり着いたものの,青山通りに戻らず六本木通りに向かって南下してしまったため,右折禁止で東へ戻る羽目になる。そこからは「Uターンできない」状態の繰り返しで,六本木から一の橋まで戻されてしまう。予定外の時間を使ってしまった。やっと駒沢通りに戻り,五本木交差点(「海新山@目黒」があるところ)にたどり着くものの,それらしき店の灯りが見えない。案の定「カピパラ」は休業。考えてみれば,客商売なのに日祝休の店は「連休期間」も休んでもおかしくないよな〜。と言うわけで,先が長いのだからもういい加減東名高速に乗らなければならない。近場の日祝休の店として思い出したのが「茂木@三軒茶屋」。環七から玉川通りに戻り三茶へ。何となくそんな予感がしたのだが,やはり店の灯りはついていなかった。妻呆れる。もうこうなったら世田谷通りの「百麺」くらいしか思い浮かばない。HP開始以前に東名での帰途によく寄っていた家系の店で,食べるのは久しぶりだ。まもなく「百麺」と言うところで,世田谷通り沿い「桜」地区の左側にラーメン店が3軒並んでいる場所を発見。その中の「湯澤軒」の名前を見つけたとき,一瞬で気が変わり『最後の一杯』はここに決定。以前ネットで何度か耳にした店だからだ。 ■ 湯澤軒@世田谷 :世田谷区桜3-8-12 火休 11〜24(スープ切れまで) <03-5451-7251> さてその「湯澤軒@世田谷」,店の造り自体は「木材むき出し」という感じで,高価な材料は使っていないものの,なかなかに洒落た造りである。デザインされたメニュー表の中から「こってり湯澤麺・780円」を注文。「厳選素材から旨味油を抽出した」と言う旨味のはっきりしたとんこつスープ。何となく山頭火をイメージする。それにかなり固めの麺。味も,店の造りも,若い店員の接待も,今流行の「話題になりやすいタイプの店」と言う条件を満たしているのだが,さりとて「ここでなければならない」と言う特徴を感じるわけでもなく,80点くらいの優等生という印象を持つ。「このオヤジがこの味を作っている」という「個人」を感じない店なのだ。誰かが売れるラーメン店の形をプロデュースしたという感じ。でも飛び込みで入った本日最後の店としてはけっこう満足したけど。他のメニューとして「東の醤油ラーメン」「北の味噌ラーメン」「南の塩ラーメン」等々コピーもありがちなもの。麺はスープに合わせて細麺と太麺を使っている。 ● やっと用賀インターにたどり着く。この時午後11時。予定より1〜2時間遅れてしまったがしょうがない。でも,これからいったい何百km走れることやら。先日探し出して買ったCD,河島英五の「自選集」を聴きながら東名を西へ。本当は多賀SAまで行こうと予定していたのだが,岡崎インターの先,上郷SAで力尽きる。
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■ 5月03日(祝)彩華@天理/黒門ラーメン@大阪
● 昨日すべて順調にいったら,夜のうちに大阪まで行ってしまい,この日にユニバーサルスタジオをこなしてしまおうと思っていたのだが,もはやそれも無理。それどころか,上郷SAの先,名神下り線は京都に向かって20kmの渋滞。いつも関西方面に向かうときは,1日目の晩に多賀SAまでたどり着いていたので,このあたりが渋滞する場所であることさえ知らなかった。一昨年のように朝一で「清水寺@京都」に行けるような有効な時間の使い方は断念する。いずれにせよこの先「名古屋〜京都」「京都〜大阪」の渋滞は避けられまい。のんびり大阪を目指そうと,あっさり高速を降り名古屋市内に向かう。東名阪道から高速のような国道25号線に乗り,天理経由で大阪に出るのが,名神で京都を経由するより渋滞を避けられるのだ。もっともここにきて急に愛用のカーナビ(4年前に買ったCASIO・NS770)の調子が悪くなる。現在地を表示しないのだ。手動で地図をスクロールしながら,名古屋の街中を苦労して抜ける。東名阪道で木曽川〜長良川を超え三重県に入る。終点の亀山インターからR25(名阪国道)に乗ると快適そのもの。地図上では一般道だがもうこれは完全に高速の形態である。信号はひとつもない。いっきに奈良の天理まで到着。 ■ 彩華@天理 :奈良県天理市三島町658 17〜翌3(土日祝&26日11:30〜翌3) <0743-63-4982>
● 奈良と言えば「彩華ラーメン@天理」が有名。その本店がこの天理にある。和風の瓦屋根の大きなビル(宿泊施設だそうだ)が林立する完全なる宗教都市・天理市の中心部「天理教本部」にほど近い(ほぼ正面と言ってもいいだろう・向かって左側)静かな幹線道路沿いにあるこの店,元々は屋台の店だそうで,この店は正確には「天理プール前店」と言うようだ。店前の歩道に客が10人近くたむろしている。まず店内に人数を伝え,店外で待つというシステムのようだ。入口のガラス戸の格子窓からかろうじて見える薄暗い店内のテーブル席は,けっこう空きがあるように見えるのだが,何故か延々外で待たされた。かなりイライラ。30分以上待たされたろうか。やっと入った店内は古い昔の食堂と言った風情。一品料理もけっこう豊富で,それを今風の若い店長が1人で作っていた。むしろその料理メニューの注文が多いように見えた。回転が悪いわけである。ラーメンメニューは「サイカラーメン」がメインで小1玉500円・2玉700円・3玉900円と言った具合。肉と野菜(白菜とニラ)を炒めて煮込んだものがスープで,これがかなりショッパ辛い。