● 『暖宝@勝田金上』と『大宝@那珂湊中前』
■ 暖宝@金上 : ひたちなか市大平4-5-17 月休 11〜20 <029-273-9740> P10台 >【 茨城のうまいラーメン 2001 】掲載店
茨城交通湊線金上駅から勝田橋方面へ向かってすぐ左側。店前に6台くらいの駐車場・向かいの路側帯にも駐車できるスペースはあるが・・・。6人がけテーブル3台・カウンター5席・座敷が2室にテーブル5台と店内は広い。「手打ちラーメン」と大きく看板が出ているように,手打ちの麺が売りの店。まさに手打ちという感じのふぞろいの平らな麺のラーメン。スープはあっさり醤油味。手打ちうどんに良くあるような和風だしのスープである。年輩の客が多く,昼時は結構混んでいる。くせになるようなラーメンではないが,メニューも多く安心して入れるラーメン店というところか。ラーメンは,しょうゆ味550円・しお味(タンメン)650円・みそ味650円・特製味(白みそ)750円が基本。冷やし800円・ざる750円なんてのもある。他にチャーハン・カレー・中華丼等々・・・要するに町の中華系食堂なのである。
●1999年7月 9日(金)
昼時に妻と行く。満席ではないがテーブルは埋まっていた。年配の人・作業着の人が多い。メニューも豊富でグループで安心して昼食がとれる店といった感じ。明快に手打ちとわかるコシのあるふぞろいの平麺と,濃いめの(うまみが強い)スープ。妻が注文した濁りのないしょうゆ味のラーメン・550円はチャーシュー・ナルト・メンマ・ワカメとオーソドックスなもの。しゃれたどんぶりで出てくる。一方,僕のタンメン・650円は中華料理店によくあるタイプ。炒め野菜がのるが肉(挽肉)はわずか。100円安いラーメンの方がありがたみがあるか。どちらも,ちょっとしょっぱく,いつもスープを飲みきる僕達も残してしまったくらいだ。つい頼んでしまったチャーハン700円は,しとっとしていてうまいが,味付けがやはりけっこう濃い目。これで500円ならありがたいが,700円は抵抗がある。結論としては,老若男女を問わず,一般受けする(地元の人に愛される)無難なラーメン店である。
●2000年8月03日(木)=「茨城のうまいラーメン」掲載時の取材 より
実際に取材した時の裏話等もっと詳しく書いて,最後に各店のデータと実際に書いた紹介文も載せてみた。掲載された文面と比べてみるのも面白いかもしれない(ほとんど変わらないと思うが・・・)
だいたいにおいて,地元(旧勝田〜那珂湊地区)でラーメン屋の話になると昔からこの店の名が出てくる。幹線道路(とは言え普通の県道)沿いだが,商店街の中というわけでもなく,決して商売向きではない立地条件。にもかかわらず,特に年輩者〜働き盛りの世代の支持が多いと思う。この日も営業職っぽい男性や作業着のグループ,おばちゃんのグループ等々で満席。つまり誰にでも安心してすすめられる店と言うこと(その分ラーメンフリークやこってり好きの若い世代には無難すぎるかも)。気むずかしい老主人を想像していたのだが,ご主人は意外に若く(とは言え50代くらい?)取材にも気負ったところもなく慣れた感じだった。お手伝いのおばちゃん達も身内の人中心という感じでアットホームな雰囲気。どこか手打ちうどん・そばの店にありがちな雰囲気である。駐車場所の話になったら,奥の座敷で休憩に入っていた奥さんらしき人から「あそこに駐めちゃダメだわよ〜」とチェックが入っていた。のんびりしている。もっとも,「掲載するおすすめラーメンは?」と聞いたら,一番高めの「ちゃーしゅー白みそらーめん」を推薦してくるあたりはしっかり「商売人」である。このラーメンは牛乳入りのこの「白みそ」仕立て,それだけ聞くとちょっとひいてしまうが,これが意外によく合うので,醤油味のスタンダードにこだわる人でない限り試してみるのも面白いと思う。この店と東京の有名店「満月@赤羽」,市内(旧那珂湊)の「大宝@ひたちなか」とは兄弟関係と言うことになるそうだ。
>> 「どんぶり会議」の投稿(「手打らーめん 満月@赤羽」の御主人の修行先・1999/12/18)参照
【店名】手打ちらーめん 暖宝(ダンホウ)
【住所】ひたちなか市大平4-5-17
【電話】029-273-9740
【営業時間】11:00〜20:00
【座席数】計53席(カウンター5席・テーブル6×3=18席・小上がり4人テーブル30席)
【定休日】月休
【駐車場】有・10台
【掲載メニュー】ちゃーしゅう 白みそらーめん:1000円
【主なメニュー】しょうゆらーめん550円・みそらーめん650円・たんめん650円・もやしらーめん700円
【行き方】
茨城交通金上駅踏切交差点を水戸方面(勝田橋方面)に向い約100m先左側
【キャッチコピー】
原点は佐野ラーメン。手打ちにこだわる地域を代表する名店
【紹介文】
とにかくまず「麺」にこだわっている。「人と同じことはやりたくない」と手打ちの本場・佐野で修行し,昭和48年に開店。老若男女を問わず,地元の人に広く愛されるこの人気店を一代で築き上げた。麺はもちろん青竹打ち。正面に麺打ち場がある。「大切なのはラーメンに対する愛情」と言い切る店主。材料はもちろん,温度,練り加減,季節によって微妙に変える粉の配合等々手をかけるべきところに常にその手間を惜しまない。スープもそうだ。冬はコクを出し,夏はあっさりと仕上げる。メニューは多彩だが,なかでも一番人気は「ちゃーしゅー白みそ」。なんと白みそに牛乳を合わせている。でもこれが意外によく合うのだ。太さの違うもやしに挽肉をあわせて煮込むと独特のコクがでる。これに手もみした縮れの強い麺がよくからむ。辛味噌の赤い色がアクセント。違う味わいが楽しめる。チャーシューはロース2枚にバラ肉1枚。食感を考えその組み合わせにもこだわっているのだ。
■ 大宝@那珂湊:ひたちなか市北神敷台19-10 月休 11:30〜14:30/17〜20:30 <029-263-2481> 移転しました。北西の「しあわせプラザ」&セイブ交差点角に立派な新店舗!
>【 茨城のうまいラーメン 2001 】掲載店
● 1999年11月17日(水)
那珂湊中学校の正門斜め前の鉄工所の空き地にあるのだが,平屋の,客席と調理場だけの小さい店。通りがかりにそそられるタイプの店ではない。が,僕自身は昔から好きな店である。メニューはかなり豊富なのだが,いつも頼むのは「もやしラーメン・550円」。醤油色は強くない和風だしのラーメンなので,もやし炒め(もやし・ニンジン・玉ねぎ)の炒め油が加わると僕ごのみなのである。それにオリジナル(メニューにはない)でチャーシューをのせてもらう(700円になる)。脂身の少ないしっかりしたチャーシューが3枚のってきて満足感がさらに高まる。麺は手打ち麺。金上の「暖宝」とメニュー的に見て同系列だと思う(白みそラーメンなんてのもあるし)のだが,「暖宝」ほど不ぞろいのいかにも「手打ち」と言った麺ではない。若い夫婦(後日夫婦ではないことが判明)でやっている店だが,店の外観はもちろん,内装にもメニューにも「今風」のところはない。その,見た目の派手さを追い求めず,黙々と働く若い二人(僕から見てだが)に昔から好感を持っている。
● 2000年7月27日(木)=「茨城のうまいラーメン」掲載時の取材 より
実際に取材した時の裏話等もっと詳しく書いて,最後に各店のデータと実際に書いた紹介文も載せてみた。掲載された文面と比べてみるのも面白いかもしれない(ほとんど変わらないと思うが・・・)
前回のラーメン本にも掲載された店。金上の『暖宝』とは親戚関係(店主から見ると暖宝の店主は叔父さん)になるそうだ。つまり母上が暖宝から独立してこの店を作ったという関係。ところでこの店,若い店主夫婦でがんばる店だとずっと思っていたのだが,てっきり奥さんだと思っていた感じのいい女性は実は店主の義姉つまり兄上のお嫁さんだそうだ。ちょっと不思議な「家族経営」である。この店の僕の昔からのお気に入りは「もやしラーメン」,取材時には掲載メニューもそれで行く(チャーシューを載せる特別メニュー)と言うことでまとまったのだが,後日カメラマンが写真を撮りに行ったら「掲載メニュー」を変えてもらいたいとのリクエスト。基本的に掲載メニューは取材者(つまり僕)の好みで決めていいことになっているのだが,そう言っても応じてくれないと困った茨城新聞社の担当者から電話があった。急いで訪ねてみると「馴染み客に聞いたら,本を見て初めて来た客がこの『もやし』を食べても次は来てくれないのではと言われたから」と言うのがその理由。わからないでもないが,それをすすめている「ラーメン好き」でおまけにこの店の推薦者である僕って何?でも馴染み客の意見の方が大事なのはしょうがない。掲載メニューを「チャーシュー麺」にすると言うことで解決する。もちろん,一度送った原稿は書き直しである・・・。以下は書き直し前の文章。