麺は細縮れ麺。麺がまぁ平凡な分,独特の世界である。「神座」と言い,関西にはこういうラーメン文化があるのだろうか。チャーハンが400円と安めなのがありがたい。お持ち帰りメニューも豊富(と言うか店内のメニュー全部がそう)。 ● ここまで来たら奈良公園の鹿も見たい。天理から奈良まではクルマで10分ほどなのだ。公園脇に駐車し妻と娘達はエサを買って鹿と戯れる。僕はクルマで休憩。新しくできた第二阪奈道路で生駒山の長い阪奈トンネルを抜けて大阪に入る。 ● 大阪に来たらまずは『大阪城』だ。ただこのお城,高速からはよく見えるものの,実際に近づこうとするとなかなか最寄りの道が見つからない。結局南側から反時計回りに一周して西側の公園のところにたどり着く。時間的に(5時をまわっていた)じっくり見物するのは無理なのでとりあえず天守閣をバックに写真をと思ったのだが,巨大な長屋門をくぐり,行けども行けども天守閣(が見えるところ)までたどり着けない。さすが日本を代表する城である。これを攻めるのは難しかったはずだと妙に納得する。 ● さて今日の夕食はガイドブックを見て気になっていた『自由軒@なんば』(中央区難波3-1-34・月休・11:20〜21:20)。人で溢れるなんばのアーケード街の中に紛れてしまいそうな小さな食堂だ。創業明治43年と言うこの店,「奇珍@横浜」にも似た年季の入った昔ながらの食堂の雰囲気で,狭い店内にみっちりテーブルが並べられている。エプロン姿のおばちゃん達がせわしなく動き,飛び交う関西弁。「あぁ大阪に来たんだ」とうれしくなってしまう。小説「夫婦善哉」にも登場するという看板メニューの「名物カレー」は,要するにカレーのおじやとでも言うべきもので,最初からルーとライスが混ぜられて,その中央に生玉子がのっている。たしかに東京にはない味,と言うか形態。たしかに面白いが混ぜる分ルーの味がもの足りなく,「生玉子を混ぜてソースをかけると美味しいですよ」との指示通りにしてみると,まず玉子の味でカレーの味がますますなくなり,たまらずウスターソースをかけると今度はソースの味だけになってしまった。これは調整が難しい。他にハイシライス(「ハヤシ」ではない模様・600円)と串カツ(300円)を注文。ハヤシはちょっと味的に飽きる感じ。串カツは玉葱と豚肉の簡単なフライが3本で手頃な感じ。いずれにせよ思い出に残る味である。 ● どうせならもっと大阪らしいものをと,有名なお好み焼きの店の第1号店「千房@千日前」(中央区難波千日前11-27・無休・11〜24)に。しかし入口に10人ほどの行列。おなかもすいていないこともありくじける。それではと道頓堀の橋のたもとで30年以上続く,ミナミの名物たこ焼き店「大たこ@道頓堀」(中央区道頓堀1-5-10・無休・10〜22・売り切れまで)にまわるが,こちらも大行列で40分待ちという。くじける。ラーメンに行列しても他の食べ物では途端に意気地がなくなる家族なのである。でも何か大阪らしいものを感じたい。そう,大阪と言えば「通天閣タワー」。クルマをまわし「新世界」まで。意外にその前の商店街はこぢんまりとしたもので「日立パソコン」と塔の中央に大きく書いてあるのが茨城の人間から見るとちょっと不思議(日立製作所は地元の大企業なのだ)。「づぼらや@新世界」(浪速区恵美須東2-5-5・無休・11〜22)の前に浮くでっかいふぐの張りぼてとセットで記念写真を撮る。角地のちいさな「づぼらや」の方はけっこうリーズナブルな値段で,ちょっとふぐ料理のパターン(ふぐのにぎり,ふぐのうどん,ふぐサラダ・・・)を味わうのにはちょうどいい感じだった。 ● 風呂に入りたい。ネットで調べた「白玉温泉@京橋」(大阪市城東区蒲生2-7-36 無休 早朝6〜翌2 <06-6933-0828>)へ。路地裏のそのまた奥にあり非常にわかりづらかったが何とか探し出し一息つく。要するに2階建ての銭湯で(料金は310円),こんなところの情報まで入ってしまうのだからインターネットはありがたい。 ■ 黒門ラーメン@日本橋 :大阪市日本橋1-21-26 木休 11:30〜16/17〜23 堺筋と千日前通りが交差する日本橋1丁目交差点のすぐ南側のあるこの店,黄色い「黒門ラーメン」の看板が夜はとてもよく目立つ。カウンターのみのとても狭い店で,道から直接座席に座ることになる(食券制)。トップメニューのとんこつラーメンは600円。白濁のコクあるスープで,スープ自体の濃度(粘度)も十分で,しっかり「九州」している。麺は見事な極細麺だが,具にキクラゲが入る分,博多と熊本の中間のイメージかな。大阪まで観光に来て典型的な九州ラーメンを食べる必要があるのかは難しいところだが,しっかりしたとんこつ系が好きな人にはオススメの店。壁には地元の情報誌,旅行・の掲載記事のコピーが重ねて貼られているから,けっこうな有名店なのだろう。具は小ブリだが厚みのあるバラチャーシューにキクラゲ・海苔・万能ネギ。テーブルには辛し高菜と紅ショウガ,ゴマ。タレはなかった。 ● と言うわけで大阪の夜を一通り満喫し(?),当初の予定通りユニバーサルスタジオの通常の駐車場開門時間(開園の2時間前=朝6時)に並ぶためこの時間にユニバーサルスタジオに向かう。近くにクルマをとめて待機していようと思ったのだ。はるばるここまで来て入場制限で入園できなかったら大変だもの・・・。ところがここから先に想像以上の試練が待ち受けていたのである。 >●ユニバーサル・スタジオ・ジャパン&関西のラーメンpart2 へ