【店名】大宝
(ダイホウ)
【住所】ひたちなか市南神敷台3667 (>北神敷台19-5に移転)
【電話】029-263-2481
【営業時間】11:30〜19:30
【座席数】20席 4人テーブル×3 小上がり4人テーブル×2
【定休日】月休
【駐車場】有・10台
【掲載メニュー】もやしラーメン・チャーシューのせ:750円
【主なメニュー】ラーメン:500円・チャーシュー麺:700円・坦々麺:600円・味噌ラーメン:600円・炸醤麺:700円
【行き方】
R245・湊大橋北側の交差点を那珂湊市街地に向かって東進しケーズデンキの交差点を左折。湊線踏切を越え4つ目の信号(セイブの先の信号)を那珂湊中方面に右折。東消防署隣。
【キャッチコピー】
伝統の味を家族で継承する 麺はこだわりの自家製麺
【紹介文】
「母の作り出した味を守るってことですかね」鉄工所の敷地内にぽつんと建つ10坪ほどの一戸建て。そっけない店の外観からすれば意外に若い,30代前半の店主が照れくさそうに笑った。店の佇まい自体はあまりそそられるタイプではない。しかしそのラーメンは正統派。同市内の「暖宝」や東京の有名店「満月」とは親戚関係だそうだ。開店して20年,最近はこの2代目店主が店を仕切っている。いまなお自家製麺にこだわり,自宅で打つ麺はやや太目。粉の配合はもちろんオリジナル。手もみでほどよい縮れをつくり独特の食感を作り出す。スープの材料はトンコツ・野菜・煮干し・鰹節・昆布等々。あっさりした和風スープにはコクがあり,これにシャキッと炒められたもやしがのる「もやしラーメン」がおすすめ。野菜の炒め油でこってり感も出る。すりゴマのかかったメンマがのるのも珍しい。メニューにはないが,肉厚のしっかりした豚ロース・チャーシューを追加すれば完璧だ。かなり久しぶり(ラーメン本1の取材以来初めてだからなんと3年ぶり)にこの店へ。鉄工所の隅にあった元々の小さな店から大躍進して,表通りのセイブがある交差点そばに,駐車場も十分な立派な店で営業している。店が大きくなっても正面のカウンターの向こうに調理場,右側が小上がりにテーブル席というレイアウトが変わらないのはご愛敬(笑)。久々なのでまずは例の如くお気に入りの「もやしラーメン」(600円)を。手打平麺は縮れ具合もコシも十分。満足感は高い。一方スープはあっさりした感じで、深みを感じるものではなく,完全に脇役になっている。もう少しスープにインパクト(=重み)が欲しいところだが,これがこの店のスタイルなのだろう。それはある程度わかっていたことなのだが,夏季限定の「ざるらーめん」(700円)にすればよかったかなと後悔することしきり。メニューをよく見ると「石垣島塩」を使用したという「ねぎしお」(700円)と言うメニューもあって,久しぶりに来たら『宿題』が増えてしまった。
前回(8/15=↑),気になった「ざるラーメン」を大盛りでいただく。つけ汁は標準で醤油とごまだれの2種類出てくるが,味はストレートな感じで今風な特徴はないものの,「これでもか」と言うくらい見事に縮れたコシのある手打ち平縮れ麺の方は,「麺喰い」の人ならきっと満足すると思われるレベル。これならスープの印象は薄くとも不満はないのでは?。それにしても噛みごたえのある麺だ。多めに食べると噛み切るのに力がいるくらいコシがある。具が海苔・メンマにきゅうり,薬味が大根おろし・ネギ・ミョウガ・おろしショウガと完全にザルそばに近いもの。これはラーメン店の「つけめん」と言うより,「ざるそば」のラーメン版という感じかも・・・(笑)。基本的に夏季メニュー(4月後半〜9月中旬)のようなので注意が必要。連れが食べたのは「石垣島自然海塩使用」と言う「ねぎしおラーメン」。コーンが浮く,塩味の丸みのあるスープで,やはりストレートな味付けだから期待していたような個性は感じなかった。
珍しく妻と2人で食べに行く。注文したのはラーメン&半チャーハンのAセット(850円)と五目ラーメン(750円)。麺はいいと思うのだが,スープには特に深みは感じない。さて,今回メニューの写真にそそられて注文した五目ラーメンなのだが,ラーメンとの差はチャーシュー・ナルト・カニ蒲鉾が増えたくらい?250円の値段差を考えると僕はラーメンでいいかなと正直思ったのも確か。